ジョギング
フィットネス
2025年9月1日

ジョギングの効果と正しいやり方|初心者に最適な時間・頻度・強度

ランニング、ジョギング、ウォーキング――似ているようで実は効果や体への負担は大きく異なります。なかでもジョギングは、健康維持やダイエットに取り入れやすく、幅広い世代に人気です。

スポーツ医師・樋口 直彦先生は、「ジョギングは誰でも始めやすい運動でありながら、体力の向上や脂肪燃焼、ストレス解消など幅広い効果があります。正しい方法で取り組めば、40代や50代からでも、年齢を問わず健康づくりに役立つ習慣になります」と言います。

樋口先生監修のもと、ジョギングの効果と正しいやり方を解説。初心者が気になる時間や頻度、強度の目安も紹介します。安全に効果を高めるための基本を知って、無理なく継続していきましょう。

ジョギングとは?ウォーキング・ランニングとの違い

ジョギングはウォーキングよりも速く、ランニングよりも体への負担が少ない有酸素運動です。無理のないペースで走れるため、初心者や健康維持を目的とする人でも続けやすいのが特徴です。

種類 速度の目安 特徴 向いている目的
ランニング 時速9km以上 高いカロリー消費、体への負担大 持久力向上、競技力強化、減量
ジョギング  時速6~9km程度 会話できる余裕のあるペース 健康維持、脂肪燃焼、ダイエット
ウォーキング 時速4~6km程度 負担が少なく継続しやすい 生活習慣病予防、リハビリ、運動習慣化

ジョギングの効果

ジョギングは有酸素運動の代表格であり、体力向上やストレス解消など幅広い効果が得られます。続けやすい運動だからこそ、心身の健康を長期的に支える力があります。

心肺機能の向上

ジョギングは心臓や肺に適度な負荷をかけるため、酸素を効率よく全身に送り届ける力が高まります。続けることで息切れしにくくなり、日常生活でも疲れにくい体を作ることができます。

脂肪燃焼と体重管理

20分以上のジョギングは、脂肪をエネルギー源として活用します。消費カロリーが増えることで体脂肪率を下げやすく、ダイエットや体型維持に役立ちます。

生活習慣病の予防

ジョギングは血糖値や血圧を安定させる効果が期待できます。糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病のリスクを下げることができます。

メンタルと睡眠の改善

ジョギングを行うと脳内でセロトニンやエンドルフィンが分泌され、気分が安定しストレスが軽減されます。この作用は不安や抑うつの改善にもつながり、メンタルヘルスを整える効果があります。さらに適度な疲労が質の良い睡眠を促し、翌日の集中力や気分の安定にも役立ちます。

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ジョギングの基本のやり方

正しいフォームを意識して、準備をきちんとすることで、ケガを防ぎながら、運動効果を高めることができます。初心者ほど基本を押さえておくことが大切です。

正しいフォーム

ジョギング正しいフォーム

1.前かがみにならず、背筋をまっすぐに保ち、目線は少し前を向くようにします。

2.腕は軽く曲げて前後にリズムよく振り、肩に余計な力を入れないことがポイントです。

3.足は前ではなく真下に落とすイメージ。着地はかかとからつま先へと自然に重心を移すように意識すると、膝や腰への負担が少なくなります。

シューズの選び方

ジョギング専用のシューズを用意することで、関節への負担を減らせます。クッション性があり、自分の足に合ったサイズを選ぶことが重要です。普段履きのスニーカーではサポートが不十分なため、ケガの原因になる場合があります。

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ウォーミングアップとクールダウン

走る前は、軽い体操や動的ストレッチで筋肉を温めましょう。終了後は、呼吸を整えながらゆっくり歩き、静的ストレッチを行うと疲労回復につながります。準備と整理を習慣にすることで、継続して安全にジョギングを楽しめます。

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時間・頻度・強度の目安

ジョギングは短時間でも効果がありますが、継続するためには自分の体力に合った目安を守ることが大切です。無理をせず少しずつ習慣化していきましょう。

時間の目安

初心者は15〜20分から始めるのがおすすめです。慣れてきたら30分程度を目安にすると、脂肪燃焼や持久力向上の効果が高まります。長時間走る場合は、体調を見ながら少しずつ時間を延ばしましょう。

頻度の目安

最初は週2〜3回で十分効果が期待できます。慣れてきたら週4〜5回に増やしても構いませんが、毎日走ると疲労が蓄積する可能性があります。休養日を設けて体を回復させることも重要です。

強度の目安

「会話できる程度の余裕があるペース」が基本です。数値で確認したい場合は、「220−年齢」で最大心拍数を算出して、その値の60〜70%を目安にしましょう。速すぎるとケガや疲労のリスクが高まるため、余裕を持った強度で走ることが長続きのコツです。

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安全に続けるための注意点

ジョギングは体への負担が少ない運動ですが、方法を誤ると関節痛やケガの原因になることもあります。安全に長く続けるためには、いくつかの注意点を意識しましょう。

膝や腰への負担を避ける

硬いアスファルトばかりを走ると膝や腰に負担がかかりやすくなります。公園の土の道やゴム製トラックなど柔らかい路面を選ぶと安心です。体に痛みが出た場合は無理をせず、休養を取りましょう。

シューズとフォームの見直し

クッション性のあるランニングシューズを履くことで関節への負担を減らせます。また、猫背や着地の衝撃が強すぎるフォームはケガにつながりやすいです。背筋を伸ばし、リズムよく軽い接地を心がけましょう。

ジョギングに関するQ&A

ジョギングを始めるとき、多くの人が「毎日走っていいのか」「年齢が上がっても効果があるのか」などの疑問を持ちます。ここでは初心者から中高年まで役立つよくある質問に答えます。

Q:毎日走っても大丈夫ですか?

A:毎日走る必要はありません。週2〜3回でも十分効果が得られます。疲労がたまると膝や腰のケガにつながるため、休養日を取り入れることが大切です。

Q:朝と夜、どちらが良いですか?

A:朝は気分をリフレッシュでき、生活リズムを整える効果があります。夜は一日のストレス解消や睡眠改善につながります。痩せることを重視するなら、糖質が少ない朝に走るほうが脂肪燃焼効率は高いとされています。生活スタイルに合わせて無理のない時間帯を選びましょう。

Q:40代でもジョギングの効果はありますか?

A:40代では基礎代謝が低下しやすく、生活習慣病のリスクも高まります。ジョギングを取り入れることで消費エネルギーを増やし、健康維持や体重管理に役立ちます。

Q:50代からジョギングを始めても遅くないですか?

A:50代でもジョギングは心肺機能の維持や筋力低下の防止に効果があります。無理のないペースで継続すれば、健康寿命を延ばすサポートになります。

Q:ジョギングはメンタル面にも効果がありますか?

A:ジョギングをすると脳内でセロトニンやエンドルフィンが分泌されます。その作用によってストレスが軽減され、不安や抑うつの改善につながります。また適度な疲労が深い睡眠を促し、翌日の集中力や気分の安定にも効果的です。

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監修者プロフィール

なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生

なか整形外科樋口 直彦帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。

<Edit:編集部>