ウェルネスフード
2022年7月3日

トマトの栄養と効果的な食べ方。リコピンのメリットは?ミニトマトやジュースでもいい?マッスルデリ管理栄養士が解説

 体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。

 身近な食材である「トマト」。夏野菜としてよく名前が挙がりますが、最近はトマト鍋など季節問わず人気となっています。そんなトマトの栄養とはたらきを改めてチェックしていきます。

Q.夏野菜でよくトマトがとり上げられますが、トマトの栄養や食べるメリットを改めて知りたいです。実はトマトが苦手で、ミニトマトやトマトジュースでも効果が同じだとうれしいのですが……。

A.種類によって栄養素は異なります。トマトジュースやケチャップ、色の濃い野菜で代用できることも。

 まずは、一般的なトマトやトマト加工食品100gあたりの栄養成分から見てみましょう。

文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』より

 「赤色トマト(通常のトマト)」とそれ以外では、上表のように栄養成分に違いがあります。同じ重量食べたからといって、すべての栄養素が同等程度は摂れないと考えられます。よって、ご自身が摂取したい栄養素に着目してうまく摂取量などを調整すれば、代わりとして成立するでしょう。

 参考までに、ミニトマトとトマトジュースの特徴についてご紹介します。

  • ミニトマト

通常のトマトと比べてゼリー部分が少なく果肉が多いため、β-カロテンが多いのが特徴。甘みも強いので炭水化物(糖質)も高いものが多い。

  • トマトジュース

加熱等の工程を経るため、ビタミンCなどの含有量は生食より低い。加工後、缶やペットボトルに充填されているため、時間や場所を選ばず摂取が可能。

リコピンとは。働きとメリット

 トマトの栄養素的な特徴として「リコピン」「β-カロテン」という成分が挙げられます。どちらも“カロテノイド”という黄色または赤色の色素成分の一種です。カロテノイドの特徴は、強い抗酸化作用(活性酸素の発生を抑える・取り除くはたらき)を持つことです。このため、活性酸素が原因で発生する動脈硬化の予防や、老化やがんの発生を抑える効果があると考えられています。

 健康や美容の悩みがある人にとって、トマト摂取はメリットとなるでしょう。

トマトはダイエットにいい?

 ダイエットに効果的な食材とは断言できませんが、トマトは他の野菜と同じように低脂質かつビタミンやミネラルが含まれています。日々のカロリーコントロールの範囲内で健康的な栄養バランスの食事を実現するために、一役買ってくれる存在と言えます。

濃い赤色のトマトがおすすめ

 先述のとおり、リコピンは赤色の色素成分です。リコピンを効率よく摂取したい場合、同じ生のトマトでも、より熟されて赤色が濃いものを選びましょう。

 また、生のトマトよりもトマト缶やケチャップ、トマトジュースなどのトマト加工品のほうが、リコピン含有量は高いといわれています。その理由は、製造の過程で成分が凝縮されたり、赤色の色素が濃い品種が使用されている場合があるためです。

トマトの栄養を引き出す調理法

 また、リコピンやβ-カロテンは油脂と一緒に摂取すると体内での吸収率がアップします。炒めものにする、仕上げにオリーブ油をかけるなどして摂取の工夫をしてみましょう。

 トマトには「グルタミン酸」という旨味成分が含まれています。グルタミン酸は、お肉や魚介に多く含まれるイノシン酸との相性がとても良く、掛け合わせるとおいしさが倍増すると言われています。よって、肉や魚のトマト煮などにするとおいしく召し上がれます。

トマトは1日何個まで?

 トマトの摂取量についてはとくに摂取基準が決められておらず、栄養素によって上限量が変わってくるので明言ができかねます。ただ、摂りすぎはカロリーオーバーや栄養バランスが偏る原因となるので、適量を食べるよう心がけましょう。

トマトが苦手な場合の対処法

 生のトマトの酸味や風味が苦手な場合、リコピン摂取目的であればトマトジュースやケチャップなどがオススメです。

 それ以外の栄養素は、色の濃い野菜(にんじん、ブロッコリー、かぼちゃ、小松菜、おくら、ニラなど)を食べることでカバーできます。

[プロフィール]
瀧川みなみ(たきかわ・みなみ)
株式会社Muscle Deli管理栄養士、調理師。青山学院大学文学部卒業後、専門学校で調理師、食生活アドバイザー、栄養教諭を取得。専門学校卒業後は大手外食企業で働きながら管理栄養士を取得。接客、店舗管理、副料理長を務めたのち本社の商品企画・開発部門でデザートメニューの商品開発をおこなう。その後、クラウドレストランを運営するベンチャー企業に転職し、8ブランドの立ち上げを実現。より多くの人に向けて体・健康づくりの手伝いがしたいと思い、Muscle Deliに入社。商品開発、栄養指導、レシピやコラム作成等を担当。プライベートでは料理教室や食事に関するセミナーなどのイベントを主催。

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<Text:編集部>