ウェルネスフード
2023年7月10日

【乳糖不耐症】プロテインでお腹を壊す…対処法は?|マッスルデリ管理栄養士が解説

体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。

牛乳やヨーグルト、チーズなどを食べるとお腹を壊す、ゆるくなるという声はよく耳にします。こうした乳糖不耐症の人でも、プロテインは飲んでも問題ないのでしょうか。また、どんなプロテインを選ぶとよいでしょうか。

Q.牛乳やヨーグルトなどを食べるとお腹を壊す体質ですが、プロテインは飲んでも大丈夫でしょうか?おすすめの種類があれば知りたいです。

A.ソイプロテインやピープロテイン、またWPI・WPH製法で作られたプロテインはおすすめです。

乳糖不耐症とは。原因と症状

乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を消化する「ラクターゼ」という酵素の分泌量が少ない・または持っていないために、飲むとおなかがゴロゴロする、張る、下痢をするなどの症状が現れる状態のことを指します。

乳糖不耐症には先天性のものと後天性のものがあります。先天性の方は生まれつきラクターゼが不足しており、遺伝子の異常によって引き起こされることが分かっています。一方、後天性の方は成人してからラクターゼ分泌量が不足することで乳糖不耐症を発症します。

乳糖不耐症を持つ人はアジア人に多く、日本においても82%の人が乳糖不耐症を持っているという調査結果もあります。

乳糖不耐症の人が避けた方がいい食べ物は

乳糖不耐症の症状が強い方は、とくに動物からとれる「乳」とそれらに含まれる乳糖が分解されていない食品は避けた方が良いでしょう。

具体的には、生乳(牛乳、ヤギ乳、羊乳)、スキムミルク、練乳、生クリーム、アイスクリーム類、シチューなどです。

ただ「乳糖不耐症」と一口で言っても、症状が現れる許容量は人によりまちまちです。さらに、年齢を重ねるにつれその程度も変化する場合があります。

よって、都度上記の食品をどれだけ摂るとどの程度の症状が出るか把握し、それに合わせて食事をコントロールしていくと良いでしょう。

乳糖不耐症でもプロテインは摂取していい?

プロテインの選び方についても上記同様で、ご自身の乳糖不耐の程度に合わせて選ぶのがおすすめです。

現在、市販で手に入りやすいプロテインは乳由来のもの(「ホエイ」「カゼイン」)が目立ちます。症状が重い方は、乳由来ではない植物由来の「ソイプロテイン(大豆由来)」「ピープロテイン(エンドウ豆由来)」などを検討されてみてはいかがでしょうか。

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また、ホエイプロテインでもWPI、WPHと記載がある種類であれば、乳糖不耐の方でも比較的取り入れられやすいかと思います。

  • WPC(ホエイプロテインコンセントレート)
    多く流通し、値段もリーズナブル。たんぱく質の含有率は約70%程度。
  • WPI(ホエイプロテインアイソレート)
    値段は高めだが脂質や糖質はWPCより低め。たんぱく質含有率は約90%程度。ストイックに糖質制限や脂質制限をしている人や、乳製品を摂取するとお腹が緩くなる人にもおすすめ。

WPI、WPHのプロテインは、一般に流通している乳由来のホエイプロテインをさらに加工・精製することにより、乳糖の大半が取り除かれて作られています。

さらに、WPI、WPHのタイプは一般的に主流のWPCよりもタンパク質含有量が多く、カラダへの吸収率が高いとも言われています。ただし、一度に大量に摂ると腸内の浸透圧が高くなりお腹を壊す方もいらっしゃるので、摂取量には注意しましょう。

またWPI、WPHタイプはWPCと比較して価格も高いので、体調に合わせつつ最適なものを選ぶといいでしょう。

乳糖不耐の症状がある人は、このポイントを意識してみよう

プロテインに限らず、乳糖不耐の症状がある方は、以下に注意してお食事されることをオススメします。

  • できるだけ空腹時に摂取しないようにする
  • 短時間に大量摂取は避け、時間をかけてゆっくり摂る
  • 乳製品単体での摂取よりは、同時に他の食品も一緒に摂るよう心がける
  • 乳製品を食べるのであれば、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品を選ぶ

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[プロフィール]
瀧川みなみ(たきかわ・みなみ)
株式会社Muscle Deli管理栄養士、調理師。青山学院大学文学部卒業後、専門学校で調理師、食生活アドバイザー、栄養教諭を取得。専門学校卒業後は大手外食企業で働きながら管理栄養士を取得。接客、店舗管理、副料理長を務めたのち本社の商品企画・開発部門でデザートメニューの商品開発をおこなう。その後、クラウドレストランを運営するベンチャー企業に転職し、8ブランドの立ち上げを実現。より多くの人に向けて体・健康づくりの手伝いがしたいと思い、Muscle Deliに入社。商品開発、栄養指導、レシピやコラム作成等を担当。プライベートでは料理教室や食事に関するセミナーなどのイベントを主催。

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記事協力
株式会社Muscle Deli
公式サイト https://muscledeli.co.jp/

<Text:編集部>