鮭を食べると体はどう変わる?筋肉や疲労回復にいい理由[管理栄養士が解説] (1/4)
「鮭は身体に良い」となんとなく知っていても、具体的にどのような栄養や効果があるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。
鮭は、たんぱく質やDHA・EPA、ビタミンD、アスタキサンチンなどを豊富に含む栄養価の高い魚です。健康維持はもちろん、美容や筋力維持、トレーニングをする方の栄養補給にも役立つ栄養素が多く含まれています。
この記事では、鮭に含まれる栄養素や食べるメリット、筋トレとの相性、効果的な食べ方について管理栄養士が解説します。後半では、鮭の種類やサーモンの違いなど、気になるポイントもお届けしています。
鮭を食べるメリットは?
鮭には以下のような健康効果が期待されています。
- 筋肉を作る
- 筋たんぱく質の合成を高める
- 骨を丈夫にする
- 中性脂肪を下げる
- 血液をサラサラに保つ
- 生活習慣病予防
- 美肌・老化予防
- 疲労回復
それぞれ詳しく解説していきます。
豊富なたんぱく質で丈夫な筋肉を作る
▼鮭の栄養成分(100gあたり)
| 食材(生) | エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
|---|---|---|---|---|
| 白鮭 | 72 | 22.3 | 4.1 | 0.1 |
| 銀鮭 | 188 | 19.6 | 12.8 | 0.3 |
| 紅鮭 | 127 | 22.5 | 4.5 | 0.1 |
| 太平洋サーモン | 218 | 20.1 | 16.5 | 0.1 |
鮭の種類によってエネルギーや脂質の量に違いがありますが、たんぱく質は平均的に100gあたり約20g含まれています。
また、鮭に含まれるたんぱく質はアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質です。
アミノ酸スコアとは必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを表す指標で、100に近いほど質の良いたんぱく質とされています。

成人の1日に必要なたんぱく質の量は、男性で65g、女性で50gが推奨されています。100gの鮭を食べると、1日に必要なたんぱく質のうち、男性で約3割、女性で約4割を補うことができます。
ビタミンB6でたんぱく質の代謝をサポート
ビタミンB6は、たんぱく質やアミノ酸の代謝を助ける補酵素として働き、筋肉づくりやエネルギー産生に関わる重要な栄養素です。
筋トレや運動習慣がある方は、たんぱく質だけでなく、それを効率良く利用するためにビタミンB6も重要です。鮭はたんぱく質とビタミンB6をセットで摂れる点が大きなメリットです。
ビタミンDで骨と筋肉の健康維持
鮭はビタミンDが豊富な魚でもあります。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を高め、骨量維持に役立つ栄養素です。骨粗しょう症予防にも重要な栄養素とされています。
また近年では、ビタミンDが筋力維持や筋機能にも関与することが注目されています。
ビタミンDは紫外線により皮膚で合成することができますが、極度に紫外線を避ける生活や、屋内で過ごす時間が長い方は不足する可能性もあります。そのため食品からも意識して摂取することが大切です。
DHA・EPAで中性脂肪を減らし生活習慣病予防
鮭には「DHA」「EPA」と呼ばれるn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)が含まれています。
これらは肉類からは摂りにくい良質な脂質で、中性脂肪を減らす作用や血液の凝固を抑える働きが知られています。血液をサラサラにし、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病予防にも役立つ栄養素です。
一方で、DHA・EPAは含まれている食品が限定的で、摂りにくい栄養素でもあります。魚を食べる機会が少ない方は、鮭だけでなく、さばやいわしなどの青魚も定期的に食べることが大切です。
アスタキサンチンで美肌・老化予防と運動後のケアに
鮭の赤色からオレンジ色の色素成分は「アスタキサンチン」と呼ばれる成分によるものです。
アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えることで、シミやしわを防ぎ、美肌の維持に役立つとされています。
さらに、動脈硬化やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防にも効果が期待されています。
また、筋トレのような中等度の運動では主に糖質(筋グリコーゲン)がエネルギー源として使用されます。このグリコーゲンが大量に消費されると、筋疲労や持久力の低下に繋がります。
近年ではアスタキサンチンにはグリコーゲンの使用量を抑える働きがあることが報告されており、疲労軽減や運動パフォーマンスの向上への関与が注目されています。鮭は運動後のケアにも役立つ食材です。
また、鮭の身の色が濃いほどアスタキサンチン量が多いと言われており、一般的には紅鮭 > 銀鮭 > 白鮭の順に多く含まれています。

アルギニンで疲労回復と筋力維持
鮭には「アルギニン」というアミノ酸も含まれています。
アルギニンは体内でも合成されますが、ストレスが強くかかっている状態や、大きな怪我をしているなど、身体の状態によって不足しやすい栄養素のため「準必須アミノ酸」と呼ばれています。
アルギニンには、疲労の原因となるアンモニアの排出を助ける働きがあり、疲労回復に役立つとされています。
加えて血流を促進したり、成長ホルモンの分泌をサポートすることで、筋たんぱく質合成を高める働きも期待されています。
次:鮭の栄養を引き出す効果的な食べ方は?











