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AKB48佐藤朱「テニスのない生活は想像できない」(後編)│新連載「アイドルと、スポーツと、青春と。#1」

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 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載。

 第1回はAKB48チーム8の宮城県代表、佐藤朱さん。前編では、高校2年生時に硬式テニスのシングルスでインターハイ(全国高等学校総合体育大会)に出場した経験を持つ彼女に、始めたきっかけや競技生活で印象に残っている場面について聞きました。

 後編では、好成績を修めた直後にAKB48のオーディションを受けた理由や、今後の展望を語ってもらいました。

口の中で血の味がしないと、練習した気にならない

——佐藤さんが所属するAKB48チーム8のオーディションは2014年1月から行われていました。なぜこの時期にオーディションを受けようと思ったのですか?

当時、私は高校2年生で、インターハイに出場した直後だったんですけど、AKB48の楽曲に支えられていたんです。テンションを上げるときにも聴いていたし、疲れたときの癒しもAKBでした。そんなときにオーディションの話を耳にして、受けてみようと。今度は自分が誰かを支えられる存在になりたいなって思ったんです。でも、もし普通のオーディションだったら受けなかったですね。地元開催だったのと、受かったら宮城県代表として活動するというチーム8のコンセプトに興味がそそられました。

——オーディションでもテニスのことはアピールしたんですか?

ラケットを持って行って、テニスキャラを全面に押し出しました(笑)。

——テニスで好成績を残した直後ということで周りから反対されなかったのでしょうか?

受かった直後は、両親からも「やめたほうがいいんじゃない?」て心配されました。テニスがどうこうっていうよりも、芸能界って普通に生活していたら未知の世界じゃないですか。だから不安だったのかなって思います。でも、オーディションに受かったのに辞退したら「やっておけばよかった」って後になって後悔しそうだなって思ったんです。それはイヤだったし、自分の代わりに入った人が楽しそうに活動してるのを見たらすごく悔しいだろうなって思って。

——そういえば、AKB48の先輩である島田晴香さんが、テレビ番組「ネ申テレビ」(ファミリー劇場)でテニスを活かした企画に挑戦していたこともありましたね。

あの番組は私も見ていました。そういうこともあって、自分の能力を活かす機会があるんじゃないかって思ったんです。

——テニスの大会のためにAKB48のイベントを欠席したこともありましたよね。そうしたなかで練習時間を確保するのはなかなか難しかったのではないでしょうか?

そうですね。土日にAKBの活動が入るので、必然的に練習量は減ってしまいました。それでも週に4回は練習をしていたんですけど……。全然ダメでしたね。

▲中学時代、地元テレビの取材を前にプレイする姿

——アイドルの活動をしながらその練習量はハードだと思いますが……。

でも、それじゃぜんぜん足りなかったです。やっぱり1年間でほかの子たちは自分よりも多くの練習を積んでうまくなっているので。高2でインターハイに行けなかった選手たちの意気込みにはぜんぜんかなわないんですよ。

——高3のときの大会成績はどうだったんですか?

宮城県でシングルスはベスト8、ダブルスはベスト4。どちらも、あとひとつ勝てばインターハイに出られるってところだったんですけどね。

——両立しながらこの成績は十分すごいと思います。

でも、インターハイに行けませんでしたから。そのひとつの壁が大きいんですよね。勝つか負けるかギリギリのところで、どれだけ練習に命を賭けてきたかっていう意気込みの違いが出るんです、きっと。

——なるほど。

「口の中で血の味がするくらいじゃないと、練習した気にならない」って伊達公子さんが言っているのを聞いたことがあるんですけど、すごいわかるんです。私も立てなくなるくらいにならないと練習した気にならなくて。でも、高3のときはそこまで自分を追い込むことができてなかったから。

AKB48で活きるテニスの経験

——テニスに打ち込んだ経験が、AKB48の活動に活かされている部分もあると思うのですが、いかがですか?

