いだてん新キャストに寺島しのぶ、菅原小春、黒島結菜ら。大正編は女子スポーツ普及や関東大震災を描く (3/3)
大正編で描かれる関東大震災
――大正編では、関東大震災も描かれる。どんな気持ちで撮影に臨んでいるか。
中村勘九郎:昨日、関東大震災の頃の資料などを読ませていただきました。四三としては、走るしかないわけです。(3.11の東日本大震災のときなど)芝居をやっていて良いのかなと思うときがあった。でもボクたちには、芝居をするしかなかった。四三も、がむしゃらに走っていきます。
寺島しのぶ:トクヨさんとしては、東京で大震災があった、だからオリンピックなんてやっている場合じゃないよ、復興のためにやれることがあるでしょう、という人たちと対立していくシーンがある。本日、そこを撮影します。個人としては、3.11のときも舞台をやっていた。娯楽なので良いのかしら、と戸惑うこともありましたが、やり続けた結果、観られて良かったという声も聞けました。それが今の自分につながっています。
▲今回の発表会は、関東大震災直後を再現したセットの中で行われました
黒島結菜:私も、金栗先生のもとでひたすら走ることかな、と思います。震災の中、大運動会が開かれます。生徒でリレーをする場面があり、バトンをつないでいくわけですが、震災で復興のバトンを渡していくということも暗示していて。
菅原小春:身体ひとつで立ち向かう人見絹枝さんの姿が描かれます。私も、全力でぶつかっていきたいと思っています。
柄本佑:ネタバレの要素もあり、はっきりとは言えないのですが、昨日震災の資料などを拝見して、説明も受けて、痛々しさを感じました。歌舞伎座だけが残り、周囲に何もなくなった写真などを見て、過去にこういうことがあったのかと衝撃を受けた。当時の人たちも、弱音は吐きます。弱音は吐くけれど、その状況の中で生きていかなくてはいけない。じゃあ、どうやって生きていくんだといったときに、ある種の力強さみたいなものが芽生えるんですね。そういった、当時の人々のたくましさを演じられたらと思います。
▲女性のキャストが増え、ドラマの雰囲気もガラリと変わりそうな予感です
<Text & Photo:近藤謙太郎>