完全栄養食「卵」に足りない栄養素とは。補うべきはこの2つ
良質なタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素をバランスよく含む「卵」。安く手に入り、調理も簡単でレシピも豊富。ダイエットやトレーニングに励む人からも人気の食べ物です。卵はその栄養価の高さとバランスの良さから「完全栄養食」とも呼ばれていますが、実は不足している栄養素があるのです。
卵に不足している栄養素は?
「卵は『完全栄養食』と呼ばれるほど栄養価に優れ、トレーニーに必須のたんぱく質はもちろん、多種多様な栄養素がバランスよく含まれています」と語るのは、Japanマラソンクラブで走り方や食事指導を行なう管理栄養士の深野裕子さん。
以下は、卵の鶏卵の成分と卵1個あたりの主な栄養素と1食あたりの摂取目安です。
▲『女子栄養大学出版 調理のためのベーシックデータ』より監修者制作
註:1日あたりの摂取目安は男女ともに30~49歳より算出。
エネルギー、炭水化物、脂質量は身体活動レベルⅡとして算出。
1食あたりの摂取目安は1日あたりの摂取目安×1/3として算出。
「ビタミンC」と「食物繊維」が含まれていない!
卵に唯一含まれていない栄養素は「ビタミンC」と「食物繊維」です。「野菜や果物も併せて摂取するとなお栄養バランスが整います」と深野さん。そこで、卵と組み合わせて食べたい、味&栄養バランスが整うメニューの組み合わせを教えてもらいました。
卵と組み合わせたいメニュー
炭水化物と一緒に摂る(タンパク質&糖質の組み合わせ)
卵かけごはん、ごはんと目玉焼き、パンとゆでたまご など
ビタミンCや食物繊維を多く含む野菜、果物と一緒に摂る(卵に含まれない栄養素を補う)
→温野菜サラダ(ブロッコリー・トマト)+ゆで卵 など
→いちご、キウイ、グレープフルーツ など
ちなみにビタミンCを多く含む食べ物は、菜の花、赤ピーマン、ブロッコリー、柿、キウイなど(※)。とくにブロッコリーは、ブロッコリーは100g(大きめの房4本ほど)あたり120mgでレモンよりも多く、房より茎(芯)のほうがよりビタミンCを多く含んでいるそう。
なお、ビタミンCは水溶性ビタミンなので、水に溶けやすくいのが難点。水で洗ったり、水に浸けるだけで流れ出てしまいます。調理の際は要注意ですね。
(※)参考:2019年における日本食品標準成分表2015年度版(七訂)のデータ更新
水溶性ビタミンは水に出てしまうため、野菜は茹でるより生で食べると量を摂取しやすくなります。または野菜スープなどにすれば、溶出した水溶性ビタミンも美味しくいただくことができます。
5大栄養素「ビタミン」徹底解説。どんな働きをする?多く含まれる食材は?栄養素を逃さない食べ方や食事メニュー[管理栄養士監修] より
[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行なう。
※本記事はMELOSで公開された記事「筋トレやダイエットに最適な“卵”の実力&栄養素を徹底解説。高たんぱく質の理由、1日に何個まで、食べ方[栄養士監修]」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>