インタビュー
2019年9月2日

うまくプレーができない……。そう悩んだときに父親がかけた言葉が分岐点になった。サッカー石川直宏(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #24 (2/3)

小さな成功の積み重ね、今も残るその記憶

――今、親の立場になって思い返すと、お父さんの言葉にまた違う重みを感じるのでは?

親としてどういうふうに子どもと接するかと考えると、やっぱり両親がどういうふうに接してくれたかが手本になっていることが多い。僕の両親が僕のしたいことについてとやかく言わなかったように、2人の娘にも言わないようにしています。伝えているのは「自分のやりたいことをやりなさい、やるなら責任もってやりきりなさい」ということだけですね。まだ長女は7歳、次女は5歳なので、習い事でうまくいかないと泣くし「練習したくない」と言うこともあります。注意するとしたら、「ありがとう」「いただきます」などの感謝の気持ちや挨拶など基本的なことだけ。当たり前のことを当たり前にできるように育ってほしい。

――お子さんは何を習っていますか。

ピアノです。ピアニストになりたいと言っています。妻が小さいころから音楽を続けているので、その影響だと思います。他には水泳、体操、英語。サッカーのことならいろいろ伝えられるので、サッカーをやってみればいいのにと思いますが、僕が現役の時はけがが多く、近くで痛がっている姿を見ていたので、「サッカーはけがするから嫌だ」と言っています。

サッカーでもピアノでも、今までできなかったことができるようになるという小さな成功の積み重ねで楽しくなっていく感覚は同じ。僕もいくらリフティングを練習しても7回しかできずに泣いたことも覚えているし、「10回できるようになった」と母に報告したのも覚えています。10回できるようになったとき、自分がうれしいというのもあるんですが、両親が喜んでいる姿が印象に残っているので、娘たちにも同じように映っているのかなと思います。

――今思えば「習っておけばよかった」と思うこと、これから習いたいことはありますか。

語学。頭で考えるよりも感覚で表現することを子どものころに体験できたので、継続して自分のものにできていればよかったなと思います。これから習いたいことはいろいろありますが、ピアノを娘たちと一緒に弾けたらいいですね。たまに教えてもらって弾くんですが全然うまくいかなくて。娘に厳しく教えられています(笑)。

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