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「赤色3号」の発がん性リスクは?食品添加物は本当に危険なのか。体に与える影響とは (2/2)
食品添加物は本当に危険なのか? 食品添加物が体に与える影響とは
食品添加物は、国連食糧農業機関/世界保健機関合同食品添加物専門家会議(JECFA)が設置され、安全基準内で使用されています。日本でもJECFAを基準に食品添加物の安全性が厳しく審査され、許可されたものしか使用できません(※2)。
また、通常の食生活では基準を超える摂取量は少ないとされています。
しかし、大量の加工食品やインスタント食品「だけ」を「毎日何十年も」摂取すると、添加物の摂取量が増え、健康リスクが高まる可能性は否定できません。
一部の防腐剤や着色料、人工甘味料には、腸内環境の変化、アレルギー反応、発がん性の懸念が指摘されるものもあります。
子どもや妊婦など、食品添加物リスクを注意すべき人とは
子どもは発育途上であるため、神経系や消化器系に影響を受けやすいと考えられます。人工甘味料や合成着色料の過剰摂取に注意しましょう。妊婦も胎児への影響を考慮し、摂取量を抑えめにすると安心です。
また、アレルギー体質の人も一部の添加物がアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、できる限り避けることも選択肢のひとつです。
もし食品添加物を使用しなかった場合、どんなデメリットが想定される?
食品添加物は、食品の安全性や利便性を向上させる役割を持っています。そのため、まったく使用しなかった場合、以下のようなデメリットが考えられます。
1. 食品の保存性が低下し、腐りやすくなる
保存料がないと、食品の傷みが早まるため、食中毒のリスクが増加します。冷蔵・冷凍保存が難しい環境では、食品ロスが増える可能性も。
2. 味や見た目の劣化が早まる
酸化防止剤がないと、油脂がすぐに酸化し、風味が落ちることが予想されます。
また、着色料を使わないと、色が悪くなり、食欲が減退することも。幼児や病気療養中の人、高齢者などの食欲が減退すると、さまざまなデメリットが考えられます。
3. 手軽に食べられる食品が減る
コンビニ食品や加工食品の種類が少なくなり、利便性が著しく低下します。忙しい人にとっては、自炊や食材管理の負担が増えるでしょう。
4. コストが上がる
食品添加物を使わないと、日持ちがしないため、物流や管理のコストが増加し、結果的に食品価格が上昇する可能性が懸念されます。
食品添加物と上手に付き合うためのポイント
食品添加物を避けると生活しづらい、それでも必要以上にはとりたくない。そんな人は、どのようなことに注意をするとよいでしょうか。
1. 加工食品の選び方を工夫する
できる範囲内で「無添加」「保存料不使用」と書かれた商品を選びましょう。ただし、日持ちが短いものが多いので賞味期限に注意が必要です。
あとは、原材料が「砂糖・塩・小麦粉」などシンプルなものを選ぶのもおすすめです。
2. 食品添加物の種類を意識する
合成着色料は、色や見た目の問題を除けば、避けても問題ない場合が多いです。アスパルテーム、スクラロースといった人工甘味料は、自然の甘味(はちみつ・黒糖など)を活用するのもアリです。
防腐剤・保存料は、無添加の食品を選ぶことで摂取を抑えられます。先述の通り、保管条件や食べる期間に注意しましょう。
3. 自炊を増やし、バランスの良い食生活を意識する
加工食品に頼らず、できるだけ自炊をすることで、添加物の摂取量を減らすことができます。
ただしすべてを避けることは逆にストレスの原因に。お菓子は無添加のものを選ぶが、外食時は気にしすぎないなど、バランスを考えるのが現実的です。
4. 添加物の「量」に注意する
同じ種類の加工食品を頻繁に摂ると、添加物の摂取量が増えるため、食事のバリエーションを意識するとよいでしょう。
参考
(※1)消費者庁 食用赤色3号のQ&A
(※2)消費者庁 食品添加物
監修者プロフィール
西島 理衣(管理栄養士)
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としています。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いします。
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