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阿部サダヲ『いだてん』ロングインタビュー「暗くなりがちな時代だからこそ、スポーツを通して明るくなってほしい」 (3/4)

―― 田畑さんのモチベーションは、どこにあったと考えていますか。

オリンピックを呼びたい、という気持ちがずっとありました。でも(占い師から30歳で早逝すると言われ)もしかして、という気持ちになったときのモチベーションの保ち方は難しいですね。田畑さんは、結婚してから奥さんにいろいろ言われるんですが、そこで気が付くこともある。結婚して良かったと思います。ドラマでは急に結婚するのでびっくりすると思います。この流れで結婚するんだ、と思うはずです。

田畑も、出会う人によって成長する部分があると思うんですよね。まず治五郎さんを見て、こういうやり方があるんだと知った。新聞社の政治部長(リリー・フランキー)が可愛がってくれた、というところでも成長があります。ローズというバー(薬師丸ひろ子演じるマリーがママを務める)に行って、当たらない占いをされて。騙されたのも成長したっていうことですよね。自分の家系が長生きできない家系で、占い師からは30までしか生きられないと言われて。でも忙しすぎて、気付いた頃には30を超えていた。そこから相当、生き生きしていきます。結婚もしますしね。奥さんの言葉でも変わっていく。知らず知らずのうちに、関わっている人を通じて田畑さんは成長している気がします。

―― 金栗さんと田畑さんはこれまで直接、会う場面がありませんでした。それが、第25回で描かれるパリ・オリンピックの報告会で顔を合わせます。

金栗さんとはこの後、オリンピックがどういうものか、2人で話をするシーンがあります。そこで金栗さんとはじっくり話し合う予定です。これから撮ります。もう現役じゃない、けれど相当熱い金栗さんが見られると思います。

パリ・オリンピックの報告会では、金栗さんもびっくりしたと思うんですよね。いきなり知らない記者にこんなこと言われるんだという。「老いぼれ」「あの人まだ走っているの」みたいなことも言ったりする。それが田畑の良いところだし、もちろん金栗さんのことを尊敬している部分もあるんですよ。

「憧れ」のショーケンと共演

―― 第2部の初回、第25回で萩原健一さん(高橋是清 役)と共演するシーンがあります。

現場では、リハーサルのときから存在感がありました。初めてお会いしたんですが、「あぁショーケン」だと。大河ドラマをやっていないと、なかなか会えないような俳優さんですよね。撮影の時点で、私はご病気のことを知らなかった。台本に、自身の動きについてすごく熱心にメモを書きこまれていました。宮藤官九郎さんの台本には、あまりト書きがない。あっても1行か2行だったりするので、どうしてこっちに動くのか、その意味付けをされているようでした。

田畑さんは、高橋是清にお金をもらいに行きます。2度目に訪ねたときに、オランダ土産の木靴を持っていくんですが、そのときアドリブで、木靴で殴ってくれたんです。ゴツって、ものすごく痛かったんですが(笑)、そのことで僕には「ショーケンさんに最後に殴られた俳優」という箔がつきました。迫力がありました。

いま、ショーケンさんを目指している俳優さんもたくさんいる。来る俳優さんみんなに、その撮影時のことを聞かれるし、「良いなぁ」と言ってもらえてて。もともと歌手で役者だったショーケンさんは、自由な演技をされていた。役者はこうじゃなきゃいけない、というルールがない感じでね。僕も憧れていました。

―― アドリブはある?

ないです。ショーケンさんに殴られたところだけアドリブです。それ以外は、ないです。

―― スポーツ選手の役ではない。応援する側として、どのシーンでテンションが上がりましたか。

やはり水泳のシーンですね。ロス・オリンピックも、前畑(秀子)さんが出るベルリンも。撮影時のプールにいたんですが、盛り上がりました。実際の競技で使われるような、選手の動きについていくカメラを使っていて本格的でした。外国人の選手は、みんな現役の選手なんです。こっちは俳優。それを競わせるんだからすごい。みなさんの真剣な表情を見れたので、すごく良かった。田畑さんも、病気で泳げませんでしたが、自分が泳ぎたいという気持ちはあったはずです。ワクワクしました。実況席でも盛り上がっちゃって、気が付いたら声を枯らしていました。「前畑がんばれ!」も良いシーンになりました。

―― 大学の地下にプールがあった、という設定があります。

すごいですよね、東宝スタジオにプールをつくりました。まさかと、みんなびっくりしていた。すごいとしか言いようがない。しかも温水にして。それほど長い期間ではありませんでしたが、外観を変えて、浜松の中学校のプールとして使ったりもしています。NHKの美術さんには感心します、毎回毎回。

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