
「もしかして男性不妊かも…」見た目で判断できる?内科医が語る“特徴”とは (1/2)
不妊の原因は女性だけの問題ではなく、男性側にも原因があるケースも多いというのは、知られてきているのでは。
しかし、男性不妊の自覚症状がないことも多く、「もしかして自分は?」と不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
内科医の視点から「男性不妊の可能性を示す特徴」について解説します。気になるサインがないか、ぜひチェックしてみてください。監修は平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニックの内科医・岡村 信良先生です。
男性の不妊症、見た目に特徴はあるの?
岡村先生:精液の量が極端に少ない、精液に血液が混ざっている、精液が白くなく、透明な色をしているといった場合は、不妊症の可能性があります。
また、以下の症状に2、3つ以上当てはまる人は、男性不妊の可能性があります。男性不妊症を疑う場合は、泌尿器科を受診しましょう。
男性不妊セルフチェック
- 陰嚢に熱感、痛みがある
- 陰嚢に違和感がある
- 大人になってから流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を発症した
- 鼠径ヘルニアの手術を受けている
- 抗がん剤治療を受けた
- 勃起しにくい
- 射精障害がある(早漏、遅漏、射精反射がない)
- 糖尿病を患っている
男性不妊の主な原因
岡村先生:男性の不妊には、乏精子症、無精子症、精子無力症といった原因が考えられます。
原因1 乏精子症
精液中に存在している精子の数が、通常よりも少ない状態です。
乏精子症は、「精巣静脈瘤」や「遺伝的な要因」で起こる場合があります。染色体異常であるクランフェルタ―症候群やY染色体のAZF領域の欠失などが乏精子症(無精子症)の原因となることがわかっています。
「精巣静脈瘤」は、精巣機能を低下させます。長い時間座っている、自転車に乗るなど、精巣をあたためる、圧迫や摩擦を加える習慣は、精巣静脈瘤を引き起こすことがあります。
精巣静脈瘤の特徴
陰嚢サイズに左右差がある(左が小さい)
陰嚢の表面にしわがより、でこぼこしている
立ち上がった時に、痛みを感じる
陰嚢の表面触ると、ブヨブヨしたコブのようなものを感じる
ミミズのようなものが陰嚢部分に見られる
原因2 無精子症
なんらかの原因で、精液の中に精子がいない状態を指します。無精子症には、「閉塞無精子症」「非閉塞性無精子症」があります。
「閉塞無精子症」は、精子が作られてはいますが、精子の通り道に問題があって排出されていない状態です。「非閉塞性無精子症」は、精子を作る能力が低下している状態です。
無精子症の原因
染色体や遺伝子の異常(生まれつきのもの)
抗がん剤治療
成人後のおたふく風邪の発症 など
原因3 精子無力症
精子の運動率が低い状態を指します。精子の動きが悪いため、子宮・卵管を通って卵子のところまで行く、卵子の中に侵入するといったことができません。
通常の精子の運動率は60~80%ほどですが、これが40%未満になると「精子無力症」と診断されます。
精子無力症の原因
体が有害物質にさらされる
ストレス
不規則な生活
精索静脈瘤 など
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