さっきの練習の話と同じで、なんでも最後まで全力でやらないとやった気にならないんです。どこかで少しでも手を抜いてしまうと、「あ、今日の公演はダメだ、練習はダメだ」って思っちゃって。やりきった公演の後は家に帰る余力もないんですよ。もう劇場でそのまま寝たい、みたいな(笑)。

——劇場公演が1日に2回、3回とある場合もありますよね。少しはペース配分を考えないとつらそうです。

ほんとはつらいんです(笑)。でも、全力でやらないと自分が納得できなくて。それに、やりきった分だけファンが応えてくれるのも全力で取り組める理由になっています。「そういうところを見て応援しようと思った」って言ってもらえることもあるので、この姿勢は続けていきたいですね。

——テニスもAKBも全力なんですね。

でも、AKBの活動をしていると、テニスとは違うなって思うこともありますよ。

——どんなところでそう感じるのでしょうか?

AKBは正解がないというか、自分で考えることがすごく多いですね。テニスのときはコーチに教わったことをがんばっていれば、それがそのまま実力として反映されていたんです。でも、AKBでは教わったことをその通りにやってるだけじゃうまくいかないことも多くて。それが難しさでもあり、楽しさでもあり。自分でいろいろ考えながらチャレンジしていきたいと思っています。

テニスを通して世界が広がっている

——現在はテニス関連のイベントにも出演されるなど、競技の魅力を伝える仕事もされていますよね。

『スマッシュ!』という雑誌で連載をやらせていただいたり、親子テニス教室に出させていただいたり。あとは国際大会のエキシビジョンマッチに出させていただくこともありますね。ありがたいことに、お仕事を通していろんな方と知り合いになることも多くて。最近も女子プロの穂積絵莉さん、加藤未唯さんと仲良くさせていただいています。

——ほかにやってみたい仕事はありますか?

世界大会のリポーターはぜひやってみたいですね。あとは、テレビ番組でテニスの企画があるときに、アイドル界の代表として出てみたいっていう夢もあります。光栄にも、私がテニスをしている姿を見て「自分もやってみたい」と思ってくださる方もいるので、テニス関連の活動は積極的にやっていきたいですね。

——そのためには練習がかかせませんね。

そうですね。今でも週に2回は元プロの加藤季温さんのもとで練習するようにして、なんとか実力を落とさないように気をつけています。ジュニアの子に混ざってやってるんですけど、みんな熱意がすごいので自分もやる気になれていいんですよ。

——最後に、テニス未経験の人がテニスを楽しむコツを教えてください。

最近は錦織圭さんをはじめ、世界レベルで活躍している日本人選手も多いので、プロの試合を観るだけでも楽しいと思いますよ。トップ選手のサーブは時速200km以上出るのでとても迫力ありますから。

——他の球技だとなかなか見ない数字ですよね。野球でも150kmで早いって言われますし。

あとは、やっぱりレッスンやイベントに参加して実際にプレイしてみてほしいです。ラケットでボールを打って、ポイントが決まると爽快ですから。それにテニスは高齢になっても続けやすいスポーツなので、まだやったことがない方はもちろんですが、学生時代にやっていたけれど今はやめてしまったという方にもあらためてオススメしたいです。

——ご自身もずっと続けていきたいと思いますか?

はい。正直、テニスがない生活が想像できないですね。きっと、すごい変な感じになると思います。たとえば、コンサートのリハーサルでテニスの練習ができないときなんかは「ああ、テニスしたい…」って思うんですよ、禁断症状みたいに(笑)。テニスを通じて自分の世界が広がっているので、一生やめられないと思います。

[プロフィール]
佐藤朱(さとう・あかり)/AKB48チーム8
1996年11月9日生まれ、宮城県出身。2014年にAKB48へ加入。硬式テニスでインターハイ出場や、仙台国際ハーフマラソン大会を1時間55分40秒で完走するなど、スポーツが得意。その特技を活かして、テニスのクリニックや雑誌の連載など、多岐にわたる活躍を見せている
【公式サイト】http://toyota-team8.jp/

《出演情報》
・2017年5月20日(土)
〈TOYOTA presents AKB48チーム8 全国ツアー 〜47の素敵な街へ〜〉宮城県公演 仙台サンプラザホール
・毎月12日発売
テニス専門誌『スマッシュ』にて連載「中・高校生応援企画『頑張れ!部活テニス!』」

<Text:森祐介/Photo:今井裕治>

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