インタビュー
2024年12月16日

「起業は絶対にするな、大企業に行け」。望まぬ状態、どう抜け出す?|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方” (2/3)

只石社長:僕、たくさんの若い子たちの前で話す機会があって、質疑応答で個別にお話しさせてもらったんですけど、世の中の人たちって成功体験を受け止めずに生きている人が多いなと思っています。

キーエンスに行って起業もして、みたいな成功体験があるからこそ、只石さんみたいな強い人になれるじゃないですか、って。

別にキーエンスや起業レベルじゃなくていい。たとえば「最近めっちゃ嬉しかったことはなに? えっ、その内容めっちゃ成功体験じゃん」みたいな(会話をした)。(相手は)「このレベルだとちっちゃくて成功体験じゃないです」とか言うけれど、いやちっちゃくないから! って。本当に自己肯定感が低すぎるように思いますね。

僕は、自己肯定感が低いと“頑張るエネルギー”を放出できないような気がするんですよ。どうせ頑張ったって、どうせ自分なんて、なんて言っている人は、努力なんかできないような気がしてて。

僕の場合、「この努力を重ねてたらいけちゃうんじゃないの」っていう感覚の根底には、今までの努力の結果、こんなにできてきたよねっていう“成功体験のコレクション”があるんですよね。


編集部:
自己肯定感が低めで、学校つまんないなって思っている子どもの親は、どうやって子どもをフォローしたらいいと感じますか?


只石社長:
僕が大事にしていることなのですが、僕、社員と接するとき、その社員本人よりもその子のことを信じて接するようにしています。

たとえば、ちょうど隣にいる広報の吉田は、もともと歯科助手でした。広報の勉強もしたことないし、やったこともない。採用時も労務で入ってきたんですよ。にもかかわらず、僕がX(旧Twitter)で、日本一の広報室を作りたいから広報経験者集まれって投稿したら、社内から声が上がったんです。

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