AKB48佐藤朱「テニスのない生活は想像できない」(後編)│新連載「アイドルと、スポーツと、青春と。#1」 (2/3)
——両立しながらこの成績は十分すごいと思います。
でも、インターハイに行けませんでしたから。そのひとつの壁が大きいんですよね。勝つか負けるかギリギリのところで、どれだけ練習に命を賭けてきたかっていう意気込みの違いが出るんです、きっと。
——なるほど。
「口の中で血の味がするくらいじゃないと、練習した気にならない」って伊達公子さんが言っているのを聞いたことがあるんですけど、すごいわかるんです。私も立てなくなるくらいにならないと練習した気にならなくて。でも、高3のときはそこまで自分を追い込むことができてなかったから。
AKB48で活きるテニスの経験
——テニスに打ち込んだ経験が、AKB48の活動に活かされている部分もあると思うのですが、いかがですか?
さっきの練習の話と同じで、なんでも最後まで全力でやらないとやった気にならないんです。どこかで少しでも手を抜いてしまうと、「あ、今日の公演はダメだ、練習はダメだ」って思っちゃって。やりきった公演の後は家に帰る余力もないんですよ。もう劇場でそのまま寝たい、みたいな(笑)。
——劇場公演が1日に2回、3回とある場合もありますよね。少しはペース配分を考えないとつらそうです。
ほんとはつらいんです(笑)。でも、全力でやらないと自分が納得できなくて。それに、やりきった分だけファンが応えてくれるのも全力で取り組める理由になっています。「そういうところを見て応援しようと思った」って言ってもらえることもあるので、この姿勢は続けていきたいですね。
——テニスもAKBも全力なんですね。
でも、AKBの活動をしていると、テニスとは違うなって思うこともありますよ。
——どんなところでそう感じるのでしょうか?
AKBは正解がないというか、自分で考えることがすごく多いですね。テニスのときはコーチに教わったことをがんばっていれば、それがそのまま実力として反映されていたんです。でも、AKBでは教わったことをその通りにやってるだけじゃうまくいかないことも多くて。それが難しさでもあり、楽しさでもあり。自分でいろいろ考えながらチャレンジしていきたいと思っています。