インタビュー
2017年11月27日

全人類に跳ばせたい。“縄跳び愛”がハンパない男の未知なる野望(後編) (3/3)

 そうですね、ビジョン、というか、なわとビジョン(笑)。競技的な面で言うと、やっぱり、ギネス世界記録への挑戦です。ひと味違った記録への挑戦ももちろんですが、宙返り系のワザにも挑戦する予定です。

 指導や普及面では、いろんなスポーツを子どもたちが体験できる場を増やしていきたいですね。私自身、一生をかけられるスポーツと出逢えたのも大学でいろんなスポーツを体験できたからですし。

 それからいろいろなスポーツの若手指導者を集めて交流合宿を開催してみたいです。違う種目同士でお互いに学び合えることはたくさんありますからね。子どもたちもいろんな運動やスポーツをやってみるうちに「この種目は苦手だけど、こっちならいけるかもしれない」っていう、そういうのがでてくるかもしれない。1本の縄跳びは苦手な人でも、ダブルダッチだったらできるという人もいます。

 あとは縄跳びで世界中に友だちをつくる、ですね。縄跳びのおかげで海外に行く機会が増え、文化の違いを肌で感じることができました。日本だと当たり前だと思ってたことが逆に失礼なことになる場合もありますよね。でも、縄跳びを跳ぶ楽しさは一緒なんですよ。

 だから、縄跳びを通じて友だちになって「君のとこの文化はこうか、そうか」って、知り合いになって友だちになってそれが広がっていったらいいなって。なので、全人類に縄跳びを跳ばせたいです(笑)。

 インターネットが海底ケーブルで世界中とつながっているように、縄跳びのロープで、人と人の思いをつなげていけたら、と願っています。

--最後に、SADAさんにとって縄跳びとは?

 縄跳びのおかげでいろいろな人に出逢えたり、貴重な体験をさせてもらえました。自分の限界や固定概念を取りはらってくれて、自分を限りなく成長させてくれる最強の師匠であり、コンサルタントであり、パートナーです!

※鈴木勝己…昭和42(1967)年に日本人として初めて縄跳び世界記録に挑戦した日本縄跳び界の第一人者。
※生山ヒジキ…2015年にギネス世界記録6冠を達成。
※三村大輔…全日本選手権個人総合5連覇。2013年にギネス記録4冠を達成。
※森口明利…前人未到の7重跳び1回のギネス世界記録を持つ縄跳びパフォーマー。
※鈴木めぐみ…30秒スピード(両足跳び)のギネス世界記録を持つ世界最速縄跳び少女。

[プロフィール]
SADA(さだ)
2000年に順天堂大学を卒業後、バンダイの『Jロープ』デモンストレーターとして縄跳び普及活動を開始。2001年には、日本初のフリースタイル縄跳びプロフェッショナルチーム『NAWA-NAWA』を結成。2002~2009年は『好縄』『縄★レンジャー』のリーダーとして活躍。2003年に国際連盟の日本支部『日本ロープスキッピング連盟』を仲間と共に設立し、
『全日本ロープスキッピング選手権大会』『DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD』などの縄跳びイベントを運営。現在は体育・スポーツ指導者や芸能人等への指導・振付を中心にフリーで活動中。2004年に世界大会(個人フリースタイル部門)でアジア人初の銅メダルを獲得。ギネス世界記録にも挑戦し、現在3つの記録を保持している。
【縄跳道場】http://www.nawatobi-dojo.net/top.html

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:森カズシゲ>

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