ライフスタイル
2023年4月19日

お金と運動、どちらが幸福感をもたらすのか?120万人を調査してわかったこと (2/2)

運動のやり過ぎも逆効果になる

論文著者らは、運動と精神的な健康の間には大きな関連があると結論づけると同時に、運動量が多ければ多いほどよいというわけでないとしています。

著者の1人であるイェール大学のアダム・チェクラウド氏は、以下の言葉を語っています。

「運動の長さと精神への影響はUの形を取ります。運動が精神に好影響を与えるのは、それが適度な時間に収まる場合のみです」

研究によれば、精神的な健康にもっとも効果があるのは1回45分程度の運動を週3~5回行うことだそうです。

最適な運動の種類、頻度、強度などは収入や学歴などの社会的属性とも大きな関連があるとしていますが、一般的には長すぎる運動はかえって悪影響が生じることもあるとのこと。

1日に3時間以上の運動を行う人は、まったく運動をしない人より精神系の病気にかかる率が高くなると警告しています。運動もまた、過ぎたるは及ばざるがごとし、ということのようです。

参考文献:
Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study.Chekroud, S. et al., 2018

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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<Text:角谷剛>

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