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2021年12月16日

「長距離ランナーは楽天的で立ち直りも早い」傾向、心理学調査で明らかに (2/2)

長距離ランナーは冷静で立ち直りも早いが、社交性には乏しい?

 長距離ランナーはあまり物事に動じず、落ち込んでも立ち直りが早い。しかし社交性には乏しいという傾向がある。そんな結論を導くこともできそうです。

 長距離ランナーの中には、「うんうん、まったくその通りだ」とうなずく人も、逆に「自分はまったく違う」と思う人もいるでしょう。筆者自身、ウルトラマラソンを何回か走ったことがあります。そのため、もしこの研究の被験者だった場合、ウルトラランナーのグループに入れられたはずです。そんな自分を振り返ってみると、かなり正確に言い当てられているかなとは思いました。

 私はけっして孤高を気取っているわけではないのですが、1人で延々と走っていても特に寂しい、つらいとは感じません。辛抱強いというより、むしろ苦しさに鈍感なのではないかと思うこともあります。家族や古くからの友人たちは、私のことをかなり楽天的でのんきな性格だと見ているはずです。

 長距離ランナーは精神的に回復力があるのか、そもそも感情的に落ち込まないのか。関係は明らかではありませんが、どうやら身体的に苦しいはずのレースに耐えるうえで「おトクな」性格の人が多いのかもしれません。

「なんとかなるさ。心配するな」

 長距離レースとは、走り出す前も走っている最中も、予期せぬトラブルや体調の変化に見舞われるもの。それを心配しても仕方ありませんし、起きてしまったトラブルを気に病むようでは長く続けることは難しいでしょう。

 元女子マラソン選手の有森裕子さんや高橋尚子さんらを指導したことで知られるマラソン界の名伯楽、故・小出義雄監督の口癖は「なんとかなるさ。心配するな」だったそうです。

参考文献
Psychological characteristics associated with ultra‐marathon running: An exploratory self‐report and psychophysiological study.
Roebuck, G. et. al. 2020

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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<Text & Photo:角谷剛/Photo:Getty Images>

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