ライフスタイル
2024年9月27日

プロサッカー選手・森下龍矢選手が『腸活』をした結果、どんな変化が出た?結果とやり方レポ (2/2)

アスリートは腸内環境が悪くなりやすい?

過去の研究データからは、アスリートの10~20%が胃腸の痛みや腹部膨満感、下痢などの消化器症状に悩んでいることが分かっています※1。

実際に、順天堂大学がウルトラマラソンの日本人ランナーを対象に行った腸内フローラに関する研究※2では、負荷の大きい運動は腸内の酪酸産生菌を減少させ、免疫機能に影響を及ぼす可能性があることが判明しました。

また、摂南大学ラグビー部を対象とした一般健常人との腸内環境の比較研究※3においては、下痢の原因となるコハク酸が高く、大腸炎患者レベルに達している選手がいたことや、研究に参加したラグビー部員の87人中22人が、酪酸が非常に少なかったことが報告されています。

激しい運動やトレーニングに伴う体力の消耗や、試合結果やパフォーマンスへの過度な緊張状態、海外遠征など普段と違う環境での生活が、腸内環境を悪化させる要因となる可能性が考えられています。

※1 :Systematic review: exercise-induced gastrointestinal syndrome-implications for health and intestinal disease   
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28589631/

※2 :Alterations in intestinal microbiota in ultramarathon runners https://www.nature.com/articles/s41598-022-10791-y

※3 :Altered Fecal Microbiotas and Organic Acid Concentrations Indicate Possible Gut Dysbiosis in University Rugby Players: An Observational Study   
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34442766/

腸活サポート開始前の森下選手は、どんなコンディションだった?

本人のお悩み

  • 下痢症状の自覚あり
  • 競技中に足が攣る症状があり、特にアウェイの試合でひどくなる傾向がある

腸内環境の状態

<総評>

  • 腸内フローラスコア(5段階:A~E)判定は、上から2番目のB判定
  • 短鎖脂肪酸を産生する酪酸産生菌や、運動習慣がある人に多いアクティブ菌の保有割合が多い。腸内細菌の多様性も高く、良好な腸内環境

<課題>

  • 腸内環境は比較的良いものの、下痢症状に繋がる腸内細菌の保有割合が多く、整腸効果のあるビフィズス菌の保有割合が少ない
  • ストレプロコッカス(Streptococcus)やフソバクテリウム(Fusobacterium)などといった不摂生菌の割合が多い

環境の変化や試合前のプレッシャーによるストレス、食品添加物が多い食事で腸内環境が悪化

森下選手の腸内環境はサポート開始前から比較的良好な状態でしたが、ご本人が抱える下痢症状の原因となる不摂生菌の割合が多く、整腸効果があるビフィズス菌の割合が少ない状態でした。

サポート期間中の15回の検査結果と腸内フローラの状態を確認すると、ストレスや食事の内容が腸内環境に大きな影響を与えていることが分かりました。

とくに、海外遠征などで普段と生活環境が大きく変わったタイミングや、プレッシャーがかかる試合前に食品添加物が多いものを摂取した際に、不摂生菌であるフソバクテリウム(Fusobacterium)や下痢関連菌であるステレラ(Sutterella)やヘモフィルス(Heamophilus)が増え、腸内環境が悪化していました。

6月から腸活スタート!どんなことをやった?

初回の検査結果を踏まえて、6月から本格的にサイキンソーの管理栄養士からのアドバイスを開始しました。前述の通り、森下選手の課題は下記の2つでした。

1.整腸効果があるビフィズス菌が少ないこと
2.下痢症状に繋がる下痢関連菌や不摂生菌が多いこと

まずは、森下選手の腸内に少ないビフィズス菌の割合を増やすため、ビフィズス菌が腸内に定着するように複数種類のビフィズス菌入りヨーグルトをローテーションで摂取いただきました。

また、不摂生菌の保有割合を減らすために、早食いをやめ咀嚼回数を増やすこと、歯磨きやうがいなどのオーラルケアを実施いただくようアドバイスしました。

腸活を初めて3か月後、腸内環境が改善!

複数種類のビフィズス菌入りヨーグルトをローテーションで摂取し、ビフィズス菌が増加!

