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筋トレ民は糖質制限をしてもOK?トレーニング効果をアップする糖質制限方法を医師が解説 (1/2)

 もはやダイエットの定番として知られる「糖質制限ダイエット」。スポーツをする人にも、実は効果的な糖質制限。世界で結果を出すアスリートたちも糖質制限をすることで、タイムを伸ばしたり、パワーを発揮しているようです。しかし、炭水化物を全く摂らないのは不安。

 そこで前編に引き続き、ペインクリニック(痛み専門の治療)の医師で、食生活の改善・指導を積極的に治療に取り入れている清水泰行さんにお話を聞きました。ご自身もマラソン愛好家であり、年に数回フルマラソンやウルトラマラソンに出場されています。

Q.糖質制限をすると、筋肉量が落ちるからやめた方がいい?

A.糖質制限で筋肉量は落ちません。

「糖質制限をすると、糖質以外からエネルギー源となるブドウ糖を生成することになり、筋肉が分解されてアミノ酸が使われると思われている方も多いようですが、それは誤解です。エリートの体操選手に30日間、低炭水化物ケトジェニック食を食べてもらったところ、通常の食事と比べても、筋肉量もパフォーマンスも落ちないことがわかっています」(清水さん)

 糖質の代わりにタンパク質や脂質を多く摂るため、筋肉量が落ちることはないといいます。また、糖質制限することでアミノ酸だけでなく、中性脂肪から分解されたグリセロール、乳酸などからブドウ糖を形成して、血中に供給する糖新生が活発になりますが、このことにより、エネルギー消費量が増加することもわかっています。18歳〜65歳でBMI25以下の成人を対象に同じ条件のもと研究を行ったところ、炭水化物60%・脂質20%の「高炭水化物・低脂質」よりも炭水化物20%・脂質60%の「低炭水化物・高脂肪」の方が1日のエネルギー消費量が278カロリー高い結果になっています。

「同じカロリー数を炭水化物で摂った場合と脂質で摂った場合を比べると、前者のほうが太りやすくなります。それは糖質を摂るとインスリン分泌が増加し、太りやすくなってしまうからです」(清水さん)

Q.糖質制限に向き不向きのスポーツがある?

A.持久力を必要とするスポーツは向いています。

「基本的には、ほぼどのスポーツでも糖質制限をした方がいいと思います。マラソンは、糖質をエネルギー源として持久力を保つと思われがちですが、実はふだんは糖質制限をした方が良いのです。それは体の脂肪をうまくエネルギーに変えるための体質作りをするためです」(清水さん)

 ただし、100㎞のウルトラマラソンや42.195㎞のフルマラソン中は糖質の摂取はある程度、必要になるそう。タイムを狙うために走るスピードをあげると、その分エネルギーとして糖質を必要とするからです。

「レースでタイムを狙う必要がなく、ゆっくりとしたスピードでフルマラソンを走る場合は、糖質は必要ないでしょう。ふだん糖質制限をしていれば、ハーフマラソン程度の距離のレース中は水だけで問題なく、エネルギー切れを起こすこともありません。むしろ、レース前に糖質を摂ってしまうと、エネルギー切れを起こし、低血糖を引き起こす可能性があります」(清水さん)

 世界で活躍するトップアスリートも糖質制限で結果を出していると清水さんはいいます。例えばラグビーではニュージランドのオールブラックス。食事から砂糖を抜き、低炭水化物、ココナッツオイルを1人毎週6〜7缶摂取してエネルギーを得ているそうです。オールブラックスは2015年のW杯で見事優勝しています。

Q.糖質制限では悪いものは?

A.炭水化物全般NG。

 白米は太りやすいから玄米や雑穀米を選ぶ人もいますが、これはどうでしょうか。

「これらは白米に比べて食物繊維が多く含まれるため、血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの分泌が抑えられると考えられます。しかし、これは個人差があり、血糖値がゆるやかに上がる人もいればそうでない人もいる。玄米も雑穀米も基本は炭水化物なので、糖質制限では摂らないのがベストです」(清水さん)

 最近、コンビニなどで穀物の外皮を使った低糖質パンが売られています。これならば、糖質は1個あたり2~3gなので、糖質制限中に食べてもOKです。

Q.糖質制限中、たんぱく質を摂るなら、鶏もも肉よりも鶏むね肉の方がいい?

A.炭水化物さえ摂らなければ、どちらでもOK。

 筋トレをしている人には高タンパク・低脂肪の鶏むね肉やささみがすすめられますが、糖質制限の世界ではいずれも問題ないとのこと。

「鶏肉はたんぱく質が豊富なので、好きな部位を好きなだけ食べてかまいません。牛肉、豚肉も同様。豚バラ肉は太りやすいイメージを持たれますが、炭水化物と一緒に食べなければ太ることはありません。むしろ、たんぱく質と脂質が含まれているので、糖質制限中には摂りたい食材の一つです」(清水さん)

Q.糖質制限でも腹八分目の方がいい?

A.お腹いっぱい食べてもOK.

「炭水化物を食べなければ、お肉、魚などのたんぱく質や野菜をお腹いっぱい食べて構いません。脂質も必要なので、気にせずに摂りましょう。私は毎日、お腹いっぱいたんぱく質、野菜などを食べていますが、太ることは全くなくなりました」(清水さん)

Q.炭水化物を摂らないと腹持ちが気になるのですが。

A.腹持ちを考えるなら、炭水化物よりもオイルを摂りましょう。

「たんぱく質と脂質を摂っていれば、お腹が空くことはほとんどありませんが、空腹が気になるようであればMCTオイルを入れたコーヒーなどをとり入れてもいいでしょう」(清水さん)

 サッカー日本代表の長友佑都選手も日々の食事に取り入れていることで話題のMCTオイルですが、摂取するとケトン体が出ることがわかっています。同様にココナッツややしの実のオイルにもケトン体を増やす働きがあることがわかっています。先のラグビーニュージランド代表もココナッツオイルを毎日の食事に取り入れ、結果を出しています。空腹を感じるなら、MCTオイルやココナッツオイルを飲み物や食事に使用しましょう。

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