ヘルス&メンタル
2024年9月30日

仕事中、眠すぎる!業務中に眠いときの対処法をトレーナーに聞いてみた

「仕事していると急に眠たくなってくる」
「仕事している時だけいつも眠くなるけれど、これって病気? 」

仕事中に眠気が来て耐えられないこと、ありますよね。眠気の強さは人によりますが、仕事中に意識が飛ぶくらい眠たくなることも。仕事中に突如として襲ってくる眠気は、仕事の生産性を低下させるだけでなく、健康リスクを引き起こす可能性があります。

トレーニング健康事業を営む「株式会社Reblood」代表取締役でパーソナルトレーナーの野田博之さん監修のもと、仕事中の眠気に効果的な対処法と予防策をお届けします。

仕事中に眠気がきたときの対処法

仕事中に眠気がきたときにスカっとできる対処法をいくつか紹介します。

眠気覚ましのツボを押す

眠気覚ましのツボを押すことによって、「血行促進」「疲労緩和」「集中力アップ」などの効果があるため、眠気が覚める効果が期待できます。

合谷(ごうこく)

親指と人差し指との間にある合谷(ごうこく)というツボを押しましょう。ツボを押して痛気持ちいくらいの強さで、10秒押して3秒離すのを3~5回ほど繰り返します。

首こりや肩こり、頭痛、眼精疲労、生理痛、胃腸の不調などさまざまな症状に対応できるツボです。

労宮(ろうきゅう)

眠気を覚ますツボとして労宮(ろうきゅう)という手のひらの中央にあるツボも有効です。

手を握ったときに中指が当たる部分にあります。このツボを親指で押すと、眠気を軽減する効果があるといわれています。

押し方は合谷と同じで問題ありません。

百会(ひゃくえ)

さらに他にも試したいという方には百会(ひゃくえ)。頭のてっぺんにあるツボです。両耳の上端を結んだ線と、鼻からまっすぐ上がった線が交わるところにあります。

このツボをマッサージするようにゆっくり揉みながら軽く押すと、頭がすっきりとして眠気が覚める効果が期待できます。

耳たぶをつまんで引っ張る

耳たぶを痛くない程度の強さで、下に3秒間引っ張ったり緩めたりする動きを、5回ほど繰り返します。

耳たぶには、脳の覚醒や体全体をリラックスさせるような重要なツボが集まっています。

また、耳たぶには多くの血管があり、つまんで引っ張ることで血流が促進され、脳に新鮮な血液が送り込まれるため、眠気の軽減が期待できるというわけです。

動いて体に刺激を与える

体を動かすことで、副交感神経が働き眠気が覚めます。仕事中に動き回れる環境であれば軽く歩くことが効果的ですが、歩けない場合は下記がおすすめです。

拳を作って、拳と腕に力を入れる

拳から腕にかけて80%くらいの力で7秒ほど力を入れて、徐々に力を緩めていく。

利き手ではないほうの手で文字を書く

集中が必要になるため目が覚めます。

カフェインが含まれる飲み物を飲む

カフェインには覚醒効果があるので眠気対策に有効ですが、過剰摂取は逆効果になるため適量を守る必要があります。

1日のカフェインの適量は200〜400mg程度と言われています。

一杯のコーヒー(150ml)にはおおよそ90mgのカフェインが含まれています。そのためコーヒーであれば1日多くても4杯までに抑えましょう。

カフェインを摂取するときのポイント

  • 30分後に効果が出るため、眠りたくない30分前に飲んでおく(個人差あり) 
  • 持続効果は3~4時間とされているが、高齢者はさらに長い時間効果が続く
  • 空腹だと効果が早く現れる
  • ホットよりアイスのほうが吸収が遅いため効果が長く持続する

カフェインが含まれている代表的な飲み物のカフェイン濃度

食品名

カフェイン濃度

備考

レギュラーコーヒー浸出液

60mg/100mL

コーヒー豆の粉末10gを熱湯150mlで浸出

インスタントコーヒー

60mg/100mL

インスタントコーヒー粉末2gを熱湯140mlに溶かす

玉露

160mg/100mL

茶葉10gに60℃の湯60mlをくわえ2.5分浸出

紅茶

30mg/100mL

茶葉5gに熱湯360mlをくわえ1.5~4分浸出

煎茶

20mg/100mL

茶葉10gに90℃の湯430mlをくわえ1分浸出

ウーロン茶

20mg/100mL

茶葉15gに90℃の湯650mlをくわえ0.5分浸出

「五訂日本食品標準成分表」より引用

冷たいもので体を冷やす

体温の上昇や副交感神経が優位になると眠い状態となるので、逆になるように体を冷やしましょう。

たとえば冷たい水で顔や手を洗ったり、頭や顔、首元を冷やしたりすることで、体温を下げたり、副交感神経の働きを抑えられたりする効果があります。

冷たい飲み物を飲むのも有効です。

座りながらできるストレッチをする

短い間隔で簡単なストレッチや軽い運動を行うことで、体をリフレッシュさせ、血流を促進し、眠気を軽減できます。

このとき意識をしてもらいたいのが深呼吸。外気に含まれている新鮮な酸素を体に入れることで、さらに効果が高まります。

上半身のストレッチ

座った状態で手のひらを組んで、手のひらを上に向け腕を伸ばします。そのまま背伸びして手をグーっと真上に10秒伸ばしましょう。

その後、左に傾けてまた10秒。次は右に傾けて10秒。ポイントは背筋を伸ばした状態で行うことです。

腕と胸の筋肉を伸ばすストレッチ

イスに浅く座り背筋を伸ばします。手のひらを外に向けて息を吐きながら手を後ろにもっていく。

息を吐ききったら、次は息を吸いながら手を内側に戻す。これを5回繰り返す。

ポイントは前腕と胸を伸ばすイメージで行いましょう。

下半身のストレッチ

イスに浅めに座り、背筋を伸ばして片足ずつストレッチします。つま先を地面に対して垂直に伸ばし、太ももも伸ばし、上半身を前に傾けて10秒キープします。

もう片方の足を同じように10秒キープしましょう。

※座骨神経痛がある方は症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

空気の入れ替えや室温調整する

新鮮な空気を取り入れたり、適切な室温を保つことで、眠気を防げます。定期的に窓を開けて新鮮な空気を取り入れましょう。最適な室温は18〜22度とされています。

休憩中に仮眠をとる

もし仮眠が取れるのであれば、15~30分ほど仮眠を取りましょう。15~30分はちょうどノンレム睡眠のステージ2(浅い眠り)に入り、眠気をある程度減らせます。

30分以上取ってしまうとノンレム睡眠がステージ4になり、深い眠りとなってしまうため、より眠気が増したり、頭が働かない状態になったりする可能性があります。

おすすめは、昼食後にコーヒーを飲んで15分の仮眠を取ることです。

眠気を止める薬を服用する

眠気を止める薬は病院で処方してもらうものと薬局に売っているものがあります。

病院で処方させることが多い眠気止めの薬は、モダフィニル(商品名:モディオダール)、メチルフェニデート塩酸塩(商品名:リタリン)、ペモリン(商品名:ベタナミン)あたりが症状によって処方されることが多いです。

薬局で買える市販の眠気止め薬は、エスタロンモカやトメルミンなどがあります。

監修者プロフィール

野田博之
パーソナルトレーナー

トレーニング健康事業を営む「株式会社Reblood」代表取締役。福岡でパーソナルトレーニングジム「ULTRA MAINTENANCE」を3店舗経営。

<Edit:MELOS編集部>