インタビュー
2017年7月12日

神宿・羽島めい「サッカーをしていた頃はいちばん楽しかった時間のひとつ」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#2 (1/2)

 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と」。

 第2回に登場するのは、原宿発の5人組アイドルユニット「神宿」の羽島めいさん。2014年の結成以来、着々とファンの数を増やし、今年の春には初の全国ツアーも開催しています。

 そんな羽島さんは、実は小学校2年生で男子に混ざってサッカーを始め、その後は女子サッカーチームも掛け持ちして6年生のときにキャプテンとして女子の全国大会でベスト16に進出した実力者。

 前編では、競技を始めたきっかけや、男子に混ざってサッカーをやる難しさについて、また小学6年生で全国大会に出場したときの思い出を語ってもらいました。

男子とのぶつかり合いにも負けなかった

——どんなきっかけでサッカーを始めたんですか?

ある日の朝、ランドセルを背負って学校に行く途中に、隣のクラスの女の子から手紙をもらったんですよ。「もし興味があるなら、私と一緒にサッカーをやらない?」って。その子もサッカー未経験者だったんですけど、2人で小学校のサッカークラブに見学へ行ったらすごくおもしろくて、そこからドハマリしたんです。

——もともとサッカーは好きだったんですか?

いえ、まったく知らないし、男の子のスポーツだと思ってたから「女の子でもできるの?」って感じで。でも、お母さんは私に習いごとをさせたがってたので、ちょうどよかったみたいです。幼稚園児のときにお姉ちゃん(※姉は神宿メンバーの羽島みき)と一緒にクラシックバレエを始めたんですけど、私はすぐにやめちゃったから。お姉ちゃんはずっと続けてたんですけど。

——どうしてやめてしまったんですか?

バレエをやると、眠くなって、すぐに寝ちゃうんですよ。クラシック音楽ってゆったりしてるじゃないですか。スタジオでバーを持ってまま、立って寝たこともありますし(笑)。

——なるほど(笑)。そのほかにも挑戦したことはありますか? 

バスケットボールの体験にも行ったことがあるんですけど、あんまりおもしろくなかったですね。ひたすら走らされて「辛い……、ついていけない」って思いました。

——サッカーもけっこう走りますよね?

そうですね(笑)。でも、ボールを蹴るのがすごい楽しくて。見学に行ったときにミニゲームにも参加したんですけど、ボールを蹴ったら、すごく遠くまで飛んだんですよ。そしたら、みんなから「キック力がすごい」って褒められて。それでもうハマっちゃいましたよね。そのときはキーパーとして参加したんですけど、コートが小さかったので、ゴールだけ守ってるんじゃなくて、攻めにも参加したりして。

——チームにはどのくらいの人数がいたんですか?

全員合わせて50〜60人? もしかしたら、もっといたかもしれないです。すごくたくさんいましたね。

——そのなかで女の子はふたりだけだったわけですよね?

そうです。だから、最初は勇気が要りました。周りは男の子ばっかりだし、小学生だから「え、女かよ!」って反応なんです。試合のときには、相手チームも「おい、女がいるぞ!」みたいな。

——相手チームはもちろんですが、チーム内でもそんな反応だったんですね。

でも、段々と慣れていって、途中からは性別関係なくガンガンぶつかられてました。

——男の子相手だと体格で負けそうですが。

小学生くらいのときって男子の方が小さかったりするじゃないですか。だから私の方が体は大きかったし、当たりも強い方でした。しかも負けず嫌いだから、ぶつかっても負けないように鍛えたりして。そのおかげもあってか、初心者の間は女の子だからということでひとつ下の学年に混ざってやってたんですけど、途中からは同じ学年の練習に入ってやってましたね。

——ポジションはどこだったんですか?

右のサイドハーフでしたね。自分で言うのもなんですけど点取り屋でした。ゴール決めるのがとにかく気持ち良かったです。

——練習はどのくらいやっていたんですか?

