2023年11月14日

脳疲労を回復させる方法は「睡眠」にあり!専門家が教える“脳の疲れをとる眠り方”(後編) (1/2)

前編では、入眠から2時間の睡眠の質を高めることで効率よく疲労回復できる「濃縮睡眠」というメソッドを教えてもらいました。後編では、「濃縮睡眠」でとくに大切な脳疲労解消にフォーカス。

脳疲労が溜まっていると睡眠の質は低下し、睡眠の質が悪いと脳疲労が溜まりやすくなる。この負のスパイラル、どのようにして抜け出すとよいのでしょうか。引き続き、睡眠セラピストの松本美栄さんに伺います。

前編:効率よく疲労回復できる眠り方「濃縮睡眠」とは。“理想の睡眠時間”に惑わされない!(前編)

──最近よく聞く「脳疲労」。どんな状態を指すのでしょうか? また、脳疲労が溜まるとどんな症状が現れてくるのでしょうか。

脳疲労とは、活性酸素によって脳が酸化し、それによって脳の機能が低下している状態を指します。

脳疲労が溜まると、認知機能が低下します。そうなると物事に対する意欲が出なくなります。うつ病や認知症などにも見られる症状ですね。好きなことは何とかできるけれど、そのほかに対するやる気が出なくなる。あとは、記憶力や集中力、判断力の低下も見られます。

コミュニケーション能力も低下します。人とのトラブルが出やすくなったり、言葉の受け止め方が敏感になったり、思考がネガティブになりやすいです。逆に、イライラしたりカッとなりやすいパターンもあります。

体の症状としては、倦怠感が出やすくなります。

食の変化も起きますね。食べ過ぎ、飲み過ぎなどです。食べ物のチョイスも変わってきますよ。刺激物、脂っこいもの、辛いもの、しょっぱいもの、高カロリーなものなどが食べたくなります。

──現代人は脳疲労が溜まりやすいと聞きますが、どんなことが脳疲労の原因につながるのでしょうか。

やはり睡眠不足が挙げられます。寝ないと脳は回復しないので、脳疲労が溜まります。それからストレスですね。活性酸素が溜まると脳も酸化します。

栄養不足もよくありません。脳の機能が低下してしまい、活性酸素が発生しやすくなります。添加物の多いもの(加工食品やお菓子、高カロリーなもの、インスタント食品を多く摂取し続けると栄養不足に陥り、脳疲労が溜まりやすくなります。

あとは運動不足です。血流が悪くなります。

冷え、肩こり、長時間のスマホやデスクワークなどによる姿勢の崩れも血流悪化や眼精疲労を招き、脳に十分な血液が届かなくなって脳疲労につながります。

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まだまだある! 脳疲労の原因

情報過多も原因のひとつですね。テレビやネットなどを見続けて脳がパンクしてしまう。

現代社会は脳疲労の原因だらけです。なにもしないと溜まっていく一方だと思ってください。

──脳疲労があまり溜まっていない人はいるのでしょうか?

はい、いると思います。意識してケアをしている人です。

私のクライアントさんを例に出すと、経営者や優秀なビジネスマンの方は睡眠を大切にしており、健康への意識が高い傾向にあります。そういうことが仕事の生産性につながると意識していて、マインド面も勉強しています。きちんとケアを行っている人は、脳疲労が溜まりにくいと言えるでしょう。

あとは、自然をとり入れる生活や、自然豊かな環境に身を置いている人などでしょうか。

こんな症状があれば脳疲労状態かも! 脳が疲れているサイン

脳が疲れているサインとしては、以下のようなものが挙げられます。

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