インタビュー
フィットネス
2024年1月30日

『もう走れない』と思ったとき、どうする?プロランナー・松村幸栄選手から学ぶマラソンHOW TO (2/4)

──そういった食生活は、レースのどれくらい前ぐらいから意識されていますか。

「とくに意識するのはレースの1週間前ですね。体重を増やさないように、余分な負担を掛けないように。でも年間を通して、体重が増えないよう毎日の食事には気をつけています」(松村選手)

──ちなみに前回のレース前日は、どのような食事をとられていましたか。

「エネルギーになるように炭水化物をやや多めに取るようにして、生野菜や生ものは摂らないようにしていました」(松村選手)

──では、レースが終わった後は、どんな食生活を送ることが多いですか?

「マラソンレース後は内臓に負担がかかっているので、冷たいものと脂っこいものはとらないようにしています」(松村選手)

──脂っこいものと聞くと、お肉のアブラや揚げ物をイメージしがちですが、魚のアブラも意識しているのですね。

「人によるとは思いますが、私の場合はそうですね。前は朝練後の朝食でサバを食べていたのですが、仕事に出勤したとき消化不良を起こしてしまって。もちろん魚のせいだけじゃなくて、練習の疲労で内臓が疲れているタイミングだったというのもありますが、そういう経験をしてしまったので、私自身は控えるようにしています」(松村選手)

──補食、ドリンクで好んでとり入れているものはありますか?

「『MAURTEN(モルテン)※』を取り入れています。レースによってはスペシャルドリンクを置けなくて、自分が飲みたいドリンクを置けない場合もあるので、MAURTENをレースの前日からスタート前にかけて積極的に飲んでいます。エネルギー補給になるので」(松村選手)

※MAURTEN(モルテン):スポーツ栄養分野で注目を集めるスウェーデン生まれのブランド。その革新的なドリンクやジェルは、エリウド・キプチョゲ選手をはじめマラソン界のトップアスリートたちに愛用されている。

──年間を通して体重管理には気をつけていると伺いましたが、少し太ってきたなと感じたとき、どのような調整を行っていますか?

「体重計とか数字を見るとものすごく気にしちゃうので、私のチェック方法は『お尻をつまむ』にしています。お尻をつまんでプヨプヨしてたなと思ったら、ご飯の量を少しだけ減らします。炭水化物は大事なので抜いたりはしません。あとは糖分の入っている飲み物は極力とらないようにし、水分量も極端に減らさないよう気をつけつつ調整します」(松村選手)

──逆に、体重が落ちすぎ、痩せすぎたことはありますか?

「痩せすぎちゃったこともあるようです。以前、SNSに走っている写真を載せたとき、長く応援してくれてる人たちから『ちょっとカリカリじゃない?』という声をいただいたり。あとは通っている治療院の先生とかに、『マラソン前に落としすぎだからもう少し食べたほうがいい』って言われたら、炭水化物を少し増やします。自分自身はいい感じで締まってきたなと思ったんですけれど、やり過ぎたときは周りがストップをかけてくれました」(松村選手)

──いまいち食欲がないとき、おすすめの食べ物は?

「私の場合、お茶漬けです。内臓が疲れたときは豚汁を作ります。野菜もしっかりとれるじゃないですか。生野菜は食べるのがしんどかったり、お腹を冷やしちゃうときもあるので、豚汁の中に具をたくさん入れて食べるようにしています」(松村選手)

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