会社やめたい人へ!なんとか行く?退職する?心理士が教える対処法2パターン (1/2)
仕事内容が嫌い、向いていない、人間関係……会社を辞めたい理由は数多くあります。そのとき、転職をするかしないか悩むかと思います。
本記事では「転職への第一歩を踏み出すための考え方」と、「転職をしないで乗り切る方法」の2つを探っていきたいと思います。
回答してくれたのは、つのだデンタルケアクリニック院長で日本選択理論心理学会認定選択理論心理士の角田智之先生です。
まずは転職が怖い、不安なとき「勇気をもって踏み出す」方法から。後半は「転職せずなんとか乗り切る方法」です。
会社を本当に辞めたいのに転職の勇気が出ない。なぜ?
まず、転職の勇気が出ない原因とその対処法を考えていきます。
理由1 会社に退職を告げたときに発生する苦痛感情
辞める場合、会社にその旨を伝えなければなりません。
人は、苦痛感情を回避する傾向があります。会社に退職を伝えた場合、自分が退職することで周囲に迷惑をかけてしまう、お世話になった会社に別れを告げることになる、一緒に頑張ってきた仲間を裏切ることになるかも、といった感情が起こる可能性があります。
そして、今日すぐに退職するわけではないので、残務期間が発生します。その期間は、会社や周囲の社員から「辞めるんだ」という目で見られます。
本人も「この期間を乗り切りさえすればいいや」という思考になるかもしれません。これはパッションダウンにつながります。
理由2 今後の生活への不安
また、“次の就職先が決まっていない”という場合、生活に対する不安も大きな要因になると考えられます。
それぞれの原因にどう対処していくか
原因を推測できたら、次は対処法です。どのような考え方をすれば、転職への勇気が湧いてくるでしょうか。
“苦痛感情”にはどう対処する?
退職の日を想像してみましょう。
周囲や会社に、「辞めるからだろうけれど、仕事も消化試合って感じだったね」と思われてしまう行動で残務期間を過ごすか、「○○さん、辞めちゃうんだ。最後の仕事ぶり凄かったね、辞めてしまうのが本当に惜しい!」と惜しまれながら退職するかは、自分で選択できます。
もし後者を選択した場合、退職までの期間にがんばったことは、転職先での仕事の向き合い方にもプラスに働くのではないでしょうか。
“次がないことへの不安”にはどう対処する?
不安の原因は、情報不足が大きく関係します。
次がない場合でも、退職後すぐに生活困窮してしまうわけではありません。年齢によっては退職金が出るかもしれませんし、失業手当の支給もあるでしょう。しかも、失業手当の額は予測できます。
現在の収入、生活の支出を計算して、いつまでに転職し、最低必要収入を割り出せば、いつまでに就職しないとならないかも見えてきます。
転職希望の業界とその業界の人材状況はどうなのか、採用率はどのくらいかなど状況分析し、就職希望時期から逆算することで、一日何社ほど面接の申し込みをすればよいか明らかになります。
情報が多くなれば不安も少なくなり、勇気とモチベーションが湧いてくるでしょう。
▼やる気がなくても行動したい
やりたいことが分からない場合、先にそこを探る必要がある
では、次の仕事もやりたいことも決まっていないけれど、今の会社は辞めたい。でも勇気が出ないといった場合、どうすればよいでしょうか。その場合、まず自分のやりたいことを明らかにする必要があります。
それが分かれば苦労しない! と言われそうですね。しかし、試してみて欲しい方法があります。
転職を考えていない人でも、自分の望むものを明らかにすることができますよ。
ステップ1 やりたいこと、なりたい姿を30個出す
まず、自分のやりたいことやなりたい姿を30個書いてみてください。なんでもOKです。
火星に行きたい、地球の中心を見てみたい、アラブの石油王になりたいなど非現実的なものでも大丈夫です。
ステップ2 現状的にできそうなものを10個選ぶ
書き終わったら、現実世界で実行できそうなものを10個ピックアップしてください。
ステップ3 10個を順位づけし、上位2つを選ぶ
それができたら、10個に順位づけをし、上位2個をピックアップしてください。これが、いまあなたが望んでいることです。
この2個を達成するために集中することが、自分の願望を実現するカギとなるはずです。
次が決まっていないのに退職するメリット・デメリット
この記事を読んでいるということは、次が決まっていないものの早く退職したい! と煮詰まっている人も多いでしょう。
ここでは、次が決まっていないうちに退職するメリットとデメリットを見ていきましょう。
先に退職するメリットは「背水の陣」
決まっていないのに転職することは、自ら背中の扉を閉めることです。もう後戻りできない状況を自ら作り出し、前進に集中できます。
次の会社の面接がダメだったから、いまの会社に留まろうということができません。“なにがなんでも”という思考を強くできます。
ただ注意が必要なのは、どんな状況になろうと肯定的解釈を忘れないことです。背中の扉が閉まっているので、あきらめの感情が出てくるとすぐに否定的解釈に侵されてしまいます。
先に退職するデメリットは「強い願望・目標がないと動けなくなる」
転職はものすごくパワーが必要です。
パワーはどこからくるのかといえば、願望です。願望が明らかでない場合は、すぐにパッションダウンしてしまいます。
カーナビと同様に、目的地が決まっていれば、道筋は複数あっても目指すところは同じです。ですが、もし目的地の入力できなければカーナビは機能せず、現在地を知らせるだけです。
そのため、やりたいことが明らかでない退職はデメリットが多くなるでしょう。
次が決まってなくても辞めたほうがいい会社とは
理念がない会社です。私はそう考えます。
理念とは“本来あるべき姿”です。理念は非常に重要で、業務における判断選択をする際、よりどころとなる考え方です。
これがなければ、海図のない海を社員が勝手に航海しているようなものです。
もし海で迷っても、コンパスと海図があれば目的地は見えています。判断に迷ったときは理念に立ち返れば良いという導きになります。
理念が社員に知られていない、押しつけになっているパターンも
立派な理念はあるものの、お飾りになってしまっている会社も残念です。理念が社員に浸透していなければ、何を目指して働いているのか分からなくなってしまいます。
社長や役員は、社員は自分の利益のために働いていると解釈し、社員側も上層部の利益のために働いていると感じてしまいます。これでは仕事のモチベーションも上がりません。
私が考える、会社を辞めたほうがいいサイン
体に何らかの症状が出ている場合は、退職を検討するサインなのではないでしょうか。
メンタルが体に及ぼす影響は計り知れないものがあります。症状も多彩で、私の専門である舌痛症もそのひとつです。舌が焼けるように痛くなったり、ヒリヒリ、ぴりぴりするのです。
ほか、胃が痛い、体が重い、なにかやる気が出ない、心臓のドキドキが止まらない、頭痛、腰痛があるなども挙げられます。
ストレスや思い通りになっていないことがあると、体は症状を出してきます。実際に胃潰瘍などの病気を作ってしまう場合もありますが、症状があるのに病院で調べても原因不明ということも多く見られます。それは、その方の抱えている大なり小なりの“不幸”が原因と思われます。
その“不幸”の原因が仕事や会社にあるとすれば、辞める選択も浮かんできます。
後半:会社をやめたいと思っているとき、「転職せず」なんとか乗り切る方法