[ARCHIVES 2018]NGT48西村菜那子&“山の神”神野大地スペシャル対談(後編) (2/3)
西村:東海大学の両角速監督も「こんな選手は今まで見たことない」って言ってたくらいですもんね。実は家族間でも東海大学がそろそろ強くなるだろうって話してたところなんです。両角監督は、佐久長聖高校を強豪校にして、東海大学に来た偉大な方だから。
神野:東海大学は2年生の代に優秀な選手が集まっているんですけど、このタイミングで優勝できたのがすごく意味があるなと思います。例えば明治大学は、僕のひとつ上の代に良い選手が集まっていたんですけれど、そのときに勝ち切れなかった。それが尾を引いて今は伸び悩んでいると思うんです。だから、東海大学はもっと活躍していく可能性があると思います。
西村:では、全日本駅伝を制した神奈川大学のエース・山藤篤司選手についてはどう見ていますか? 2015年当時、高校生として全国都道府県対抗駅伝の愛知県代表に出場して失格になってしまいましたよね。そんな山藤選手が活躍して全日本大学駅伝を優勝できたのは大きいなと思うんですけれど。
神野:僕はそのとき愛知県代表のアンカーで走る予定だったんですけど、その全国都道府県対抗で、山藤は脱水症状と低体温症で意識を失いかけていてタスキを投げちゃったんです。
西村:神野さんが「山の神」と呼ばれるようになってすぐの頃ですよね。
神野:あの箱根駅伝の2週間後くらいでした。そのときに山藤はすごく落ち込んでいたから心配していたんですけど、大学に入ってからすぐに結果を出しているのがすごい。やっぱり苦難を乗り越えたランナーって強くなるんですよ。あのときの悔しさや苦しみを乗り越えたからこそ、今があるのかなと思います。それに神奈川大学はチーム愛があっていいですよね。
西村:それ、めちゃくちゃわかります! 全日本駅伝を優勝したときのインタビューもすごく良かったですよね。チームカラーが出ている感じがしました。
神野:インタビューもそうですし、ゴールした瞬間の雰囲気もチームによって全然違うんですよ。うちはゴールしたら監督と一緒に「うおー!」って喜ぶ。監督を優勝させたい、胴上げしたいという気持ちがゴールした瞬間に溢れ出るんです。
西村:それで言うと、神奈川大学はおだやかな雰囲気が伝わってきました。
——では、出雲と全日本での青山学院大学の敗因についてはどう考えていますか?
神野:勝てる戦力はあったはず。実はチームとしての実力は3冠を達成したときとそんなに変わらないんですよ。ただ、ひとつ違うのが流れを変えられるエースランナーがいないこと。強いて言えば、田村和希選手がそうかなと思うんですが、出雲も全日本も彼の良いところを出す前にレースが決まってしまったので。おそらく一区をつないで、二区の田村選手で独走、そこから先頭をキープして最後までタスキをつなぐのが優勝への流れだったと思うんです。でも、両大会ともに一区で遅れをとってしまったことで歯車が狂ってしまったのかなって。