
「chocoZAPは国益とさえ感じる」。有識者が選ぶ“2024年フィットネストレンド” (2/3)
3.職場ルールの緩和で若手を魅了
ルネサンスが2025年度新卒社員の給与を10%引き上げたり、東急スポーツオアシスが従業員の身だしなみルールを緩和するなど、採用強化に向けた動きも見られました。
越塚氏:フィットネス業界の給与水準は低いうえ、1人に任される業務量が多いので、これでは人が集まりにくいだろうと感じます。当社では、ITを活用するなどして少数精鋭でも生産性高い運営を実現することで給与を高めようと取り組んでいますし、店舗におけるレッスンにもオンラインコンテンツを使い、スタッフはお客さまサポートに徹するなど分業を検討しているところです。
岡部氏:コロナ禍が明け、ティップネスでは新たに「Enjoy!Smile!Happy! Thank you!~快適なウェルネスライフへ~」というコンセプトを掲げ、取り組みを進めていくことを決定しました。
今いる従業員がまずは笑顔で楽しんで仕事ができるように、また多様化する時代に合わせるため、髪色も自由に、またピアスも着用OK(※プールエリアおよびキッズレッスン時は不可)など身だしなみルールを刷新しました。お客さまからは「似合ってるね」「可愛い」など好意的な声を多くいただいており、従業員のモチベーション向上につながっているようです。
岡田氏:大学での教育に15年以上携わっていますが、先ほどお話ししたように成長意欲のある学生の増加を感じていて、在学中からSNSを活用して自分の知名度を高め、卒業後すぐに自らの力で稼げる子もいます。そのような子は向上心、学習意欲が高いので、自分で稼げるけれども、学べて、成長していける環境が整っている企業であれば就職を選ぶ傾向もあります。企業側がそのような環境を用意できるかも、今後は重要になると思います。
4. 大衆化する24時間ジムが急成長
「chocoZAP」が今年1,500店舗を達成し、「ANYTIME FITNESS」も日本国内で1,100店舗以上を展開しています。その他にも多くの24時間ジムが誕生し、ここまで身近に広がったことには驚きます。「FIT-EASY」においては上場も果たしました。
越塚氏:当社も入会者の約半分はフィットネス初心者の方ですが、chocoZAP含む24時間ジムで運動習慣がついて、「もっとトレーニングしたくなったから」というお客さまもいます。
岡田氏:「chocoZAP」も、靴を履いたままでいい、着替えなくていいなど、これまでのトレーニングの制約を排除して、参加へのハードルを大きく下げてくれました。「筋トレはこうあるべき」というイメージをいい意味で崩してくれましたよね。いつでも、どこでもできるものとして筋トレの概念をアップデートしてくれたことは素晴らしいと思います。
鈴木氏:24時間ジムが増えたことで、トレーニングの場所が大きく広がりました。当社に入会する方のほとんどはフィットネス初心者ですが、私たちがサポートできるのは週1〜2回の限られたセッションの間だけですから「もしこの時間帯以外に運動したいと感じたら、近くの○○ジムでマシンを使って、こんなトレーニングを試してみてください」と提案することもあります。