
不眠の原因は脳疲労だった!【心療内科医が解説】 現代人に必要な快眠のための新習慣とは? (4/4)
4.味覚
現代人は、ついつい時間に追われ急いで食べたり、健康という観点で食べるものを選んだりしがちです。
1日1回でいいので、時間やカロリー、栄養バランスを気にしすぎずに、自分が本当に食べたいと思うものをじっくり味わって食べる時間をつくリましょう。食べることは、五感をフルに使う絶好の機会でもあります。
スマホやテレビを見ながら何となく食べずに、色や形、温度や食感なども感じながら美味しく食べることで、脳が満足して余裕が生まれ、“疲弊脳”が“健幸脳”に戻っていきます。
5.嗅覚
“自分がいい香りと感じる”洗顔料やボディソープ、入浴剤などを使いましょう。
眠りにはこの香り、人気があるのはこれ、といった情報で選びがちですが、自分の脳が本能的に心地よいと感じる香りを選ぶことが大切なんです。
自分の好きな香りのルームミストを用意して、仕事中の気分転換をするのもいいでしょう。
「仕事、人間関係、介護、育児、家事、経済的不安など、ストレスフルな世の中だからこそ、忙しい毎日の中でほんの数分でも構いません。五感を使って自分に優しく、脳が喜ぶことを取り入れる習慣を身につけて。だんだんと健康脳になり、ぐっすり眠れるようになるでしょう。
また、専門医に相談してみるのもひとつの手。ただし、薬はあくまで、よく眠れるようになるまでの杖のような役割であり、根本的な改善にはつながりません。自分にしっかり寄り添って、根本的な改善策を一緒に探ってくれる専門医を見つけましょう」
まとめ
現代人は、常に多くの情報に囲まれ、多くのストレスを感じ、脳が休まらず、知らず知らずのうちに疲れてしまっています。そのうえ、眠るために「〇〇しなければいけない」「〇〇してはいけない」というプレッシャーは、さらに脳にストレスを与えてしまうため逆効果です。
眠ることを考えすぎず、日常の中で五感を心地よく刺激して、隙間時間にほんの小さなことでいいので好きなことを取り入れる。そんな風に脳のスイッチを切り替えながら生活をする習慣こそが、自然な眠りへの近道だと横倉医師は話します。
自分に合った五感療法を取り入れつつ、脳に心地よさを与えて、ぐっすり眠れる脳にしていきましょう。
プロフィール
横倉恒雄先生
横倉クリニック(東京.田町)院長。心療内科・内科・婦人科医。慶應義塾大学医学部産婦人科入局。東京都済生会中央病院産婦人科に勤務、同病院にて日本初の「健康外来」を創設。病名がない不調を抱える患者さんにも常に寄り添った診察を心がけている。クリニックで行っている講座も好評。著書に『脳疲労に克つ』『今朝の院長の独り言』他。クリニックで行っている講座も好評。 https://yokokura-clinic.com/
<取材・文/ 入江 由記>