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2025年3月14日

医師が考える「幸せホルモン“セロトニン”が少ない人の特徴」とは (2/2)

セロトニンが少ない人の特徴7つ

セロトニンは仕事や家庭でのストレスだけでなく、生活習慣などによっても分泌が減ってしまうことがあります。自分はストレスだと思っていなくても、実は体にはストレスになっていることもあります。

セロトニンが少ない人は普段、以下のような生活を送っていることが多いです。

1.仕事や家庭環境でのストレスが多い

ストレスは脳内の神経伝達物質のバランスを乱し、セロトニンの生成を妨げます。そのため、慢性的なストレスを抱えている人は、セロトニンの分泌が減少しやすくなります。

特に1日の中で大半を過ごす仕事や家庭での過度なプレッシャーやストレスを抱えている人は、セロトニンが不足しやすいです。

日頃から息抜きができる環境や、自分なりのリラックス方法を見つけておくことが大切です。

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2.睡眠不足

セロトニンは睡眠と深くかかわっていて、睡眠不足が続くことでセロトニンの生成と分泌が乱れ、不足に繋がります。

質の良い深い睡眠はセロトニンの再生を助けます。深い睡眠が不足すると脳はセロトニンの再生に十分な時間を確保できず、結果としてセロトニン分泌の減少に繋がります。

特に、夜更かしや不規則な生活で体内時計が崩れるとメラトニンのバランスが崩れ、深い睡眠が得られなくなるためセロトニンが回復しにくくなります。

3.日光を浴びる時間が少ない

セロトニンは太陽光を浴びることで生成が促進されます。そのため屋内に長時間いる人や外に出る機会が少ない人は日光を浴びる機会が少なくなるため、セロトニンの生成が抑制される可能性があります。

特に冬は日照時間が短いため、セロトニンが不足しやすいです。冬に気持ちが沈む、うつ気味になりやすい要因のひとつと考えられます。

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4.運動不足

適度な運動は脳の神経活動を活性化させ、セロトニンの生成を促進します。その他、運動による達成感や満足感や、ストレスの軽減によってセロトニンの分泌が増えやすくなります。

運動をすると、セロトニンの元となる「トリプトファン」の濃度が上昇するため、結果セロトニンの増加に繋がります。

特にジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は脳内でセロトニンの放出を増やすため、適度に取り入れるのがいいでしょう。

小さい目標を立ててそれを達成することで感じる達成感や充足感でも、脳内のセロトニン分泌が増えますよ。

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5.偏った食事ばかり食べている

セロトニンを作るには、アミノ酸をしっかり摂ることが重要です。

アミノ酸が豊富な食材である鶏肉、魚、大豆製品、卵、ナッツ、チーズ、バナナなどが不足しているとセロトニンが作られにくくなります。

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セロトニンの元となるトリプトファンはアミノ酸から作られます。そのため、アミノ酸が摂れる食べ物を摂っていないとセロトニンが生成されにくくなります。

また、糖分やジャンクフードばかり食べていると血糖値が急上昇したりすることが多くなるため、セロトニンのバランスが乱れやすくなります。

6.カフェイン、アルコールを多く摂る

カフェインやアルコールはセロトニンの分泌や生成を妨げる作用があります。毎日飲みすぎると睡眠の質の低下にも繋がるため気を付けましょう。

カフェインは脳を覚醒状態にするため、結果的にセロトニンの生成が低下します。アルコールは一時的に気分を高揚させますが、代謝過程でセロトニンの生成や分泌が減少します。

毎日飲みすぎると睡眠の質低下にも繋がるため、気を付けるようにしましょう。

7.スマホを見る時間が長い

スマホやパソコンをずっと見ているというのは、常に脳が刺激を受けている状態です。脳の緊張状態が続き、リラックスができなくなるためセロトニンの分泌を妨げ、心身の疲労に繋がります。

スマホから得られる情報量はとても多いため、見ている間は脳が休まりません。

寝る前に見ると脳が興奮状態になり、睡眠の質の低下にも繋がるため、なるべく避けるようにしましょう。

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監修者プロフィール

たがしゅうオンラインクリニック院長
田頭 秀悟先生

経歴
鳥取大学医学部 卒業
たがしゅうオンラインクリニック院長
脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門とし、主として糖質制限食やストレスマネジメント指導を中心に内科疾患全般に対しての診療を行うオンライン総合診療医。また東洋医学会専門医でもあり、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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