上腕三頭筋の最強筋トレTOP3と、筋肉を追い込む鍛え方[トレーナー監修] (1/3)
腕の筋肉のひとつ「上腕三頭筋」。たくましい腕や引き締まった二の腕を作るには、上腕三頭筋のトレーニングが欠かせません。
今回は、自重やダンベルなどの器具を使った上腕三頭筋の筋トレと、トレーニング効果を引き出す鍛え方を解説していきます。
初心者や女性でもやりやすいメニューを、動画と画像を用いてレクチャー。
解説は、プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当する、日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)認定トレーナー・和田拓巳さんです。
<このページの内容>
上腕三頭筋とは。どこの筋肉?
上腕三頭筋は、上腕部の裏側に付着している筋肉です。
筋肉の名称はその筋肉の特徴を表しているものが多いのですが、この上腕三頭筋は、名前の通り3つの頭(付着部)を持っている筋肉です。
上腕三頭筋の働き
では、まず上腕三頭筋の筋肉の作りと働きを確認してみましょう。
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長頭
上腕三頭筋の中でもっとも長いのが“長頭”です。肩甲骨から尺骨に付着し、唯一肩関節と肘関節をまたいでいます。
長頭の働きは、肘を伸ばす、腕を頭上に上げた際に内側に近づけていく動作で力を発揮します。
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内側頭
一番深層にあるのが“内側頭”です。上腕骨と尺骨に付着し、肘関節をまたいでいます。
肘を伸ばす時に力を発揮します。
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外側頭
外側に位置しているのが“外側頭”です。上腕骨と尺骨に付着し、肘関節をまたいでいます。
肘を伸ばす時に力を発揮します。内側頭と外側頭を合わせて短頭と呼ぶ場合もあります。
上腕三頭筋と上腕二頭筋の違い
名前が似ている筋肉に、上腕二頭筋があります。上腕二頭筋は、腕の表側についている筋肉です。
上腕三頭筋と上腕二頭筋は表と裏の関係で、肘を伸ばす上腕三頭筋と、肘を曲げる上腕二頭筋のように、反対の働きをもっています。
実は大きい?! 腕を太く見せる筋肉は「上腕三頭筋」
腕の筋肉のイメージは、力こぶ。
力こぶの筋肉である上腕二頭筋を鍛えることで、腕が太くなる! と思って上腕二頭筋の筋トレに励んでいる人も多いのではないでしょうか。
しかし、実は、上腕三頭筋の方が上腕二頭筋よりも体積(筋肉の大きさ)が大きいのです。上腕三頭筋を鍛えて筋肥大させたほうが、腕を太くするのには効率的です。
上腕三頭筋を鍛えるメリット。上腕三頭筋を鍛えるとどんな効果があるの?
上腕三頭筋を鍛えることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
腕が太くなる・引き締まる
先述の通り、上腕三頭筋が筋肥大することで、腕が太くなります。また、女性の場合は、たるんだ二の腕を引き締まった腕にすることができます。
「押す」動作のパフォーマンス向上
肘を伸ばす際に力を発揮する上腕三頭筋を鍛えることで、格闘技のパンチや野球の投動作、バレーボールのアタックなどのスポーツのパフォーマンスを高めることにつながります。
また、サッカーやラグビーなどでも、相手選手との競り合いなどのフィジカルコンタクトの強化のために欠かせない部位です。
日常生活でも、物を押す、起き上がるときに体を支えるなど、上腕三頭筋が活躍する場面は多くあります。それらの動作を楽にしてくれます。
上腕三頭筋が衰えるとどうなる? 上腕三頭筋を鍛えないデメリット
上腕三頭筋が衰えることで、さまざまな動作のパフォーマンス低下や、肩やひじ周りのケガのリスクが高まるなどの悪影響を及ぼします。
見た目にも腕の筋肉がたるみ、メリハリのない腕になってしまうでしょう。
簡単なのに効果的! トレーナーおすすめ上腕三頭筋のエクササイズ3選
では実際に、手軽に取り組める上腕三頭筋のエクササイズを紹介していきます。
リバースプッシュアップ
1.イスに座ります。両手をお尻の横につき、体を支えます。
2.手でしっかり体を支え、お尻を浮かせます。足を遠くにつき、肘をまっすぐ伸ばしましょう。
3.お尻をイスから外し、肘を曲げて体を下していきます。
4.下せるところまでいったら、肘を伸ばし、元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返します。
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体を前に動かさない
体を下ろすとき、体を前に動かさず真下に下ろしましょう。肘が曲げられない場合は膝を軽く曲げ、足のつく位置を手前にすると負荷が減ります。
足の力を使わず、上腕三頭筋で押すように意識して行いましょう。