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自宅でできる「筋膜リリース」の効果的なやり方【完全版】 (1/3)

 多くのメディアで紹介されている「筋膜リリース」。全身のこりや痛み、姿勢の悪さといったカラダの不調を整えるだけでなく、関節の可動域を拡大して競技パフォーマンスをあげるダイレクトな効果が期待できることでアスリートのトレーニングにも取り入れられているほど。

 そこでMELOSでは、筋膜リリース、筋膜マニピュレーションの日本第一人者として知られる医学博士の竹井仁さんによる監修のもと、「筋膜リリース」の基礎知識やその効果、そして実践編までお届けします。

筋膜とは、「文字通り全身の筋肉を包む膜のこと」

 そもそも筋膜とはいったい何なのでしょうか?

 たとえば、鶏のモモ肉や胸肉を思い浮かべるとわかりやすいのですが、鶏皮をめくると皮と肉の間に薄い半透明の膜があります。これが「筋外膜」で、ヒトの場合も同じです。鶏皮はすなわち皮膚、そして肉の部分が筋肉で、その筋肉を包み込んでいるのが筋膜の中の筋外膜です。

◆筋膜は5つある

 ヒトの筋膜は実はひとつではなく、「浅筋膜(せんきんまく)」「深筋膜(しんきんまく)/腱膜筋膜(けんまくきんまく)」「筋外膜(きんがいまく)」「筋周膜(きんしゅうまく)」「筋内膜(きんないまく)」の5つからなっています。浅筋膜は皮下組織にあり、深筋膜は全身の筋肉をつなげてボディスーツのようにすっぽりと包み込み、筋外膜はひとつひとつの筋肉を包み、筋周膜と筋内膜に連続しています。

 さらに筋周膜は筋束を、筋内膜は筋線維1本1本を包み込んでいます。この筋膜は頭から手や足の先まで全身につながり、筋膜以外を溶かしてもカラダの形が残るということで「第2の骨格」ともいわれる重要な存在です。筋肉を正しく動かすためには、これら筋膜が柔軟に動くことが必要なのです。

◆筋膜のよじれやこわばりが、こり・はり・痛みの原因に

 悪い姿勢や、同じ作業を繰り返すなどの偏った動作を長時間続けていると、不必要な負担がカラダの一部分に集中して筋肉が固まり、それにともなって筋膜も自由度を失います。そうなると筋膜はよじれてこわばり、筋膜の上にある皮膚と筋膜の下にある筋肉がそれぞれ動きづらくなります。

 つまり、ひとつの筋肉を包む筋外膜に問題が生じるとその上にある全身の筋肉を包む深筋膜に波及し、深筋膜のつながりを介して他の筋肉へ問題が伝播していきます。その結果、その配列上のすべての筋膜の動きや働きに影響をおよぼして十分な筋力を発揮できなくなり、柔軟性も悪くなって、スポーツではパフォーマンスの低下を引き起こします。そのことが、ひいてはケガを引き起こす要因ともなります。

 また、そうした筋膜のよじれやこわばりは、カラダのこりやはり、痛みの症状にあらわれます。この筋膜の機能異常の厄介な点は、その異常を他の部分でかばおうと代償を生じさせること。ある部分の筋膜のよじれやこわばりが深筋膜から広範囲に広がってしまうことで筋膜自体が自力でほぐれることができなくなり、正しい姿勢や動作が制限されてしまうのです。

「筋膜リリース」とは? その効果は?

 リリースとは「制限を解除する」「解きほぐす」という意味を持つ言葉です。ですからつまり「筋膜リリース」とは、よじれてねじれた筋膜を解きほぐすことを目的としたメソッドです。

 セルフ筋膜リリースは、筋膜のねじれやよじれを自分自身で時間をかけてリリースすることで元に戻します。ゆっくりと解きほぐし、筋と筋膜の正しい伸張性を回復させ、筋肉が正しくスムーズに動けるようにしてカラダの不調を整えるまさに “治療(セルフメンテナンス)”なのです。

◆筋膜リリース3つの効果

・ねじれた筋膜をほぐす!

 筋膜を構成するコラーゲン線維とエラスチン線維は、悪い姿勢や長時間の同じ姿勢を続けることで一部に寄り集まり、交差してねじれが生じます。カラダを動かしてゆっくりとこのねじれを解きほぐしてあげましょう。

・筋肉が正しくスムーズに動くようになる!

 筋膜のねじれやよじれが元に戻ると、筋肉や筋繊維を包む筋内膜に柔らかさと弾性が復活。本来備わっていた筋力が発揮でき、正しく動けるカラダにリカバリーされます。

・コリがほぐれて動きやすくなる&コリにくいカラダに!

 筋膜リリース後にこりや痛みの軽減を感じたら、筋膜がリリースされた証拠。これを2週間続けることで筋力の向上や柔軟性の回復、運動パフォーマンスアップなどが期待でき、こりにくいカラダにも。さらに2週間継続することで、まわりの人もその効果に気がついてくれるようになります。

筋膜リリースを行なう上で意識したい4箇条

[1]カラダのさまざまな方向へ解きほぐす意識で行なう

 全身のつながりを感じながらカラダの内側に意識を集中してじっくり、ゆっくり行なうのがポイント。

[2]気持ちよくカラダを伸ばして90秒〜3分間

 「痛気持ちいい」と感じるぐらいで、少なくとも90秒以上時間をかけてゆっくりとリリースします。最初は20〜30秒から慣らし、だんだん時間を伸ばしていきましょう。

[3]午前・午後・入浴後の1日3回を目標に

 できればこまめにカラダの緊張をリセットするのが理想。スキマ時間を見つけて1日3回のリリースを目指しましょう。入浴すると、筋膜が硬くなっている部分のヒアルロン酸が緩み、筋膜がほぐれやすくなります。

[4]リリース後は常温の水をコップ1〜2杯

 リリース後は、組織内に蓄積した有害物質や老廃物を流し去り、不快感を緩和するために常温の水をコップ1〜2杯飲みましょう。

ここは注意!覚えておきたいポイント

・腕をあげたり、カラダをひねったりするリリースで、自分自身が「痛気持ちいい」と思う角度で行なう。痛さを我慢したり、勢いをつけてやったりしない。

・悪性腫瘍や動脈瘤、急性期のリウマチ様関節炎、全身あるいは局所感染などの病中、骨折治療中は筋膜リリースを控えましょう。

・筋膜リリースを試して痛みが取れなくなった、あるいは逆に痛みが悪化したという場合は病院へ。

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