週に2回、土日にやってました。あとは、お父さんがたまに公園に連れて行ってくれるので、一緒にボールを蹴って。

——お父さんもサッカーが好きなんですか?

いえ、お父さんは野球が大好きで。だからソフトボールをやってほしかったみたいです。たまにキャッチボールに付き合わされたこともあったんですけど、結局お姉ちゃんはバレエで、私はサッカー(笑)。

——お父さんの願望は叶わなかったんですね。

でも、試合はよく見に来てくれて、活躍したときは喜んでくれましたね。逆にミスしたときなんかはコーチみたいに「何やってるんだ!」っていろいろ言われましたけど。

女子サッカーチームにも入り、サッカー漬けに

——その後、女子サッカーのチームにも入ったんですよね?

はい。小学校4年生のときに。その頃はまだサッカーをする女子が少なかったので、私のように男子のチームに混ざってプレイしている女子が各学校から集まってチームをつくっていました。それからは学校のクラブとの掛け持ちになったので、土日は1日中サッカー漬け。午前中は男子のチームで練習して、午後は女子チーム。今思うと、大変でしたね(笑)。

——男子と一緒にプレイしていると、女子だけのチームは周りの力が弱く感じそうです。

確かに男子とプレイしたあとに女子と当たると「あれ? 周りが弱くなってる」って感じることもありましたね。だからこそ、自分もちゃんと強くなってるんだって実感がありました。

——千葉県はJリーグのチームもあって、男子サッカーでは強豪校が多い激戦区のイメージですが、女子サッカーでも同じなのでしょうか?

他の県に比べて、参加校が多かったと思います。そこで優勝できたのでけっこう自信があったんですけど、ジェフユナイテッド市原・千葉の女子ユース2軍と試合をしたら全然かなわなくて、やっぱりJリーグの下部組織はすごいんだな……と痛感した記憶があります。

——とはいえ、この女子のチームでは全国大会にも進出したんですよね。

県大会と関東大会で優勝して、全国では2勝してベスト16まで進みました。

——強いチームだと、練習がハードなイメージがあるのですが、実際はいかがでしたか?

練習の終わりにいつもミニゲームをやるんですけど、負けたチームは1周200mくらいあるグランドを全力で3周しなければいけなくて。あれがいちばんキツかったですね。私は体力がない方だったので、毎回、意地でも負けたくないと思ってプレイしていました。と言いながら、わりと負けてたんですけどね(笑)。私はいつもいちばん後ろを走ってました。

——女子チームでも、ポジションは引き続き同じ場所ですか?

最初は前と同じ右のサイドハーフだったんですけど、途中で左のサイドバックに変えられて。体の当たりが強くて、ボールを奪われたらすぐに取り戻しに向かうことが多かったので、バックの方が向いてると思われたのかな。でも、体力がなかったので上がり下がりが大変で。

——ポジションにはすぐに慣れましたか?

最初はやっぱりダメでした。特に左足でキックするのが全然できなくて。ポジションに慣れるまで3年くらいかかった気がします。

——左足を鍛えるために何か練習をしたんですか?

とにかくキック力がなかったので、壁当てみたいなことをインサイドとアウトサイドを使い分けながらしてみたり、ミニゲームでもなるべく左足でボールを蹴るように心がけましたね。

立候補してキャプテンに

——この女子チームではキャプテンを務めていたそうですが、どうやって決まったんですか? 監督から言われたとか?

いえ、自分で立候補したんです。やりたい子がもうひとりいたのでじゃんけんをして、私が勝ったのでキャプテン、負けた子は副キャプテンになりました。

——小学生のなかでキャプテンとしてちゃんと仕切るって、なかなか大変そうです。

そうなんですよ! 今振り返ると、なんで立候補したんだろうって思います。でも、当時はすごいやりたかったんですよね。私が仕切るんだ! って気持ちが強くて。

——キャプテンとしての仕事はしっかりできたと思いますか?

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