ウェルネスフード
2022年7月21日

じゃがいもにはどんな栄養がある?食べるメリットとは? スポーツする人におすすめの簡単レシピも紹介[栄養士監修]

 子どもも大人も大好きなポテト。ポテトサラダやポテトコロッケ、カレーにポテトフライなど、日本人の食に欠かすことができない食材です。そんなポテトには、炭水化物であるでんぷんが多く含まれていることは誰もが知るところ。しかしでんぷんが消化の早い炭水化物で、運動に必要なエネルギーとしてすぐに利用できるといったメリットを知る人は少ないかもしれません。

 今回はそんなポテトの栄養価から、運動パフォーマンスにもたらすポテトの効果、効率よく栄養を摂取するための食べるタイミングなどを管理栄養士の佐藤樹里さんに解説していただきます。さらに、スーパーなどで手軽に手に入る米国産冷凍フライドポテトや米国産ポテトフレークを使った簡単レシピも教えていただきます。

ポテトって食べた方がいいの?

 毎日の食事や小腹が空いたときなど、意識するしないに関わらず私たちの暮らしの中に登場する機会の多いポテト。逆にいうと、ポテトの栄養価やその効果を意識して食べている、という人はあまりいないのではないでしょうか。

 しかし、ポテトにはアクティブな生活を送るにも、スポーツをする人がベストな状態でパフォーマンスをするにも必要なエネルギーである炭水化物が豊富に含まれ、筋肉に不可欠なカリウムも含まれています。つまり、ポテトは実は意識して食べた方がいい、ということになります。

糖質は適量ならば太らない

 「糖質は太る」と思っていませんか? しかし、糖質は体を動かすためのエネルギー源として絶対に必要な栄養素です。では、糖質が不足するとどうなるのでしょうか。

「体や脳を動かすエネルギー源となるのが糖質です。つまり、糖質をしっかりと摂取することが、体づくりや運動パフォーマンスのアップにつながります。過度な低糖質の食事を行うと、体のたんぱく質の量が減ったり、集中力の低下や疲労感などが生じてしまうので注意が必要です」と、佐藤さんも警告しています。

 糖質は適量であればエネルギーとして消費され、むしろ脂肪を燃やすためのエネルギー源ともなります。もちろんポテトの糖質も、適量であれば太るということはありません。皮つきポテト中サイズ(148g)のポテトのカロリーはたった110kcal。ポテトを上手に日々の食生活に取り入れてエネルギー補給すれば、日々を活動的に過ごすことができます。

意外に栄養素豊富なポテト。カリウムの含有量はバナナより高い!

 ポテトには、炭水化物やカリウムのほかにも多くの栄養素が含まれています。以下は、皮つきポテト中サイズ(148g)1個に含まれる栄養素です。

 なかでも注目すべきは、カリウムの含有量。カリウムは筋肉の収縮など筋肉機能の調節に関わっており、さらに「カリウムが多く、ナトリウムが少ない食事は高血圧や脳卒中のリスクを減らす」という研究結果があります。カリウムはナトリウムを体外に排出しやすくする作用があるため、塩分過多になりがちな現代の食生活の中で、塩分の取り過ぎを調節するのに役立ちます。

 WHOのガイドラインでは、成人男女ともに1日3510mgのあたりのカリウム摂取を推奨しており、620mg(上図参照)のカリウムは、必要摂取量の約15%に相当します。ちなみに、カリウムといえばバナナと思われがちですが、バナナ100gあたりのカリウム含有量は360mg。つまり、ポテトのカリウム含有量はバナナよりも高いのです。

「皮つきポテトの方が食物繊維や鉄が多く含まれています。また、6枚切り食パン1枚とポテト1個の栄養価を比べると、ポテトはカロリーが約半分、食物繊維は約6倍、ビタミンCに関しては食パンには含まれないので約40倍にもなります」と、ポテトは皮をむいてしまうより皮がついたままのほうが栄養素をより多く摂取できると佐藤さん。

 小腹が空いたときなどに、皮つきポテトを蒸かしてそのまま食べれば栄養素はそのままに、カロリーを抑えたおやつになりますね!

ポテトがもたらすパフォーマンスとは?

 エネルギー源としての炭水化物やカリウム、ビタミンCを多く含むポテトは、スポーツをする人にとって、パフォーマンスをしっかりサポートしてくれる効率のよい食材といえます。

「炭水化物は体を動かすエネルギー源に、カリウムは足のつりや筋肉の痙攣(けいれん)を予防する働きがあります。糖質の摂取目安量は、トレーニングが適度(1日1時間程度の適度な運動)な人は、1日体重1kgあたり5~7gになります」と佐藤さん。

 体内での炭水化物の量は限られており、とくに激しい運動をしたあとには積極的に補給する必要があります。そういった意味でも主食に相当するエネルギーを適度に効率よく補給できるポテトは、パフォーマンスを持続し、よりよいパフォーマンスをもたらすために競技前後に摂取するのによい補食といえるでしょう。

栄養士おすすめポテトを食べるタイミング

 栄養価が高く、スポーツのパフォーマンスアップにも役立つポテト。そんなポテトをもっと効率よく摂取するための食べるタイミングとは?

