インタビュー
2018年8月1日

月曜から金曜までフィギュアの練習、日曜だけサッカー。プロフィギュアスケーター無良崇人(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #15 (3/3)

親は子どもよりも先に出ないほうがいい

――フィギュアは選手を目指すとなるとかなりのお金がかかると言われています。

確かに、フィギュアはお父さんお母さんの協力がないと続けられないという面は大きい。金銭面だけでなく、練習はスケートリンクの一般開放時間外にしかできないので早朝や夜遅い時間帯になりますし、そもそもスケートリンク数が少ないので地域によってはかなり遠方になり送り迎えが必要です。財政難や老朽化によるリンクの閉鎖も多く、練習場を転々とする選手もいます。

そういう状況のなかでがんばっているわけですから、お子さんに夢を託している親御さんも多いと思います。でも、客観的に見て、親御さんは子どもよりも先に出ないほうがいいと思っています。「才能あるな」「全日本で上位を狙えるな」と思うような子がいても、親御さんが先陣切って「こうしなさい、ああしなさい」と口を出してしまって、小さいうちはいいんですが、だんだん子ども本人のやる気がそがれ、中学生、高校生になったときに反発が過熱し、結果、やめてしまった子を何人か見ています。

口を出したくなる気持ちもわかるんですが、その影響で頓挫してしまうのはもったいない。親御さんとお子さんはある程度、距離を持っていてあげないとかわいそうだなと思いますね。うまく後ろから支えてあげられるような立場が形が理想的です。

――無良さんは2児のお父さんでもありますね。ご自身のお子さんにはフィギュアを習わせたいですか。

今、上の子が5歳、下の子が今年で3歳になるんですが、習いたければ習ってもいいけれど、他の人に習ってほしい。自分では子どもに教えたくないですね。教えてしまうと父と同じように家でもコーチになりそう。僕はずっと父親でいたい。いつも「よくできたね」と褒めてあげたいです。

――今、お子さんの習い事は?

二人とも英会話を気に入って通ってます。上の子は水泳も。僕は小さいころから水泳があまり好きじゃなくて、それに輪をかけてフィギュアで足に筋肉がついていて重いので、足だけ沈んでしまうんです。泳げなくはないんですけど、長い時間は泳げない。だから泳げるようになってほしいなと思って。

長女はスケートリンクで遊んだりもしています。親父がスケート靴を買ってきて履かせて、最初は抱っこされて滑って、楽しそうにしています。僕もそんな感じだったなと思い出しました。

――今後、習わせたいことはありますか。たとえば、バレエやダンスはフィギュアにもいい影響がありそうです。

僕自身もフィギュアのトレーニングとして中学生になる前くらいから、バレエとジャズダンスを習っていました。体が柔らかいわけではないので、当時は「ちゃんと踊れたらいいな」と思っていました。今はダンスもメジャーな習い事になってきていますし、フィギュアとは関係なく習わせてみたいですね。

後編:成績やメダルよりも「でっかいトリプルアクセルが飛びたい」。プロフィギュアスケーター無良崇人(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #15

<取材・撮影協力>
Cafe&Dining ballo ballo 渋谷店
[住所]東京都渋谷区宇田川町12-18 東急ハンズ渋谷店B1階
[営業時間]11:45~24:00
[電話番号]03-3464-0086
[公式サイト]http://www.sld-inc.com/balloballo.html

[プロフィール]
無良崇人(むら・たかひと)
1991年生まれ。千葉県出身。2007年全日本ジュニア選手権優勝。2008年、2012年、2015年、2016年、2017年と全日本選手権に出場しそれぞれ3位に輝く。2012年、21歳のときにGPシリーズフランス杯で初優勝を果たす。2014年四大陸選手権で優勝。同年、洋菓子のヒロタが新たに設立したフィギュアスケートクラブ「HIROTA」所属に。2018年3月現役引退を発表し、プロフィギュアスケーターに転向した。

<Text:安楽由紀子/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:小島マサヒロ>

1 2 3