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2022年12月16日

「スマホをうつむいて見る姿勢」はどれくらいカラダに悪い?スマホ首を整形外科医が解説

近年「首が痛い」若年層が増えています。若いのになぜ? と思いますが、その主な原因は、スマートフォンを使う姿勢です。

画面をのぞき込むようにうつむき、自然と猫背になってスマートフォンを使っている人、電車の中でも多くみかけます。

長時間悪い姿勢をとっていると、首の骨がまっすぐになってしまい、肩や首の痛みをともなうことがあります。

「スマホ首」とも呼ばれるストレートネックとはどのような状態なのか、整形外科医&カイロプラクターの竹谷内康修氏に聞きました。

ストレートネックとはどんな症状?

最初に首の骨の構造を理解しておきましょう。

首の骨は背骨の一部で、首にあたる部分は「頸椎(けいつい)」と呼ばれます。この頸椎は、7つの椎骨(ついこつ)がつながりあって構成されています。

ストレートネックとは、本来緩やかに前弯してつながっているべき椎骨が、まっすぐになってしまっている状態をいいます。

「え? まっすぐじゃいけないの?」という人もいると思いますが、本来人間の首の骨は、頭の重さを分散して支えるために緩やかに前方へカーブしている状態が正常なんです。

正常な頸椎とストレートネックの違い

ストレートネック状態になると、首だけでなく支えている背中や肩まで負担がかかり、肩こりや腕のしびれなどが症状として出てきます。

また痛みが慢性化することによって、頭痛や吐き気、めまい、さらにひどくなると不安からの情緒不安定や不眠を引き起こす可能性もあります。

ストレートネックの原因

ストレートネックの主な原因は、ずばり「姿勢の悪さ」です。とくにスマートフォンを使っていると、無意識に下を向き猫背のまま数時間経ってしまっている人もなくないと思います。

この姿勢は、「スマホ首」とも呼ばれ、この姿勢を長時間続けることで、7つの椎骨がまっすぐになってしまうのです。

ほかにも長時間におよぶデスクワークで、姿勢が悪いことも影響します。デスクワーク時の姿勢は、イスの座り方に大きく左右されます。例えば背もたれが垂直に近いと前のめりの姿勢になって首や腰に負担がかかり、逆にのけぞった状態で座り続けても首や腰に負担がかかります。

では、姿勢が悪いと首や腰に負担がかかるのは、なぜでしょうか? それは人間の頭が重いことが原因です。

「人間の頭はボーリングの玉ほどの重さで、成人だと約4~5㎏あります。この重さを首の骨が前弯していることで、身体の真上にくるように調整し、必要最低限の力で頭を支えています」(竹谷内先生)

アメリカ・ニューヨークの脊椎外科医 ケネス・ハンスラージ氏の研究に、頭を前方に傾けることによる首が支える重さについて、以下の数値を出しています。

うつむいたときの角度と首への負担

※出典:「Surgical Technology International 第25巻」をもとに編集部で作成

▼角度と首への負荷

0度 4~6kg
15度 12kg
30度 18kg
45度 22kg
60度 27kg

スマートフォンをのぞくように30度倒せば、首には18㎏の負担が。何と60度倒してしまうと27㎏もの負担がかかってしまうそうです。この60度の角度って、思い返すとスマートフォンを使っているとき、やっている人いますよね?

ただし、45度で首の関節や筋肉に22㎏もの負担。45度近くか、それ以上うつむいている人は多いはずです。長時間これだけの負担を首にかけていると、ストレートネックになってしまうことも否めませんね。

「ついつい自然にとってしまう姿勢ですが、頭の重さが首かける負荷は大きいため、ご自身でうつむいていないかどうかを意識しておくことが大切です」(竹谷内先生)

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[監修者プロフィール]
竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)
整形外科医・カイロプラクター。竹谷内医院院長。
東京都生まれ。2000年に東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。2003年、米国のナショナル健康科学大学へ留学。2007年、東京駅近くにカイロプラクティックを主体とした手技療法専門の竹谷内医院を開設。肩こり、首の痛み、腕のしびれ、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、関節痛などの手技治療に取り組む。雑誌、新聞、テレビなどのメディアでも活躍中。著書に『腰痛を根本から治す』『腰・首・肩のつらい痛みは2分で治る!』(以上宝島社)、『首の痛みは、自分で簡単に治せる1』(三笠書房)などがある。
【竹谷内医院 公式サイト】https://takeyachi-chiro.com

『頸椎症の名医が教える 竹谷内式 首トレ 5分の体操で首の痛み・肩こり・腕のしびれが消える』(徳間書店)
▼公式ページはこちら

※本記事はMELOSで公開された記事「ストレートネック(スマホ首)を治したい!おすすめストレッチ、原因&症状を徹底解説[医師監修]」を再編集したものです。

<Edit:編集部/Text:松田政紀(アート・サプライ)/Illustration:スギサキメグミ>