
なぜ…白髪が急に増えた、原因は?病気か、ただのストレスか[医師監修] (3/3)
ストレス性の白髪は元に戻るってホント?
「ストレスで白髪になった場合、元に戻るのか?」については、近年の研究や臨床経験から一部は元に戻る可能性があると言われています。
強いストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、毛根のメラノサイト(髪の色素を作る細胞)の働きを一時的にストップさせます。ストレス要因が解消されると、メラノサイトの機能が回復し、再びメラニンが作られて黒髪として生えてくることがあります。
実際の研究例として、2021年にコロンビア大学の研究チームが「人間の髪の毛はストレスによって白くなり、ストレスが解消されると黒髪に戻る場合がある」と報告しています(※1)。つまり、加齢による白髪とは異なり、可逆的である可能性が示されています。
加齢による白髪はメラノサイトそのものが減少してしまうため、基本的に元には戻りません。一方で、急激なストレスや一時的な生活習慣の乱れによる白髪は、改善すれば黒髪に戻るケースがあります。
ストレス性の白髪を減らすコツ
ストレス性の白髪は、加齢による白髪と違い「一時的にメラノサイト(髪の色をつくる細胞)の働きが落ちている状態」です。生活習慣や心身のケア次第で回復の可能性があります。
1. ストレスマネジメントを習慣にする
●深呼吸やリズム運動などで自律神経を整える
●趣味や運動でストレス発散する
●「頑張りすぎない」休む時間を確保する
2. 睡眠の質を上げる
●寝入りにしっかり眠る
●寝る前のスマホやカフェインを控える
●深い眠りが取れるとホルモンバランスも安定しやすい
3. 髪の色素を作る栄養を摂る
●ビタミンB群(卵、納豆、レバー)
●鉄・亜鉛(赤身肉、牡蠣、ナッツ)
●銅(エビ、イカ、ココア)
これらはメラニン生成に欠かせない栄養素です。
4. 血流をよくする習慣
●頭皮マッサージや首・肩ストレッチで血行促進
●有酸素運動で全身の巡りを改善
毛根に栄養が届きやすくなります。
5. アルコール・喫煙を控える
どちらも血流や栄養吸収を妨げ、白髪・抜け毛のリスクを高めます。
ストレス性の白髪を減らすために最も重要なのは「ストレスマネジメント」。栄養や睡眠も大切ですが、 根本はストレスコントロールを意識するのが重要です。
(※1)Rosenberg, A. M. et al. “Quantitative mapping of human hair greying and reversal in relation to life stress.” eLife (2021)
Columbia University It’s True: Stress Does Turn Hair Gray (And It’s Reversible)
監修者プロフィール
クリニック浅草橋西口クリニックMo
峯 陽子
大学病院で乳癌診療を、町のクリニック浅草橋西口クリニックMo(浅草橋駅徒歩0分の総合内科・泌尿器科・皮膚科 | 浅草橋西口クリニックMo)では内科、訪問診療を行っている。ウィメンズヘルスに詳しく、知識も豊富であり患者様に正しい知識を伝えることをモットーにしている。
<Edit:編集部>