ウェルネスフード
2024年1月23日

ギリシャヨーグルトの栄養と効果的な食べ方[管理栄養士監修] (2/3)

ヨーグルトの起源と歴史

じつは、最初の発酵乳がいつどこで食べられ始めたかについて、はっきりしていません。

ヨーグルトは数ある発酵乳のひとつ。世界最古の遊牧民である中央アジアのエリアン人は、馬や羊の乳を発酵させた飲み物を飲んでおり、紀元前1300年ごろにはメソポタミアで発酵クリームが作られていたことが分かっています。

日本には明治時代にヨーグルトの前身となる凝乳(ぎょうにゅう)が売り出されましたが、本格的に生産されたのは戦後になってからです。

ヨーグルトの種類と特徴

原料乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させたものを発酵乳といいます。日本で発酵乳といえばヨーグルトが一般的です。厚生労働省の省令で発酵乳の成分規格は以下のように決められています。

  • 無脂乳固形成分8.0%以上
  • 乳酸菌数または酵母数が1,000万/gまたはml以上

また、ヨーグルトは形状によって大きく3種類に分けることができます。

(1) 食べるヨーグルト(糊状)

牛乳などを乳酸菌で発酵させただけのものはプレーンヨーグルトと呼ばれています。さらに水分を抜いて濃厚でクリーミーな食感にしたギリシャヨーグルトへの関心が高まっています。

(2) 飲むヨーグルト(液状)

 発酵後に固まったヨーグルトを攪拌し、液状にしたドリンクタイプのヨーグルトです。果汁や甘味料などをくわえる場合もあります。

(3) フローズンヨーグルト(凍結状)

発酵したヨーグルトを攪拌しながら凍結したもので、乳酸菌がしっかり生きています。アイスクリームに比べ低脂肪ということもあり、とくに健康に対する意識が高い人たちに人気です。

注意! ヨーグルトが体質に合わない人もいる

健康的なイメージのヨーグルトですが、なかには体質的に受け付けない人もいます。ヨーグルトを避けたほうがいいのは、どんな人でしょうか。

ヨーグルトを控えた方がいい人とは?

ヨーグルトを控えたほうがいいのは、乳糖不耐症の人。

乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持っていない、もしくは少ない人が、牛乳を飲むと腹痛や下痢などの不快な症状を起こすことです。

ヨーグルトも牛乳から作られ、乳糖を含みますので、乳糖不耐症の人が食べた際には不快症状が起こる可能性があります。

乳糖不耐症でも食べられるヨーグルト

ヨーグルトは発酵により乳糖の一部が分解されています。また、乳酸菌には乳糖の分解を助ける働きもあるので、乳糖不耐症のなかには、牛乳はダメでもヨーグルトなら大丈夫という人もいます。

ただ、無理に食べずとも、ヨーグルト以外の食事を工夫して栄養バランスを整えることも十分に可能です。体調や生活に合わせて食事を選べるといいでしょう。

関連記事:乳糖不耐症とは。避けた方がいい食べ物は|マッスルデリ管理栄養士が解説

おすすめのトッピングやアレンジレシピ

オートミールをちょい足し

腸内環境の改善を目的にヨーグルトを食べるのなら、オートミールを混ぜるのもいいでしょう。

オートミールの特徴は豊富な食物繊維を含む点。ヨーグルトで善玉菌、オートミールで善玉菌のエサになる食物繊維を摂れば、鬼に金棒です。

レンジで温めてホットヨーグルトに

また、一般的なヨーグルトに使われている乳酸菌は20〜45℃でもっとも活発に働くといわれています。

電子レンジなどで少し温めてホットヨーグルトにしてから食べると、発酵の力をさらに多く受けることができます。

自宅でできる水切りヨーグルトの作り方

特別な印象のあるギリシャヨーグルトですが、自宅でも水切りをすることで好みに合わせたヨーグルトが作れます。

ボウルにザルを乗せてキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを乗せラップをして、冷蔵庫に入れて放置するだけでOKです。

1パック(400g)のヨーグルトの場合、1〜2時間おくとふんわりした食感に、3〜4時間おくとしっかりめに、一晩おくとかなり硬く仕上がります。

分離した水分(乳清)にも栄養が含まれますので、ドリンクやスープなどにして無駄なく食べましょう。

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