腹筋 呼吸
フィットネス
2025年7月17日

腹筋に効かせる呼吸のコツ!インナーマッスルを鍛えて割れるお腹をつくる

立ったままできる「立ち腹筋」、昔ながらの「シットアップ」、みぞおち付近まで肩を丸める「クランチ」、体幹も同時に鍛えられる「プランク」など、いまや腹筋トレーニングの種類はさまざまあります。

でも、どの種目でも腹筋に効かせるには正しいフォームとともに、「呼吸」も大事。動きと呼吸を連動させることで、インナーマッスル(深層筋)にしっかり刺激が届き、より効率よくお腹を引き締めることができます。

初心者にもわかりやすい腹筋の正しい呼吸法と、インナーマッスルに効かせるコツを解説します。

監修は、自らも身体を鍛える医学博士・脳神経外科専門医・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤惣一郎先生です。

なぜ「呼吸」によって「腹筋の効き」が変わるのか?

腹筋トレーニングは、実は、いつ・どう息を吐くかによって、筋肉の働き方が大きく変わります。呼吸を意識するだけで、体の奥にある筋肉が目覚め、腹筋の効きがぐっと変わってきます。

呼吸でインナーマッスルが目覚める

深層筋とは、体の奥にあるインナーマッスルのことです。姿勢の安定や内臓の位置を保つ役割があります。中でも腹横筋「ふくおうきん」は、呼吸と連動して働く筋肉で、息を吐くときに活性化します。そのため、呼吸をうまく使うことでトレーニング効果を高めることができます。

呼吸によって腹圧が高まると、体幹が安定して、フォームも崩れにくくなります。結果として、腹筋にしっかりと負荷がかかり、インナーマッスルまで効かせることができます。

浅い呼吸が筋トレ効果を台無しに

呼吸が浅くなると、胸式呼吸が中心になりやすくなります。胸式呼吸はインナーマッスルにうまく刺激が届かないため、表面の筋肉ばかりを使ってしまいます。

また、呼吸が浅いことで、酸素が筋肉に行き届かず、疲労がたまりやすくなることもあります。トレーニング効果を高めるためには、しっかりと息を吐いて腹式呼吸を意識することが大切です。

腹筋に効かせる正しい呼吸法

腹筋トレーニングで効率よく鍛えるためには、動作に合わせた呼吸が欠かせません。どういうときに息を吐くのか、吸うのか、基本の呼吸法と、種目別の呼吸タイミングを解説します。

腹筋に力を入れる時は吐く

腹筋を使うときは、息を吐きながら力を入れるのが基本です。たとえば、クランチで肩を丸めるときは吐く。シットアップで上体を上げるときは吐く。吐くときに腹筋に力を入れることを意識しましょう。

逆に、吸いながら力を入れてしまうと、腹圧が逃げてしまい負荷が分散してしまいます。動作に合わせて自然に呼吸をコントロールすることが大切です。

種目別・呼吸のタイミング

動作と呼吸を合わせることで、狙った筋肉に刺激が届きやすくなります。

種目 動作のポイント 呼吸のタイミング
クランチ 上体を起こす 息を吐く
レッグレイズ 脚を持ち上げる 息を吐く
プランク 静止をキープする ゆっくり呼吸する

クランチやレッグレイズでは、力を入れる瞬間にしっかり息を吐きましょう。プランクのような静止系のトレーニングでは、呼吸を止めずに一定のリズムで続けることが大切です。

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腹筋に効かせる呼吸はドローインで身につく

腹筋と呼吸を連動させる感覚を身につけるには、ドローインが効果的です。体を大きく動かさずに、腹式呼吸の基礎を練習できるトレーニングです。

ドローインとは

ドローインは、腹式呼吸を使って「腹横筋(ふくおうきん)」を鍛えるエクササイズです。腹横筋は腹筋の中でも最も深い位置にある筋肉で、お腹を引き締める・姿勢を安定させる・腹圧を高めるといった働きを担っています。

そして、呼吸と腹横筋は密接に関係しています。息を吐くときに腹横筋は自然と収縮します。ドローインではこの「吐く→お腹をへこませる」動作を意識的に繰り返すことで、普段あまり使われていないインナーマッスルを活性化できます。

ドローインの基本のやり方

立ったまま、または座ったまま行ってもよいですし、寝る前に仰向けになった状態で行ってもよいです。できる限り連続で行なうと、効果的です。

1.背筋を伸ばし、肩を下げ、力まないようにする
2.お腹に空気をため込むように、大きく息を吸う
3.息を止めて少しキープ!
4.膨らませたお腹が凹むように、思いきり息を吐き出す
5.そのまま20秒キープ!

立ってor座ってやるドローイン

\動画で動きをチェック/

寝てやるドローイン

背中を反らさずに、腰が床についた状態を保つことがポイントです。お腹の奥に力が入っている感覚をしっかり意識しましょう。

\動画で動きをチェック/

ドローインを繰り返すことで、腹横筋の動きがわかりやすくなります。この感覚をつかむと、筋トレ中の呼吸も自然と深くなり、フォームも安定します。

トレーニングの前に行う準備運動としても有効ですし、日常生活のすき間時間に実践するのもおすすめですよ。

呼吸のミスは効果半減!よくある勘違いと解決法

呼吸を意識していても、知らずに間違った癖がついてしまっていることがあります。よくあるミスとその対処法を紹介します。

息を止めると筋肉は動けなくなる

力を入れるときに息を止めてしまうのは、よくある間違いです。呼吸を止めると筋肉が緊張し、パフォーマンスが下がってしまいます。まずは、「吐くときに力を入れる」という基本を徹底しましょう。お腹を締めるように息を吐くことで、腹圧が自然と高まり、インナーマッスルが働きやすくなります。

お腹が動いていないなら胸式呼吸かも

浅い呼吸になってしまうと、胸だけが動いて腹筋には刺激が入りません。腹式呼吸ができているかを確かめるには、仰向けに寝てお腹に手を置いてみましょう。息を吐いたときにお腹がへこむかどうかをチェックします。ドローインを継続することで、腹式呼吸が自然と身につくようになります。

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監修者プロフィール

美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎

近藤 惣一郎医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/

<Edit:編集部>