ウェルネスフード
2023年1月26日

糖質ゼロ・糖質オフビールおすすめ比較!1番おいしいのはどれ?太らない飲み方は?栄養士監修 (1/2)

筋トレやランニングで汗をかいた後の冷たいビールは格別ですが、「ビールは太る!?」というイメージによって普段の食事でも避けるダイエッターもいるようです。そこで、健康に気をつけたい(けれどビールは飲みたい)人の間で人気なのが「糖質オフ」や「糖質ゼロ」のビール飲料です。

今では各社からさまざまなタイプの「糖質ゼロ/オフ」の製品が発売されており、選ぶのもひと苦労。そこで代表的な12商品をピックアップし、飲み心地なども含めてチェックします。

さらに栄養士の田村つぼみさんに、「糖質ゼロ/オフ」と健康やトレーニングの関係、効果的な飲み方などについてもアドバイスいただきます。

※飲み比べの味の評価はあくまでも筆者個人の感想です。

ビールに含まれる“糖質”って何?

私たちのカラダを動かす大切なエネルギー源である炭水化物とは、「糖質」と「食物繊維」の総称です。糖質には砂糖、果糖、穀物やイモ類に含まれるでんぷん質などがあり、体内で分解されてエネルギーになります。一方、食物繊維は体内で分解されずに排出されます。

一般なビールの主原料は大麦の麦芽。それに含まれるでんぷん質をビール酵母が分解してアルコールに変化させること(発酵)でビールが誕生します。つまり、本来のビールには原料となる糖質が必ず必要なのであり、ビールならではの旨味のもとにもなっています。

糖質は“カラダのエンジン”のようなもの。カラダを動かすためのエネルギーとなるのですが、エンジンとして使われずに余った分は中性脂肪として体内に蓄積されるため、肥満や病気になりやすくなってしまいます。つまり、糖質の摂り過ぎはNGなのです!

たとえばウイスキーや焼酎は蒸留酒であり、発酵のあとに糖分を飛ばすため糖質を含んでいません。もし糖質を制限するなら焼酎やウイスキーの方がおすすめなのですが、アルコール度数が高いためカロリーも高めです。

さらにビールの醍醐味は、炭酸による“のどごし”の爽やかさにあります。どうしても「ビールののどごしがほしい!」というビール好きのために開発されたのが「糖質ゼロ/オフ」なのです。

「糖質ゼロ」と「糖質オフ」はなにが違うの?

ビールの糖質を削除するといっても、「ゼロ」と「オフ」では意味が異なります。「ゼロ」の記載があるものは、糖質が100mlあたり0.5g未満のもの。「オフ」は、一般の同等製品と比べたときに25%以上の軽減があり、さらに100mlあたり2.5g以下(飲料系)のものを指します。

つまり「オフ」は範囲が広く、注意が必要です。厳格に糖質を避けたいときには「ゼロ」と記載されたものを選ぶようにしましょう。

糖質を減らしたことの影響について、料理家であり栄養士の田村つぼみさんはこう述べます。

「糖質ゼロ/オフの製品は、通常のビールから糖質を除いているので多少味わいに変化は出ますが、その分アルコール度数を高めたりと各社が工夫されているので、商品によってはそれを感じにくいものもあるかと思います」

“お酒”であることを忘れずに上手に飲む

糖質ゼロ/オフのビール飲料といっても、(ノンアルコール製品以外は)アルコールが含まれた立派な“お酒”。飲み方には十分気をつけたいところです。田村つぼみさんはこう忠告します。

「筋トレをしているのであれば、本来は、お酒は飲まないほうがベスト。カラダづくりの際にアルコールを摂取すると、他に摂取した栄養が奪われてしまい、筋トレの効果が低くなったり、体脂肪がつきやすくなる可能性があります。『量を飲まなければ……』というわけではなく、アルコールを飲んだ時点で肝臓でのアルコール分解はスタートしており、余った分は確実にただの脂肪になってしまいます」

では、絶対に飲んではいけないかというと、

「たとえばダイエットで食事を制限している人は、ストレスで逆に太ってしまうことがあります。ずっと我慢をすることで精神的にストレスになるくらいであれば、“カラダを意識しながら”お酒を飲むことは良いと思います。チートデイ(週1日だけアルコールを摂取していいご褒美日)を設定して、お酒と筋トレを上手に両立させましょう」

