寒くなると「足がつる」のはなぜ?冬にこむら返りが増える原因と対策 (4/4)
足がつりやすい人の特徴。気をつけたいのはどんな人?
こむら返りは誰にでも起こりますが、次のような方は特に起こりやすいとされています。
- 60歳以上の方。年齢とともに筋肉量が減り、腱も硬くなりやすいためと考えられています。女性に多いという報告もあります)
- 妊娠中の方。とくに妊娠中期から後期(体重の増加や足の血流の変化が背景に挙げられます)
- 立ち仕事が多い方や、運動で足をよく使う方
- 飲酒量が多い方
- 糖尿病などの持病がある方や、人工透析を受けている方
- 利尿薬、降圧薬、コレステロールを下げる薬などを使っている方(とくに利尿薬との関連が指摘されています)
こうした特徴に当てはまらなくても、冷えや疲れ、水分不足が重なると、誰にでも起こりえます。薬が関係している可能性があっても、自己判断で服用をやめるのは危険です。
気になるときは、処方した医師や薬剤師に相談しましょう。
頻繁に足がつるのは病気のサイン? 受診の目安
足がつる回数が増えても、多くはその場限りで、すぐに病気と決めつける必要はありません。ただ、頻繁にくり返す場合は、背景に別の原因が隠れていることもあります。
こむら返りの背景として、糖尿病、閉塞性動脈硬化症、腰椎の病気、甲状腺の病気、腎臓や肝臓の病気などが挙げられています。
たとえば閉塞性動脈硬化症は足の血管が狭くなる病気で、歩くと足が痛む症状が特徴です。糖尿病では神経に障害が生じることがあり、こむら返りやしびれにつながる場合も。
次のような場合は、様子を見すぎず、整形外科や内科に相談しましょう。
- 頻繁にくり返し、眠りに支障が出ている
- 様子を見ても、なかなか良くならない
- 歩くと足が痛くなり、休むと楽になる
- 足のしびれや、感覚の鈍さがある
- 足がむずむずして、動かしたくなる(「むずむず脚症候群」という別の病気のことがあります)
- 新しく薬を飲み始めてから、足がつる回数が増えた
こむら返りと似ている「深部静脈血栓症」に要注意!
こむら返りと間違えやすく、見逃すと危険な病気があります。足の静脈に血の塊ができる「深部静脈血栓症」です。
ふくらはぎの痛みが何時間も続く、片方の足だけがむくんで太くなる、赤みや熱っぽさがあるといった場合は、この病気が疑われます。
血の塊が肺に流れて詰まると、命にかかわる「肺塞栓症」を起こすことがあります。いわゆるエコノミークラス症候群です。
長時間の移動や手術のあと、寝込んで動けなかったあとなどに起こりやすいため、こうした症状があれば早めに受診し、急な息苦しさや胸の痛みを伴うときは、すぐに救急車を呼んでください。
糖尿病や腎臓・肝臓の病気で通院中の方は、足がつる回数が増えたことを、かかりつけ医に伝えておくと安心です。
監修者プロフィール
林外科・内科クリニック理事長
林 裕章(はやし・ひろあき)
国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、全身を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域を支えている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、また医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定スポーツ医
公式サイト https://www.hayashi-cl.jp/
<Text:外薗 拓/Edit:編集部>








