ギリシャヨーグルトの栄養と効果的な食べ方[管理栄養士監修] (1/3)
高たんぱく質、腸内環境改善など筋トレにもダイエットにも効果的とウワサされるヨーグルト。なかでも、ギリシャヨーグルトはとくに人気です。
そんなギリシャヨーグルトの栄養と効果的な食べ方、種類、アレンジレシピ、トレーニングしている人におすすめの上手な摂取方法を管理栄養士・小原水月さんに教えてもらいました。
ギリシャヨーグルトのカロリーと栄養
一般的なヨーグルトとギリシャヨーグルトの栄養価を比較してみましょう。
ヨーグルト(100g)
- たんぱく質:3.6g
- 脂質:3.0g
- 炭水化物:4.9g
- カルシウム:120mg
ギリシャヨーグルト(100g)
- たんぱく質:9.1~10.8g
- 脂質:0~4.3g
- 炭水化物:4.5~5.0g
- カルシウム:113~140g
製造法により栄養価は変動しますが、一般的なヨーグルトに比べ、ギリシャヨーグルトはたんぱく質が豊富な傾向があります。
たんぱく質は筋肉や肌、骨、血液と全ての細胞の材料となる重要な栄養素です。厚生労働省による日本人の食事摂取基準では、1日のたんぱく質摂取推奨量を18歳〜64歳の男性は65g、女性は50gとしています。
ヨーグルトを食べるメリットとは
ヨーグルトはたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン・ミネラルをバランスよく含んでいて、栄養バランスを整えるのに優れた食材といえます。
さらに、ギリシャヨーグルトは同じ重量でもたんぱく質を多く摂れるので、普段の食事で肉や魚などのたんぱく質源が十分に摂れていない人におすすめの補食です。
ヨーグルトの効果的な食べ方
トレーニングの効果を高めるためにヨーグルトを食べるのであれば、食べ方にもこだわりたいですよね。おすすめのヨーグルトの食べ方をご紹介します。
1日に食べる量・頻度・タイミング
2005年に厚生労働省と農林水産省が決めた食事バランスガイドによると、活動的に過ごす人のヨーグルトの1日の摂取目安は以下のようになります。
- 男性:200g~300g
- 女性:200g
ただ、これは他に乳製品を摂らない場合の目安量です。牛乳やチーズなどの乳製品を摂る場合は、ヨーグルトの量を調整してください。
食べる頻度やタイミングは食事との兼ね合いで決めます。昼食はしっかり肉を食べるのであれば、朝晩に少しずつ食べてもいいでしょうし、夕食が遅くなりそうで軽くすませたいときは、夕方に補食として食べるのもいいでしょう。
ヨーグルトのウワサQ&A
ダイエットにいい、花粉症の症状が緩和される、免疫力アップなどヨーグルトに関するうわさは多くありますが、実際はどうなのでしょうか。
ダイエットやトレーニング中の方が気になる、ヨーグルトにまつわる疑問にお答えします。
ダイエット的なメリットはある?
ヨーグルトには、便秘によるポッコリおなかの解消を助ける働きがあります。
腸の中にはカラダにいい働きをする善玉菌と、悪い作用をもたらす悪玉菌がいます。善玉菌の代表はヨーグルトに多く含まれる乳酸菌やビフィズス菌。この善玉菌が増えることで、腸内環境が整えられ、腸の働きがよくなりやすくなるのです。
腸の状態がよくなると排便がスムーズになり、スッキリおなかにつながります。
花粉症にいいってホント?
花粉症は免疫反応の暴走で起こります。体内の免疫細胞の70%が腸内に存在していると考えられているため、腸内環境を整えることで免疫機能が正常に働き、花粉症の症状を抑える可能性があります。
善玉菌を多く含むヨーグルトを定期的に食べることは、腸内環境の改善に役立ちます。とはいえヨーグルトばかり食べていると栄養バランスが偏り、逆効果にもなりかねません。あくまで補助食品としていただきましょう。
免疫力向上にいいってホント?
腸内に住む善玉菌は、食物繊維などをエサにして短鎖脂肪酸を作り出します。この短鎖脂肪酸は腸壁を刺激して排便を促したり、免疫細胞を活性化させたりする働きがあるのです。
善玉菌の代表がヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌。生活にヨーグルトを取り入れると、免疫力向上の助けになります。
ヨーグルトは筋トレ時のたんぱく質補給になる?
たんぱく質源になる食材と、100g当たりのたんぱく質含有量は以下の通りです。
- ぶたヒレ肉:22.2g
- とりむね肉:21.3g
- 牛もも肉:19.3g
- かつお:25.8g
- まぐろ:24.3g
- 卵:12.2g
- 木綿豆腐:7.0g
- ヨーグルト:3.6g
- ギリシャヨーグルト:9.1~10.8g
肉や魚に比べると、ヨーグルトのたんぱく質量は少ないのが分かります。一方、調理せずに手軽に食べられるのはヨーグルトの魅力です。
たんぱく質は構成するアミノ酸の数や種類、またペプチド結合の順序によって種類が異なります。どれかひとつの食材に偏ることなく、さまざまな食材を組み合わせて食事をすると、効率的に筋トレ時のたんぱく質補給ができるでしょう。