
ヘルス&メンタル
2025年4月30日
言い合えない職場を変えるはずが…「1on1ミーティング」が機能しない理由 (2/2)
1on1導入企業でも生じる”対話の機能不全”、なぜ?
多くの企業では、従業員の離職対策やエンゲージメント強化を目的として、1on1ミーティングなどの対話の枠組みが導入されています。しかし、木暮氏は、そのような枠組みだけでは十分な効果を発揮しないと指摘します。
木暮氏:近年、1on1ミーティングを導入する企業が増えていますが、その枠組みだけを整えても、従業員が本当に心理的な負担を打ち明けられるとは限りません。
「言い合えない」職場環境の本質的な課題が解決されていない場合、1on1は単なる業務報告の場と化し、従業員は表面的な情報しか共有しない可能性があります。
上司が業務に関する質問をするだけで、従業員が自身の抱える不安や不満、言葉にならないモヤモヤした感情を安心して打ち明けられる雰囲気がない場合、対話は機能不全に陥ります。形だけの対話では、従業員の心理的なSOSのサインを見逃してしまう可能性があります。
そして、結果として、「五月病」のような季節性の不調をきっかけに、深刻な状況に陥ってしまうケースも考えられます。
重要なのは、対話の「量」ではなく「質」です。上司と部下の間に信頼関係が構築され、心理的な安全性が確保された環境でなければ、従業員は本音を語ることができません。対話の枠組みを導入するだけでなく、その運用において、従業員が安心して自身の内面を共有できるような 仕組みを構築することが不可欠です。
<Edit:編集部>
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