「糖質ゼロ/オフ」を上手に飲むコツをお聞きしました。

「まず、カロリーを摂取しすぎないためには、もちろん飲みすぎないこと。その日のご飯の量を減らすなどをして、飲んだカロリーや糖質分を他に置き換えることが大事です。ビールにはもともと、アミノ酸、ビタミン類、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。せっかく糖質を減らしているので、おつまみや食事も糖質が低いものにしましょう。豆腐や枝豆などが手軽でヘルシーですが、野菜のナムルや発酵食品もおすすめです。同時にタンパク質もしっかり摂ってください。旬の焼き魚や、甘いタレではなく塩味でソテーした鶏肉など、良質な油や焼いた香りとともに楽しむといいですね」

それでは、各製品の成分を確認しながら、実際に飲み比べてみましょう。

糖質ゼロビール

カテゴリA:発泡酒

[麦芽の比率が50%未満、もしくは副原料の使用割合が5%を超えるもの]

【1】淡麗プラチナダブル(キリン)

糖質とプリン体をダブルでゼロにしながら、同時においしさも追求した「淡麗プラチナダブル」。旨味成分を残しながらプリン体を除去するプリン体カット製法、糖質を分解して酵母に食べきらせる糖質カット製法という独自の製法を採用し、ビールに近い飲みごたえを実現しています。

<飲み心地>
さわやかな香りと甘みがあり、全体のバランス良し。スッキリしたのどごしを楽しめます。

<ビール風味>
★★★☆☆

<成分表>※100ml当たり
[原材料]麦芽、ホップ、大麦、糖類、アルコール(国内製造)/香料、酸味料、カラメル色素、乳化剤、甘味料(アセスルファムK)
[アルコール度数]5.5%
[エネルギー]31kcal
[栄養成分]たんぱく質0~0.1g、脂質0g、炭水化物0.1g(糖質0g、食物繊維0~0.1g)、食塩相当量0g、プリン体0.00mg

【2】淡麗グリーンラベル(キリン)

タイミング良くホップを投入するホップアロマ製法によって、ホップのさわやかな香りを楽しめるのが「淡麗グリーンラベル」。製造工程(仕込・発酵・濾過)はビールと同じながら、酵母に糖質をより多く食べさせる独自技術によって、糖質70%オフを実現しています。

<飲み心地>
「淡麗プラチナダブル」と比べるとよりスッキリした飲み口と香りですが、飲みごたえは十分!

<ビール風味>
★★★☆☆

<成分表>※100ml当たり
[原材料]麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類(国内製造)
[アルコール度数]4.5%
[エネルギー]28kcal
[栄養成分]たんぱく質0.1g、脂質0g、炭水化物0.5~1.2g(糖質0.5~1.1g、食物繊維0~0.1g)、食塩相当量0g、プリン体2.0mg

【3】スタイルフリー<生>(アサヒ)

2007年に糖質ゼロの発泡酒として初めて登場したのが、アサヒビールの「スタイルフリー」。糖質カットの先駆者的ブランドです。「スタイルフリー<生>」では新たにミュンヘン麦芽を採用して麦の味わいをアップ。アルコール度数4%と、発泡酒の中でも低く抑えられています。

<飲み心地>
飲み心地、香りともにスッキリ軽い感じ。ビールの苦味が苦手な人には良いかも。

<ビール風味>
★☆☆☆☆

<成分表>※100ml当たり
[原材料]麦芽、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ、糖類(国内製造)、酵母エキス、食物繊維、大豆たんぱく/カラメル色素
[アルコール度数]4%
[エネルギー]24kcal
[栄養成分]たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物0.1~0.7g(糖質0g、食物繊維0.1~0.7g)、食塩相当量0~0.03g、プリン体3.1mg

【4】極ZERO(サッポロ)

サッポロビールの「極ZERO(ゴクゼロ)」は、気になる糖質が0だけでなく、プリン体0.00、人工甘味料0という“3つのゼロ”を世界で初めて実現。しかし、アルコール度数を高めの5%でキープすることで、のどごしや飲みごたえはそのままという、身体にうれしい発泡酒です。

<飲み心地>
人工甘味料ゼロですが、独特の甘味を感じられます。プリン体が気になる人におすすめ。

<ビール風味>
★★☆☆☆

<成分表>※100ml当たり
[原材料]麦芽、ホップ、大麦、糖類、スピリッツ(国内製造)、水溶性食物繊維/炭酸、香料、苦味料、塩化カルシウム、カラメル色素、酸味料、安定剤(アルギン酸エステル)
[アルコール度数]5%
[エネルギー]30kcal
[栄養成分]たんぱく質0~0.1g、脂質0g、炭水化物0.8~1.5g(糖質0g、食物繊維0.8~1.5g)、食塩相当量0g、プリン体0.00mg

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