マタニティヨガの効果とやり方。妊婦はいつからやっていい?自宅ポーズも解説 (1/4)
妊娠中の妊婦さんでも楽しめるマタニティヨガ。最近では産院でも講座が開かれるなど、多くの方が触れる機会が増えています。
妊娠中に起きやすい体の重さや腰痛、むくみなどの不快な症状を、ヨガのポーズと呼吸法で緩和できます。また、精神を集中することで、妊娠中のイライラや不安定な気持ちをリラックスさせてくれる効果もあります。
まずは、マタニティヨガのメリットと注意事項、基本となる呼吸法、自宅でも簡単にできるポーズを覚えていきましょう。
マタニティヨガの効果やメリット
おもに以下の効果が期待できます。
運動不足が解消できる
マタニティヨガは無理なく続けられる有酸素運動です。
体の不調が緩和する
腰痛、体のむくみ、足のつりなどが緩和されます。
血行がよくなる
体温が上がり、免疫力がアップします。
お産の呼吸の練習ができる
ゆっくりと呼吸をすることで自律神経も整います。
お産に向けて骨盤を整える
お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれ、歪んできがちな骨盤を整えます。
赤ちゃんとの絆が深まる
お腹の赤ちゃんを感じながらゆっくり呼吸をすることで、一体感が味わえます。
いつからやっていい? マタニティヨガを始めるタイミング
マタニティヨガは、妊娠20週を過ぎたころから始めることをおすすめします。不安があれば、かならず担当医に相談してから始めましょう。
マタニティヨガの注意点
次に、マタニティヨガを始める前に必ず確認しておきたいことをチェックしましょう。
安定期に入ってから始める
妊娠20週を過ぎた安定期からスタートしましょう。
無理をしない。お腹が張るときは控える
体調が悪いときは控えましょう。疲れたら中断しましょう。
締め付けのない服装で
お腹周りはゆったりと。また、冷えは禁物ですので、薄着になりすぎないようにしましょう。
食後2時間は避ける
胃が活発に動いている間は避けましょう。
滑らないように注意
ヨガマットを敷くなど、足元には十分注意しましょう。
基本の深呼吸とポーズ
まずあぐらをかき、胸の前で手を合わせてひと呼吸します。鼻から吸って鼻から吐きましょう。
手を膝におき、手のひらを上に向けます。親指と人差し指で輪を作ってもよいでしょう。ゆっくりと鼻から息を吸います。
ポイント
- 骨盤の奥底まで届ける気持ちで、お腹に深く息を吸い込みます。
- 息を吐くときは顎と口元をゆるめて、吸ったときの倍の時間をかけるようにゆっくりと息を吐ききります。この呼吸法は、陣痛のときにも役立ちます。
あぐらがつらい、できないときは
「あぐら」がきついときは、お尻の下にクッションを置いても大丈夫です。また、正座の体勢でクッションにまたがるなど、それぞれ楽な座り方を選んでも大丈夫です。
どちらの姿勢も、お尻の左右のバランスをとり、お尻の真ん中にある仙骨を立たせるように意識しながら実践してみましょう。
もしくは、横になり、以下のような姿勢でもOK。ゆっくり深い呼吸を繰り返し、体のすみずみまで力を抜いていきます。
マタニティヨガの呼吸法は、出産時の精神的不安も軽くしてくれます。ゆっくりと呼吸をすること、体の力をゆるめることを覚えていきましょう。
自宅でできるマタニティヨガのやり方
腰の痛みを緩和するマタニティヨガポーズ
まずは、多くの妊婦が悩まされる腰の痛みをやわらげるポーズから。
猫のポーズ
四つん這いになります。両手は肩幅より少し広めにし、足も肩幅に開きます。背中はまっすぐにしましょう。
ゆっくり息を吐きながら、頭を両腕の間に入れていきます。同時に背中を丸めて息を吐きます。
目線はおへそのあたり
ゆっくり息を吸いながら頭を上げ、背中を反らせます。
ゆっくり息を吐きながらもとの体勢に戻ります。3~5回繰り返しましょう。
妊娠中の腰の痛みはなぜ起こる?
「リラキシン」によって骨盤関節や靭帯がゆるむため
腰の痛みは、お産に向けて体が準備を始めることが原因で起こります。妊娠後期になると、お産に向けて「リラキシン」というホルモンが分泌され、骨盤関節や靭帯がゆるんできます。
これはお産のときに赤ちゃんが産道を通りやすいようにするための大切な作用ですが、一方でこの働きが骨盤に歪みを生じさせたり、腰まわりが不安定になって体を支える力が弱くなってしまうことがあり、腰の痛みとなって現れるのです。
無意識のに体を反らせてバランスを取ろうとするため
また、お腹が大きくなるにつれ重心が前に傾いてくるのを、無意識のうちに体を反らせてバランスを取ろうとしがちなことも、腰に痛みが発生する原因のひとつです。
ズキズキ痛む、じわじわ痛む、骨盤がきしむような感じがする、など、痛みの感じ方も人それぞれです。「どこが痛いのかわからない」と思っている妊婦さんもいるでしょう。
いずれの痛みも腰の筋肉をほぐし、血行を良くすることで、症状をやわらげることができます。ゆったりとした気分で無理せず体を動かしていきましょう。
次は「体をねじるポーズ」です。