寒くなると「足がつる」のはなぜ?冬にこむら返りが増える原因と対策 (1/4)
夜中にふくらはぎが突然ぎゅっと固まり、痛みで目が覚めて布団の中で身をよじる。寒い季節になると、そんな夜が増えたと感じる方もいるでしょう。
なぜ気温が低くなると足がつりやすくなるのでしょうか。予防のコツとは。林外科・内科クリニック理事長・林 裕章先生監修のもとお届けします。
足がつる(こむら返り)とは? 起こる仕組み
足がつる状態は「こむら返り」とも呼ばれ、ふくらはぎの筋肉が意思とは関係なく強く縮んで固まる現象です。
強い痛みを伴いますが、多くは数秒から数分でおさまります。この記事で中心に扱うのは、寝ている間や安静にしているときに起こるタイプです。

仕組みとしては、筋肉に指令を送る運動神経が過剰に興奮し、細かな信号が連続して出てしまうことが関わるとされています。
筋肉の伸び縮みを感じ取る「筋紡錘」と「腱紡錘」のバランスの乱れが原因と説明されることもあります。筋紡錘は筋肉が伸びすぎないよう縮める指令を、腱紡錘は縮みすぎないよう緩める指令を出す、いわばアクセルとブレーキのような存在です。
ただ、はっきりした原因がわからないケースも多いのが実情です。
こむら返りは年齢とともに増え、60歳以上では約3人に1人が、過去2か月のあいだに安静時のこむら返りを経験したという報告もあります。高齢の外来患者では約半数にのぼるという報告もあり、決して珍しい症状ではありません。
冬に足がつりやすくなる原因とは
寒い時期に足がつりやすいと感じる方は多く、冬の生活習慣が関わっている可能性があります。ただし、季節による違いを調べた研究では夏に多いという報告もあり、冬だけの悩みではないようです。
冷えによる血行不良と筋肉の緊張
体が冷えると筋肉の感度が鈍くなり、こむら返りの引き金になるとされています。とくに体の中心から遠い足先の冷えが、背景のひとつに挙げられています。
寒さで体がこわばり、血管が縮んで足先まで血液が届きにくくなる点も、要因として疑われています。
水分摂取量の減少とミネラルバランスの乱れ
冬は暑い時期ほど汗をかく実感がなく、のどの渇きも感じにくいため、水分を飲む量が減りやすくなります。慢性的な水分不足は、こむら返りのリスク因子のひとつに挙げられています。
暖房の効いた乾燥した部屋では、汗をかいていなくても、皮膚や吐く息から水分が失われています。その量は、大人で1日にコップ4〜5杯分ほどになります。
脱水やミネラルの乱れは原因の候補とされますが、はっきりした因果関係は確立していません。実際、足がつったときに効くイメージのあるマグネシウムも、高齢者の夜間のこむら返りについては、サプリメントで補っても回数や痛みはほとんど変わらないという研究結果がまとめられています。
運動量の低下による筋力の衰え
寒さで外出や運動の機会が減ると、ふくらはぎの筋肉を使う場面が減り、筋力が落ちやすくなります。運動不足による筋力の低下は、高齢者のこむら返りの背景として挙げられることがあります。
一方で、運動のしすぎによる筋肉の疲れもリスクのひとつです。動かなさすぎも使いすぎも避けて、日常的に足を動かす習慣を保ちたいところです。
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