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2018年12月20日

スキー場での迷子や遭難を防止。北海道ニセコで導入された最新の位置情報サービスとは (3/3)

危険なエリアには「ジオフェンス」が有効

 正確な位置情報が把握できるTREK TRACKには「Geofence Maker」も用意されています。これは任意の範囲に仮想のフェンスを設定し、その場所に出入りする人のデータを収集する機能。例えばニセコでは、整備されていない雪山を滑る“バックカントリー”も人気です。

 そこで、特に危険なエリアにGeofenceを設定します。立ち入った人があればリアルタイムで管理者に通知が届くため、安全管理の側面で非常に有効とのことです。やはりバックカントリーの利用者が多いキロロリゾートでは、「キロロマウンテンクラブ」にて一般のスキーヤー・スノーボーダーを対象にTREK TRACKを貸し出しています。

▲GeofenceMakerの利用イメージ。PCを使って簡単に範囲を指定できるとのこと

 携帯電話の電波に依存せず、高精度な位置情報がリアルタイムでWebから確認できる――。ニセコリゾートで始まった先進的な取り組みは、今後、国内のゲレンデにもサービスが拡大する可能性を感じさせるものでした。

 子どもに自由に滑らせて、自身は麓のロッジで帰りを待つ母親には、大きな安心感を。また一緒に滑りに来たものの、山の上ではつい別行動になりがちな友人との間には、目に見えない連帯感を与えます。

 夏の登山客を対象にしたサービスにも、すでに数年前から取り組んでいるTREK TRACK。毎年、発生してしまう山の事故を未然に防ぎ、山を安心して楽しめる環境づくりへの挑戦が続いています。

<Text & Photo:近藤謙太郎>

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