110度骨盤底筋スクワット
フィットネス
2026年2月3日

「最近トイレが近い…」男性の尿トラブルに効く骨盤底筋スクワットのやり方 (1/2)

トイレの回数が増えたり、尿漏れの不安が高まったり……それはもしかしたら加齢による尿トラブルかもしれません。男性ホルモン「テストステロン」が減少することで、排尿のコントロールに影響が出る場合があると、産婦人科医・沢岻 美奈子先生は言います。

そんな尿トラブルの改善を期待できるのが、骨盤底筋スクワットです。力の入れ方がわかりにくい「骨盤底筋」について、初心者でもわかりやすいようにイラスト付きで解説します。

取り組み方次第で尿トラブルの改善だけでなく、姿勢や体幹の強化にもつながる骨盤底筋スクワット、日々の習慣にしてみてください。

男性ホルモンの減少で起こる、頻尿や尿漏れ症状

男性ホルモンの中でも特に重要なテストステロンは、加齢とともに徐々に分泌量が減少します。

男性ホルモン 女性ホルモン

テストステロンの減少は、筋肉量の低下や体力の衰えだけでなく、膀胱や排尿を調整する神経機能に影響を与えやすいとされています。結果として、トイレが近くなったり、尿漏れのリスクが高まったりしやすくなります。

また、中年以降は前立腺肥大により排尿障害が増加する傾向があります。前立腺自体が大きくなることで尿道が圧迫され、頻尿や残尿感が起こりやすくなります。こうした変化は自覚症状が出にくいこともあり、気づかないうちに状態が進行している場合があるため、注意が必要です。

尿トラブル対策に骨盤底筋トレーニングは有効

尿トラブルを防ぐためには、早めに対策を始めることが大切です。特に骨盤底筋を鍛えることは、排尿のコントロールをサポートするうえで有益と考えられています。

加齢による男性ホルモンの減少にあらがうためにも、適度なエクササイズを取り入れた生活習慣に整えてみましょう。

膀胱を支える「骨盤底筋」を鍛える効果

骨盤底筋は、骨盤内の臓器を下から支えるハンモックのような役割を持っています。この筋肉群が衰えると、膀胱や尿道まわりのサポートが弱まり、尿トラブルが起きやすい状態になります。

骨盤底筋群

男女の更年期、デスクワークや運動習慣のない人は注意

尿トラブルは女性更年期に多いとされていますが、男性の場合も決して例外ではありません。骨盤底筋のケアを怠ると、頻尿や尿漏れといった悩みが深刻化する恐れがあります。

普段の姿勢や運動習慣によっては骨盤底筋へ十分な刺激を与える機会が少ないため、意識的に鍛える必要があります。

例えば、日常的に長時間椅子に座っている方や、運動量が極端に少ない方は特に注意が必要です。骨盤底筋をピンポイントで意識するトレーニングを行うことで、膀胱の支えを強化し、安定した排尿リズムを保つことが期待されます。

骨盤底筋を鍛えることで、姿勢も整う

また、骨盤底筋は体幹部とも密接に関わっており、腹筋や背筋と連動することで姿勢を整える効果も得られます。結果的に、骨盤底筋を鍛えることが全身のバランス向上や体幹強化につながり、健康面だけでなく生活の質の向上にも大いに貢献します。

骨盤底筋スクワットで鍛えられる筋肉と得られるメリット

通常のスクワットでは太ももやお尻の筋肉が中心に使われますが、110度スクワットは浅くしゃがむことで、より骨盤底筋に集中して、深層部のインナーマッスルを活性化させる狙いがあります。

骨盤底筋を鍛えることで、メリットのひとつとして膀胱を支える力の向上が挙げられます。そのほかに姿勢の維持や腰痛の予防にも役立ち、全身のバランスを整える助けにもなります。

では、骨盤底筋スクワットで主にどの筋肉がターゲットとなり、サブとしてサポートされるのかを具体的に見ていきましょう。

メインで鍛えられるのは「骨盤底筋群」

骨盤底筋群

上から見た骨盤底筋群。図は女性のだが、男性もほぼ同じ位置・範囲にある

骨盤底筋群は、尿道や膀胱を支える重要な役割を担っています。骨盤底筋が弱まると、ふとした動作や力が入ったときに尿が漏れるなどのトラブルにつながりやすくなります。

骨盤底筋スクワットでは、スクワット時の下半身の動きに加えて、骨盤を引き締める意識をプラスすることで集中的な刺激を加えられます。

具体的には、太ももの角度を調節しつつ、肛門周辺をキュッと締めるように意識すると、骨盤底筋群をしっかりと働かせることができます。初めは感覚をつかみにくいかもしれませんが、少しずつ意識できるようになると、効果を実感できるはずです。

尿失禁や頻尿のトラブルが気になる場合は、日常的にこのスクワットを取り入れてみることをおすすめします。継続することで、骨盤底筋が日常動作でも機能しやすくなり、気になる尿トラブルの改善にも繋がります。

サブで鍛えられる「大臀筋(お尻)」

大臀筋は、お尻のもっとも大きな筋肉であり、スクワットの動作全般で強く使われます。骨盤底筋スクワットでも、下に腰を落とす際に負荷がかかるため、お尻を引き締める効果が期待できます。

大臀筋をしっかりと鍛えることで、ヒップラインの引き締めだけでなく、見た目の姿勢改善にも寄与します。さらに、大臀筋が強化されると骨盤を後方から支える力が増すため、腰回りの安定にも役立ちます。

サブで鍛えられる「内転筋群(内もも)」

スクワットの姿勢を保つためには、足を開いた状態で重心を安定させることが重要です。このとき内ももに力が入ることで、内転筋群がしっかり鍛えられます。

骨盤底筋を意識したスクワットでは、より内側に力を入れる感覚が育ちます。これにより、下半身のバランスやスタビリティが向上し、歩行やスポーツ時の安定感が増すでしょう。

サブで鍛えられる「腹横筋」

腹横筋は、腹部をコルセットのように包み込むインナーマッスルで、腹圧や姿勢の維持に関わります。骨盤底筋スクワットでは、体幹を安定させながら動作を行うために、腹横筋にも自然と力が入る仕組みです。

お腹を凹ませるようなイメージでスクワットすると、さらに腹横筋を意識できます。これを習慣化することで、体幹のサポート力が高まり、長時間のデスクワークや立ち仕事でも疲れにくくなるでしょう。

サブで鍛えられる「多裂筋・脊柱起立筋」

多裂筋

多裂筋や脊柱起立筋は、背骨を支える重要な筋肉群です。スクワット動作中、上半身を前傾させすぎないようにキープすることで、これらの筋肉にも適度な負荷がかかります。

脊柱起立筋

骨盤底筋とともに背骨周辺の深層筋を強化することで、腰への負担が軽減し、姿勢の改善や腰痛予防にもつながります。上下動を行うたびに背筋を伸ばす意識を持つと、より効果的にアプローチできるでしょう。

「寝ながら」の骨盤底筋トレーニングが「締める感覚」をつかみやすい!初心者ほど最適

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