自宅ですぐに実践できる、ヨガの「鼻呼吸」。正しいやり方や効果とは?
「ヨガ」と「呼吸」が密接な関係にあることは理解していても、具体的な効果まではよく知らないという方が多いかも。実は呼吸って、ココロの健康にもダイレクトに響くんです。今回はヨガの観点から「鼻呼吸」を用いてのプチレッスン。人気インストラクター・Chigusaさんにレクチャー頂きました。
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Chigusaさん
Studio well-being マネージャー。ヨガと出会って心身の解放を得た自身の実体験から、ヨガを通じてより多くの人に快適で笑顔溢れる生活を送って欲しいとの思いでインストラクターの道へ。IHTAヨガインストラクター、RYT200を取得。 現在は都内各所でクラスを持つほか、ヨガウェアブランド『urbanretreat』アンバサダーを務めるなど、多方面で活躍中。
身体にとっても、ヨガにとっても。鼻呼吸は重要!
ヨガの呼吸法は多様にありますが、そのほとんどが「鼻から吸って鼻から吐く」という鼻呼吸。鼻毛(びもう)がフィルターの役割をして、空気中の雑菌やウイルスが直接体内に入り込むのを防ぐだけでなく、加湿の効果もあることから、鼻呼吸が身体にとって良いのは明らかです。さまざまなポーズを取り、呼吸を止めずに深めていく時も、鼻呼吸のほうが調整しやすいんですよ。 呼吸を調整することで、集中力やリラックス効果を高めることも可能となります。今回はこれらの効果を得られる呼吸法2種類と、呼吸を取り込みやすいポーズを1種類、ご紹介します。
まずは自然な呼吸を感じてみることから
基本の座り方
おへその延長線上に両足の踵がくるよう「安楽座」で座ります。お尻のお肉を外側にかき出し、座骨を床に根付かせるように。
足・腰に無理はしないこと。横になってもOK
膝や股関節が痛くなってしまうなど、座位が難しい方はタオルで高さを作ったり、仰向けに寝た状態での呼吸でもOKです。
肩の力を抜き、ただ呼吸を感じてみる
背骨を一つひとつ丁寧に引き上げ、頭頂を空のほうへ引き上げるようなイメージで背筋を伸ばしましょう。吸う息で首と両肩をぐっと近づけ、ストンと力を抜いてみてください。手のひらは膝の上で、空へ向けて。瞼を閉じ、鼻から息が入ってきて、出ていく様子を静かに観察してみましょう
リラックスしたい時におススメ「完全呼吸」
(1)まずは腹式呼吸。細く長く息を吐ききって
お腹と背中がぺたんこになるように鼻から息を吐きます。吐ききったら、ふっとお腹を緩めて息を入れましょう。これを数回繰り返します。お腹に当てた手を押し返すように。最初は、「吸う」「吐く」は同カウントでOK。慣れてきたら吐くほうを長め、6カウントで吸って8カウントで吐くという感じに。細く長く、遠くへ向かって吐くイメージをしてください。
(2)次に胸式呼吸。肋骨の動きを感じながら
(1)のお腹がぺたんこの状態から、胸式呼吸へ。両手で肋骨を横からおさえるようにして、お腹はぺたんこのままで胸だけに息を入れ、そのままの状態で息を吐きます。吸うときには肋骨の間が広がっていくのを、吐くときは両手の指が胸の中心部に寄っていくのを感じてください。
(3)そして腹式・胸式を組み合わせた「完全呼吸」
まずは息を吐いてお腹も胸もぺたんこに。吐き切ったら、お腹の力をふわっと抜き、お腹と胸へも息を入れます。吸い切ったら、今度はお腹から吐き、その後に胸からも吐きます。吸うときも、吐くときも、お腹から胸へ。最初は手を胸とお腹に当てて行うと意識しやすくなりますよ。「完全呼吸」は副交感神経を優位にしてくれるのでリラックス効果が得られます。
集中力を高めたいときには「カーパラバーティ」
(1)手は自分の心地よい場所に
まずは座位。手の位置ですが、集中したいときは手の平を下に、リラックスしたいときは上にすると良いですよ。親指と人差し指でリングを作り3本の指を軽く添える「チンムドラー」や、膝上ではなくもう少し手前に、などもOK。ご自分の心地よい場所に置いてください。
(2)腹筋を使ってポンプのように吐く
まずは鼻から息を吐き、吐き切ったら鼻から息を吸います。吸い切ったら、お腹をポンプのように締め、シュッ・シュッと音が出るほど強く短めに息を吐きます。息を吐くたびにお腹を緩め、自然に息が入ってくるのを感じましょう。10カウント行ったら大きく息を吸い切り、再び10カウント。5セット程度行ってみてください。交感神経が優位になり、しゃっきりとしてくるはず。
呼吸を意識しやすいポーズ「キャット&カウ」
(1)まずは四つん這いの姿勢に
両手を肩幅に開き、肩の下に手首が来るように。足は腰幅に開き、お尻の下に膝が来るようにして四つん這いになります。長い背骨を意識してまっすぐの状態に。つま先は立てても、寝かせていてもOKです。
(2)吐く息に合わせて背中を丸めて
お尻の位置は動かさずに息を吸い、吐く息に合わせて尾骨と頭頂を内側にしまい込むようなイメージで背中を丸めます。このとき、手で床を押すようにして、肩甲骨の間をぐっと空へ押し出すようにしましょう。
(3)息を吸いながら尾骨と頭頂を空へ引き上げます
吸う息に合わせて尾骨と頭頂を空のほうへ引き上げながら、背骨を長く、胸を前に突き出すようにして、肩と耳を遠く離します(肩甲骨の下部を尾骨へ近づけるイメージ。背を反らせすぎないように注意)。そしてまた吐く息で(1)のように背中を丸めます。この(1)と(2)を繰り返し行っていきましょう。背骨に呼吸を通していく感覚です。5~6回を目安に、ご自身が気持ちいいと思える回数を行ってください。
深いゆったりとした呼吸ができることが大切。無理はしないで。
鼻呼吸が良いとはいっても、一番大切なのは無理をしないこと。風邪をひいた時など、鼻が苦しいときに無理をして鼻呼吸を意識する必要はありません。身体とココロにとって自然に、リラックスできる呼吸をしてくださいね。
[教室情報]
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記事提供元:現役ヨギーニに学ぶ!お家で実践するヨガの「鼻呼吸」
<Text & Photo:EPARKスクール>