「運動前のエネルギー補給として、また、運動後の夕食でほかの高たんぱく質の食材と一緒に合わせて摂ってもよいですね」と佐藤さん。さらに、スポーツ後のリカバリーにもポテトは最適なのだとか。

 とくに持久力トレーニング後の食事には、筋肉の回復はもちろん、水分の補給や電解質とグリコーゲンを補給できるポテトは積極的に摂りたい食材のひとつといえるでしょう。

米国産ポテトを使ったパフォーマンスレシピ

 最後に、スポーツをする人のパフォーマンスアップのための簡単ちょい足しレシピを佐藤さんに教えていただきました。日頃、生鮮ポテトを使うことがほとんだと思いますが、米国産フローズンフライドポテトとポテトフレークを使った時短・簡単レシピです。

 米国産冷凍フライドポテトというと、ファストフードのシューストリングや皮つきウエッジがおなじみですが、ほかにもハッシュブラン、テイタードラム、クリンクルカットやワッフルフライなど、色々なカットがあります。フライドポテトとしてそのまま食べるのはもちろん、冷凍野菜として料理の食材にも手軽に利用できて便利です。

 米国産ポテトフレークは、お湯で戻すだけで簡単にマッシュポテトができます。コロッケやグラタンのような食事だけでなく、パンやスイーツにも使えて便利です。

米国産フローズンフライドポテトちょい足しレシピ

◎卵・ひき肉プラスでたんぱく質量アップ!

卵をちょい足し「米国産フローズンフライドポテトでスパニッシュオムレツ」

<材料>
米国産フローズンフライドポテト、玉ねぎ、ベーコン、塩、コショウ、顆粒コンソメ

<作り方>
2cm幅に切った米国産フローズンフライドポテトを炒め、塩・コショウで味付け。そこに顆粒コンソメを加えて溶いた卵を入れ、フライパンにフタをして固まるまで2〜3分焼く。ひっくり返して裏面も焼き目をつけたら完成

ひき肉をちょい足し「米国産フローズンフライドポテトでミートポテト」

<材料>
米国産フローズンフライドポテト、豚、牛、合挽き、鶏肉などお好みのひき肉、ケチャップまたはソース、顆粒コンソメ、塩、コショウ

<作り方>
2cm幅に切った米国産フローズンフライドポテトとひき肉を炒める。ケチャップまたはソース、顆粒コンソメ、塩、コショウで味付けしたら完成

米国産ポテトフレークちょい足しレシピ

◎牛乳・ひき肉プラスでたんぱく質量アップ!

牛乳をちょい足し「米国産ポテトフレークのヴィシソワーズ」

<材料>
牛乳、バター、顆粒コンソメ、塩

<作り方>
米国産ポテトフレークに温めた水と牛乳を少しずつ混ぜ、バター、顆粒コンソメ、塩で味付けをし、冷蔵庫で冷やしたら完成

ひき肉をちょい足し「米国産ポテトフレークで揚げないコロッケ」

<材料>
米国産ポテトフレーク、玉ねぎ、豚、牛、合挽き、鶏肉などお好みのひき肉、パン粉

<作り方>
炒めた玉ねぎ、ひき肉に米国産ポテトフレークとお湯を少しずつ加えてよく混ぜる。コロッケの形にして表面にパン粉をまぶし、フライパンで両面を焼いて完成

「生のポテトではなく加工ポテトを使うことで時間のかかる皮むきや茹でるなどの工程をカットすることができ、調理時間が短縮できます。さらに、調理することがより簡単になるなどのメリットもあります」(佐藤さん)

運動する人はポテトに注目してみよう!

 ポテトには、体や脳を動かすためのエネルギー源となる炭水化物をはじめ、カリウムやビタミンCなど多くの大切な栄養素が含まれています。たんぱく質をプラスして、食べるタイミングなどをちょっと工夫すればポテトの栄養素を効率よく摂取することもできます。手軽で調理も簡単な米国産フローズンフライドポテトや米国産ポテトフレークを上手に活用して、パフォーマンスアップに役立ててみてはいかがでしょうか。

記事協力 米国ポテト協会

[監修者プロフィール]
佐藤樹里(さとう・じゅり)
管理栄養士。フィットネスクラブにて水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務後、フィリピン留学を経てカナダ・バンクーバーへ渡航。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房でのWワークを経てスポーツ栄養系健康会社に転職。その後、「アスドリファクトリー」代表として独立。好きな食べ物:チャーハン。趣味:チャーハンめぐり・筋トレ。日本一チャーハンを愛する管理栄養士としても人気で、TV、ラジオなどのメディア出演多数。2021年7月、チャーハン愛の詰まったレシピ本『うちで作るチャーハンがウマい!』(池田書店)を上梓。
【公式Twitter】 https://twitter.com/jurijapan1

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/photo:米国ポテト協会>