夜になると痛い「四十肩・五十肩」の対処法。ポイントは“寝るときの姿勢”
四十肩あるいは五十肩とは、肩の関節の周りの組織が炎症を起こし、痛みをともなったり、動く範囲が狭まったりする関節の病気で、正式には「肩関節周囲炎」といいます。
主に中年以降、特に40代~50代を中心に多く見られるため、40代で発症すれば四十肩、50代で発症すれば五十肩と呼ばれますが、あくまで俗称です(以降、四十肩と表記)。
急性期、寝ている間も肩に痛みが
四十肩を発症してから2週間ぐらいまでが急性期です。肩を動かすだけでなく、安静にしているときや寝ている間にも肩に痛みがあります。この痛みは関節が炎症を起こしているためで、無理に肩を動かさず、安静にします。痛みを抑えるために消炎鎮痛薬や湿布薬が処方されるほか、痛みがひどい場合には炎症を抑えるステロイド剤などを関節内に注射します。この時期は、運動やトレーニングなどは、避けた方が無難です。
また鍼灸は、痛みを和らげる効果があると思われます。しかし、リラクゼーションのためのマッサージは筋肉をほぐすもので、関節の病気である四十肩を治療することはできません。
就寝中の夜間痛も悩みの種といえます。筆者も経験していますが、痛みで目が覚めて寝不足になるくらいです。
就寝中の夜間痛、どうすれば和らぐ?
対策としては、痛い方の肩に負担をかけないようにすることが大切です。
◎痛い方の肩を上にして横向きに寝る。抱き枕もオススメ。
◎背中に布団や座布団を当てて、肩をやや高い位置に保つ。
◎体と脇の間にタオルや枕などをはさんで、肩を浮かせた姿勢をとる。
それでも無意識に寝返りをうったりするので、完全に防ぐことは難しいでしょう。痛みが強いときには痛み止めの薬や湿布薬を使うしかなさそうです。
[監修者プロフィール]
竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)
整形外科医・カイロプラクター。竹谷内医院院長。
東京都生まれ。2000年に東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。2003年、米国のナショナル健康科学大学へ留学。2007年、東京駅近くにカイロプラクティックを主体とした手技療法専門の竹谷内医院を開設。肩こり、首の痛み、腕のしびれ、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、関節痛などの手技治療に取り組む。雑誌、新聞、テレビなどのメディアでも活躍中。著書に『腰痛を根本から治す』『腰・首・肩のつらい痛みは2分で治る!』(以上宝島社)、『首の痛みは、自分で簡単に治せる1』(三笠書房)などがある。
【竹谷内医院 公式サイト】https://takeyachi-chiro.com・『頸椎症の名医が教える 竹谷内式 首トレ 5分の体操で首の痛み・肩こり・腕のしびれが消える』(徳間書店)
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※本記事はMELOSで公開された記事「四十肩&五十肩の治し方:症状、原因、予防法、ストレッチ法を徹底解説[医師監修]」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:渡辺幸雄/Edit:松田政紀(アート・サプライ)>