ライフスタイル
2017年10月31日

走った後はお風呂で癒し!札幌の温泉施設『蔵ノ湯』と周辺ランニングコース

 走った後はさっとシャワーも良いですが、お風呂にゆっくり入るのもオススメ。温浴には血行促進など、疲労回復効果も期待できます。しかしいくら温泉に入れても、荷物を背負ったまま走るのは嫌だという方が多いかもしれません。そういう方は、荷物を置いたまま走れる温泉施設を探してみてください。ランナーブームに伴い、各地にはランナーサポート施設としての要素を持つ温泉施設や銭湯が増えています。

 北海道札幌市にある『蔵ノ湯』もそうした温泉施設の1つ。さらにすぐ近くには、ランナー御用達のランニングコースである豊平川があります。さっそく、施設環境についてコースの様子と一緒にご紹介しましょう。

走った後まで楽しめる充実の設備

 温泉施設には、通常のランニングステーションと違った設備がたくさんあります。私はよく温泉まで走って行くことがありますが、そのメリットは“走り終えた後の過ごし方”にあると言っても過言ではありません。その点を踏まえつつ、主な設備等について見ておきましょう。

<走りに出かけるまで>

 入口を入るとコイン式のシューズロッカーがあります。100円玉を持っていなくても両替可能。使用した100円玉は返却式です。私は走り終わった後に同じシューズのままでいるのが嫌いなので、サンダルを持参しました。まずはランニングシューズを入れておき、走りに出かける際にサンダルと入れ替え。そうすればシューズロッカーの鍵も持って走る必要がありません。後ほど触れる更衣ロッカーの鍵は受付で渡すこととなるので、“手ぶら”で走りに出かけられるわけです。

 広い受付は、当然ながらランナー以外のお客さんと共同。こちらの温泉ではシャンプー等が常設されていないので、持参もしくは受付で購入します。

 ちなみにこちらの利用料は、税込で大人440円(子ども140円、幼児70円)。これからご紹介する通り館内はお風呂を含めとても充実しているのですが、いわゆる一般的な銭湯と同料金です。ランナーサポート施設として見ても、かなりリーズナブルと言えるでしょう。お近くの方なら、回数券 (11枚綴り:4,400円)の購入もオススメです。

 広々した館内には、男女それぞれ脱衣所に更衣ロッカーが用意されています。これまで温泉施設や銭湯を利用した経験のある方なら、イメージしやすいでしょう。いわゆるランナーサポート施設と比べても、かなりスペースにゆとりがあるのではないでしょうか。

 こちらで荷物を預け、着替えを終えたら、ロッカーキーを受付に渡します。なお、こちらのロッカーも100円の返却式です。また、ランニングから戻った際には自身のロッカーナンバーを伝えて鍵を受け取るため、必ず覚えておいてください。私は念のため、スマートフォンのメモアプリに番号を記録しておきました。

<走り終えてからの過ごし方>

 ランニングを終えたら、温かいお風呂で身体を癒やしましょう。『蔵ノ湯』は天然温泉となっていて、ジャグジーや露天風呂、そしてサウナなども設けられています。

 実際に利用してみましたが、個人的にオススメなのは露天風呂に併設した『温泉洞窟風呂』。周囲を岩で囲われていて、静かにゆっくりと過ごせます。

 仲間と一緒に走った際には、トレーニングの振り返りなど会話を楽しむのも良いでしょう。ただし周囲にはランナー以外のお客さんも大勢いますので、声のボリュームは控えめにしてください。

 お風呂の入口付近には、テレビのあるラウンジスペースが設けられています。新聞や雑誌を読むなど、皆さん思い思いに過ごされていました。お風呂で火照った身体をクールダウンするのはもちろん、仲間との待ち合わせに使用するのも良さそうです。

 さらに施設内には、飲食コーナーも。トレーニング後の補給や打ち上げなど、さまざまな用途に利用できそうです。家族連れで訪れ、走り終えるタイミングから合流して食事を楽しむオススメです。

 ちなみに飲食コーナーには、テーブル席と座敷が両方あります。疲れた後なら、座敷で足を伸ばしたくなるかもしれません。半個室のようなスペースもあるので、団体利用にも良いでしょう。

 走った後は温泉に入り、休憩から食事まで楽しめる。これなら、日々のトレーニングがさらに楽しくなるのではないでしょうか。これこそ、温泉施設をランナーが利用する醍醐味と言えそうです。

 とはいえ、いくら設備が充実していても、近くに走りやすいコースがなければ魅力は半減してしまいます。最後に『蔵ノ湯』を拠点としたランニングにオススメの、豊川温泉コースを少しご覧ください。

折り返しポイントで距離は自由自在!清々しい豊平川ランニングコース

 札幌市内を流れ、北上すると石狩川へと続く豊平川。地元ランナーが多く利用するほか、散歩など地域住民から愛されるスポットです。

 広い河川の両脇には緑溢れる土手。周囲に高い建物が少なく、頭上は空が開けています。ついどこまでも足を伸ばしたくなるほど、とても清々しい気分で走れることでしょう。

 川沿いに整備されたコースがあり、ランナーやサイクリストが多く訪れます。長い平坦な道は走りやすく、もちろん信号はありません。また、脇にある原っぱはストレッチなどするのに良さそうです。

 また河川敷コースという特徴から、“どこで折り返すか”によって走る距離を自由に調整できます。10km、20kmといったロングコースも設定できるため、トレーニングのバリエーションも増えそうです。行った道を戻るだけでなく、橋を渡って川の反対側を走ってみれば、また違った景色が見られて楽しいのではないでしょうか。

 歩行者と自転車は、それぞれ逆向き走行。ランナーは右側通行を心がけましょう。ランナー専用の場所ではありませんから、やはり周囲への配慮が欠かせません。私が訪れた日は平日・日中ということもあり、あまり人の姿は見られませんでした。しかし早朝や夜間、休日などは人が増えますので、お互い譲り合って走りましょう。

 蔵ノ湯はJR「苗穂」駅から徒歩約2分。札幌駅や札幌空港へのアクセスも至便なため、出張・旅行時のランニングにも最適です。札幌市内および近隣ではマラソン大会も多く開催されていますので、そうした際に利用するのも良いでしょう。走った後に癒やしの温泉、ぜひ体験してみてください。

[施設情報]
苗穂駅前温泉『蔵ノ湯』
・住所 札幌市中央区北2条東13丁目
・最寄り駅 JR「苗穂」駅より徒歩約2分
・TEL 011-200-3800
・開館時間 10:00〜24:00(23:30受付終了)
・公式サイト http://kuranoyu.com/html/

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】http://www.run-writer.com

<Text&Photo:三河賢文>