野球とソフトボールの違い│グローブやバッド、ボール、塁間、ルール…どう違う? (3/3)
用具の違い
ボールの大きさ
野球(硬式球)が周囲22.9〜23.5cm、重さ141.7〜148.8gであるのに対し、ソフトボール(3号球)は、30.48cm、重さ190〜195gと、大きさ・重さともに野球を上回ります。
実際に手に持ってみると、ソフトボールの方が多少投げにくさを感じるでしょう。
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バットの大きさ
バットは明確な太さ・長さは決められていません。ただし、野球の方が太めです。
素材も異なり、野球なら高校野球では金属、大学やプロ野球では木製のバットを使います。
対してソフトボールは、カーボン製のバットを使うことが多いでしょう。
ルールの違い
ピッチャーのフォーム
野球とソフトボールの分かりやすい大きな違いが、ピッチャーの投球フォームです。野球の場合は上手や横手などさまざまなフォームで投げますが、ソフトボールは下手投げが義務付けられています。
ソフトボールはルールも厳しく、投げるときに肘と手首が体の側を通過しなければなりません。体から離れて投げると、不正投球になってしまうこともあるのです。
さらに腕回転は1回まで、半径2.44m内のピッチャーズサークル内での投球など、さまざまな制限が定められています。
イニング数
野球は基本的に9回までプレーしますが、ソフトボールは7回まで。
さらに野球は9回で決着がつかなければ「延長戦」を行うのに対し、ソフトボールでは8回からノーアウトランナー2塁で行う「タイブレーク制度」を導入しています。
交代ルール
野球は1度交代されてベンチに退くと、その試合に再び出場することはできません。一方でソフトボールは、1度退いた後も再び同じ打順に復帰できる「リエントリー制度」が導入されています。そのため、ソフトボールでは試合序盤に代打や代走を起用することも珍しくないのです。
なお、プロ野球のパリーグではDH制(指名打者制度)と言い、打撃専門の選手を登録することができます。しかしソフトボールでは、DP(打撃専門)とFP(守備専門)の選手登録が可能です。
DP制度を使用すると10人が出場可能となり、打撃はDPの選手、守備はFPの選手が対応します。
走塁ルール
プロ野球の試合では、よくランナーがリードを取っているシーンを目にするでしょう。これをピッチャーが牽制し、警戒する場面も多々あります。
しかしソフトボールは、ピッチャーの手からボールが離れるまで塁から離れることを禁止。基本的にリードは認められていません。
似たようなスポーツに見えても、実は違いの多い2つのスポーツ。野球は球の速さやダイナミックさ、ソフトボールは瞬時の判断力やスピード感が求められ、戦術もそれぞれ異なります。
ご自身でプレーする際はもちろん、試合観戦の際にも、それぞれの違いを頭に入れておくと新たな観点で楽しめます。
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<Text:古山貴大>