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2021年7月26日

ツラい肩こり&首こりに効果的な「筋膜リリース」でスッキリ解消しよう┃専門家監修:自宅でできる筋膜リリース #2 (1/3)

 すでにTVや雑誌など多くのメディアで紹介され、いまなお注目を集める驚異のセルフメンテナンス「筋膜リリース」。全身のこりや痛み、姿勢の悪さといったカラダの不調を整えるだけでなく、関節の可動域を拡大して競技パフォーマンスをあげるダイレクトな効果が期待できることでアスリートのトレーニングにも取り入れられているほど。

 そこでMELOSでは、筋膜リリース、筋膜マニピュレーションの日本第一人者として知られる医学博士の竹井仁さんによる監修のもと、「筋膜リリース」の基礎知識やその効果の解説から実践編までを3回に渡って特集します。

前回:改めて知りたい「筋膜リリース」とは?効果・正しいやり方を徹底解説│竹井仁監修:自宅でできる筋膜リリース #1

 第2回の今回は、揉んでも取れない肩や首のこりを解消し、継続して実践することで“こらないカラダ”にする「筋膜リリース」を紹介します。(記事初出:2019年6月14日)

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肩こりや首こりの原因とは?

 肩こりや首こりは、筋や筋肉を包み込んでいる膜である筋膜や関節の過剰使用を原因とする症状です。

 肩こりの原因はさまざまで、姿勢の悪さ、運動不足、間違ったエクササイズ、偏った筋肉の使い方、特定の筋肉への持続的緊張や過剰労働、精神的な緊張や自律神経の乱れ、循環障害や加齢、寒さなども誘発原因になります。

 さらに職場の作業場の明るさや机の高さ、仕事の量やスピードといった環境的要素も肩こりの要因となります。また、意外な原因には、過去のケガがあり、たとえば足の捻挫や手首の骨折が筋膜のつながりを介して肩や首にこりを生じさせることも。肩に原因があるから肩がこる、というだけではないのです。

 たとえ肩に原因があって肩こりになっても、肩の筋肉は僧帽筋の下に肩甲挙筋(けんこうきょきん)、その下には脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)と何層にもなっています。表面だけがこるということは少なく、慢性的に肩こりを感じる人ほどミルフィーユのように何層にも重なってこることになります。

こりはマッサージやストレッチ、筋トレでは根治しない

 こりとは、筋肉に過剰に負荷がかかった状態です。筋肉の疲労や持続的な筋収縮、血行不足から起こる筋の無意識の収縮によって痛みを感じ、炎症が長期間続くと筋力や柔軟性も低下します。こりの状態が長く続くと、元の正常な状態に戻りづらくなって症状が慢性化し、筋肉は小さく脆弱化してしまいます。

 肩以外の部位から筋膜を介して肩こりを起こしていたり、ミルフィーユのように層になった筋肉がこっている場合は、こり固まった肩の筋肉をピンポイントにほぐすマッサージやストレッチ、筋トレ、鍼灸などの対処療法では一時的に良くなってもすぐに再発してしまうことになるのです。

肩こり・首こりを解消する「筋膜リリース」の正しいやり方

 では、実際に肩こり・首こりに効く筋膜リリースをやってみましょう。肩はタイプ別に「いかり肩」「なで肩」と、「そのどちらでもない人」でこり方が違い、リリースの方法も違ってきます。ここでは3タイプ共通のリリースを紹介します。

鼻肩回し片腕伸ばし筋膜リリース(20秒以上3回ずつ)

[ステップ1]

イスに座り、首を倒す側と反対側の肩を片手で押さえます。伸ばした手は、肩から指先を斜め後ろ下方に向け、床の中にもぐり込ませるイメージで。首はアゴを引いたまま横に倒します。

[ステップ2]

鼻を肩に近づけるように20秒以上リリースします。反対側も同様にリリースしましょう。

《注意点》

押さえた肩があがってしまったり、首を倒した側にカラダが曲がってしまうのはNGです。

\動画でやり方をチェック!/

ケガ予防、筋肉の疲労回復に効果的。全身のこりを解消する「筋膜リリース」のやり方

 最後に、スポーツのウォーミングアップ&クールダウンにぜひ取り入れたい筋膜リリースを4つ紹介します。

 スポーツ前に筋膜をほぐすことで筋肉の動きがスムーズになり、関節の可動域もあがり、パフォーマンスアップ、ケガの予防につながります。さらにスポーツ後のリリースでは、酷使した筋肉の疲労回復を早め、カラダにこりを残しません。

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