ウェルネスフード
2025年1月29日

BCAAは肝臓や腎臓に負担をかけるってホント?管理栄養士に聞いた活用術

BCAAについてのさまざまなギモンを、専門家にお答えいただく本連載。BCAAは飲み過ぎると肝臓や腎臓に悪いというウワサがありますが、本当でしょうか? 横浜F・マリノス 栄養アドバイザーで管理栄養士の新生暁子さんに聞きました。

Q. BCAAは肝臓や腎臓に負担をかける、というのは本当でしょうか。プロテインやEAA でも似たような話がありますが……。

A.長期にわたって極端に摂りすぎると可能性はあります。

BCAAは食品中に含まれている成分で、BCAAの大部分は肝臓ではなく筋肉で代謝されるため、内臓への負担は少なく、摂りすぎても副作用はほとんどないといわれています。

しかし、長期にわたり摂取することで肝臓、腎臓へ負担をかけてしまう可能性があります。

それは、アミノ酸に含まれる窒素は代謝されて正常に肝臓と腎臓を通り、老廃物が尿として体外へ排出されなければ体に害を及ぼす場合があるからです。そのため、極端な摂りすぎには注意が必要です。

注意しないといけないのは、BCAAだけをたくさん摂取しすぎても、ほかの必須アミノ酸がないと筋肉を作るタンパク質は合成できないという点です。

筋肉を強く、大きくしたいと考えている場合には、アミノ酸をバランスよく含むプロテインや、EAA(必須アミノ酸)をバランスよく含むサプリメントも必要かもしれません。

BCAAを食品で摂る場合には、動物性食品に多く含まれているので脂質も一緒に摂りすぎてしまう可能性があります。食事のバランスを考えることも大切です。

日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書より

回答者プロフィール

新生暁子

シドニーオリンピック金メダリスト高橋尚子率いる『チームQ』にて、栄養・調理担当としてチームに加わり、『チームQ』解散後はフリーの管理栄養士として活動。スポーツ選手への栄養サポートやスポーツ栄養の啓発に力を入れている。19年2月よりJリーグ 横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務める。

<Edit:編集部>