免疫力を高めるカギは「腸内環境の改善」にあり。おすすめの食べ物は?マッスルデリ管理栄養士が解説 (1/2)
体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、冬になるとインフルエンザなどの風邪予防として「免疫力を高める」系のフレーズをよく耳にします。はたして、免疫力をサポートするような食べ物はあるのでしょうか?
Q.「〇〇を食べて免疫力アップ」的なフレーズをよく聞きますが、免疫力を高める食べ物ってあるのでしょうか。ヨーグルトとか……。
A.一般的な食品で免疫力を直接的に高めるものはありません。
まずは「免疫」についての解説から。免疫とは、体内に侵入した病原体・細菌・ウイルスなどを異物(自分以外のもの)として認識し、それらを攻撃・排除することで、自身のカラダを正常な状態に保つしくみのことです。
免疫には、おおきく「防御」と「攻撃」の2段階があります。
1.防御
私たちが生きていく上で、細菌・ウイルス・病原体などは絶えず体内に侵入しようとしてきます。
目、鼻、口、腸などに存在する粘膜は、ウイルスや病原体の最初の経路となります。これらの異物から身を守るために、粘膜組織には異物を排除する防御システムが備わっています。なかでも「腸」は、もっとも重要な免疫器官と言われています。
2.攻撃
体内にウイルスなどの異物が入り増殖すると、まずNK細胞やマクロファージなどの「自然免疫」が対象を攻撃します。
それでもやっつけられない場合はB細胞やT細胞をはじめとする「獲得免疫」により、さらなる攻撃を仕掛け、異物を体外に排除させようとはたらきます。
免疫力を高める食品はあるの?
機能性食品の中には、免疫力を”下げないように”させたり”活性化”させるものは一部存在しますが、一般的な食品で免疫力を直接的に高めるものはありません。
ただし、免疫機能をしっかり働かせる方法として、腸内環境の改善や体内の粘膜を保護することで健康維持につながりやすくする食品は存在します。
腸内細菌の整え方
腸内環境を改善する第一歩として、腸に60兆〜100兆個ほど住んでいると言われる腸内細菌のバランスを整えましょう。
腸内細菌はおおきく善⽟菌、⽇和⾒菌、悪⽟菌に分けられ、それぞれの菌の生息割合は日々の食事内容やストレスなどの影響を受け、変動しています。腸内細菌のなかでも善玉菌の数を増やすと腸内環境の改善につながります。
ちなみに善玉菌は発酵食品に多く含まれます。
今回は、腸内環境の向上や、粘膜強化・保護に役立つ食品を紹介します。