さまざまなビフィズス菌入りヨーグルトをローテーションで摂取する習慣を付けてもらってから、初回の検査時では保有率0.79%であったビフィズス菌が、約3カ月間で保有率4.4%まで増加しました。

また、このタイミングから森下選手には、日々の食事記録を取っていただき、管理栄養士から具体的な食事改善のアドバイスもスタートしました。

早食い禁止&オーラルケアの徹底で不摂生菌が減少

一般的に早食いをすると、食べ物が十分に消化されずに腸を通るため、腸内の粘膜が傷つきやすく腸内環境が悪化するといわれています。

また、口腔内にいる細菌も唾液や飲料水などを通して、腸内環境に影響を与える可能性が高く、歯磨きやうがいなど簡単なオーラルケアを行うことで腸内環境の悪化を防ぐことができます。

森下選手にもアドバイスを実施いただき、結果として初回の検査時よりも不摂生菌である、ストレプロコッカス(Streptococcus)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、下痢関連菌であるヘモフィルス(Haemoohilus)の保有割合が減少しました。

ビフィズス菌の保有割合が増加し、不摂生菌・下痢関連菌の割合が減少したことで、全体のフローラスコアもさらに良好な判定へと改善しました。

森下龍矢選手からのコメント

約1年間、サイキンソーさんに腸活支援をしていただきました。サポートをいただくまでは、下痢の症状や試合前の足の攣りなどに苦しむことが多く、悩みでした。

実際に腸内フローラ検査を受けてみて、自分の腸内にはビフィズス菌が少ないことや、下痢を引き起こす腸内細菌が多いことなどが分かり、これまで感じていた不調の原因が分かり安心しました。

管理栄養士さんにアドバイスを受けて、さまざまな種類のビフィズス菌入りヨーグルトを食べ続けたり、咀嚼回数を増やしたり、オーラルケアをしっかり行うなどを試し、腸内環境を改善することができました。

腸内フローラ検査では、生活習慣の改善がしっかりと結果に繋がることが目にみえて分かり、まさに”腸内細菌は嘘をつかない”と思いました。

また、個人的に一番サポートを受けて良かったなと感じたのが、日々の食事を大切にする習慣がついたことです。これまではオフの日に朝食を抜くこともしばしばありましたが、休みの日も規則正しく食事をとることや、バランスよく栄養素を摂ることを意識するようになりました。

今後もより良いパフォーマンスを目指して、サイキンソーさんと共に腸活を続けていこうと思います!

担当管理栄養士 株式会社サイキンソー管理栄養士・藤井愛海さんのコメント

森下選手は、日本サッカー界を代表するトップ選手です。元から食事にも気を遣っておられましたが、腸内フローラ検査が”ご自身の腸内環境に合った食事”を見つけるきっかけになりました。

私からは管理栄養士の目線で、食事や栄養バランスのアドバイスを行いました。普段の食事は奥様がサポートされていましたので、面談にも同席いただきメニュー改善にご協力をいただきました。なによりも「少しでも強くなりたい」という熱い想いで、腸活に取り組んでいただけたことが結果に繋がったと思っています。

腸内環境でコンディショニングが左右されない状態を作ることで、少しでも森下選手の自信やパフォーマンスへの手助けとなっていたら幸いです。

アスリートのコンディショニングと腸内フローラには深い関係性

森下選手の腸活支援から、アスリートのコンディショニングと腸内フローラには深い関りがあることが分かりました。

とくにプレッシャーのかかるタイミングや、遠征などで食事内容が普段と変わるタイミングなどに不摂生菌や下痢を引き起こす菌が増加し、腸内環境が悪化していました。こうした変化が、下痢症状に繋がっていた可能性が高いと考えています。

検査結果を元に森下選手には、ご自身に不足しているビフィズス菌をプロバイオティクス(ビフィズス菌を含むヨーグルトの摂取)で補い、不摂生菌などを減らすために咀嚼回数やオーラルケアを意識していただきました。こうした腸活の取り組みが、結果として下痢症状の克服に繋がりました。

検査により、腸内フローラの特徴や腸内環境が悪化するタイミングを知ることで、環境が変わっても恒常的に腸内フローラをコンディショニングの味方にできるようサポートができました。

【マイキンソー】腸内フローラ検査やってみた!面白すぎる結果が…!

腸内フローラ検査「マイキンソー」とは

 自宅で誰でも簡単にできる腸内フローラ検査サービス。腸内フローラ の良し悪しを5段階で評価する「腸内フローラ総合判定」の搭載に加 え、ビフィズス菌や乳酸産生菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌など の有用菌、肥満や⼤腸がんのリスクに関係がある要注意菌など10項 目が確認できます。加えて、菌の項目に合わせて腸内環境を改善する ためのアドバイスもお伝えします。全国 1,200 件以上の医療機関で 受けられる「マイキンソー プロ(Mykinso Pro)」や乳幼児に特化した検査サービス「マイキンソー キッズ(Mykinso キッズ)」も展開しています。
・サービスサイト: https://mykinso.com/

<Edit:編集部/Text&Photo:株式会社サイキンソー>

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